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蛮幽鬼 飛頭蛮×サジ 「酔っ払いの退屈な自慢話」

舞.台「晩you記」より非当番×佐治(非当番→佐治?)
等位の舞が綺麗だったので、老欄族では舞を教えるんじゃないかという妄想。
短い上にエロ無しで拙い文です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

一度だけ、佐治の舞を見たことがある。月の綺麗な夜だった。
いつものように二人きりで晩酌をしていた際の事、その日の佐治は珍しく酔っていて、気分を良くしたのだろうか、
普段は身の上の話を一切しないあいつが、人殺し以外の特技を教えてくれた。
老欄族では、見目麗しい者にのみ舞を教えるという。
冗談半分で佐治の舞がみてみたいと言った。
それは佐治に向けた言葉ではなく、行き場を必要としない独り言のつもりだったのだが、
佐治は普段通りの笑みで頷き、見せてあげようかと立ち上がった。
その刹那、先程までの締まりのない笑みは消え、そこにあったのは匂い立つような色香を孕んだ微笑。
俺は佐治が普段決して見せる事のないその表情に胸が高鳴るのを感じた。

聴き馴染みのない異国の歌を口ずさみながら、それに合わせて舞う佐治。
海風に煽られてたなびく漆黒の長髪が月明かりを受けて輝いている。
今まで見たどの踊り女より美しく、そして激しく、時に切ない舞は、俺の心を捕らえて離さなかった。
瞬きをする事さえ惜しまれるような美しさに息を飲む。
何処か別の世界に連れて行かれたような錯覚に陥り、目眩がした。

「んー、この先はもう覚えていないなあ…って、君、大丈夫?」

佐治が舞を中断してもなお、俺の意識は別世界にあった。
佐治に頬を叩かれ(しかも結構強い力で)、辛うじて己を取り戻す。

「見惚れるでしょ、僕の舞。これで男を惑わして、その隙に殺すんだ。」

そう言われて、今度こそ夢から覚めたような気がした。
そうか、これも殺しの技なのか。
確かにあの舞を見ている最中、心と身体が乖離したような感覚に襲われた。
その隙をつかれたら、抵抗らしい抵抗は出来ないだろうと思う。
寧ろ心此処に非ずといった状態のまま、夢心地の中で三途の川を渡ってしまいそうだ。

「あ、そうだ、良いこと教えてあげるよ。僕の舞を見た者は、世界中で君一人だけなんだ。光栄でしょ?」
「え?」
「僕の舞を見た者達は、今のところ全員冥府送りにしてるからね。」
「…」

聞いて、唖然としている俺の何が面白かったのか、腹を抱えて大笑いしている佐治。
こら、人を指差すんじゃない。

「あー、君は本当に面白いねえ。」
「…からかっているのか。」
「あはは、うーん、今宵は月が綺麗だ。僕の舞を見ても明日を迎えられる幸運な君に、もう一つ僕の特技を教えてあげるよ。」

言うが早いか佐治は俺の顔を突然引き寄せて、唇を重ね合わせた。
しかし唇はすぐに離され、眼前にあったのは、勝ち誇ったような満面の笑みを浮かべた佐治。
驚きのあまり硬直している俺に気を良くしたのか、佐治はくつくつと笑いながら、俺の耳元に囁き、その場を立ち去った。

『今度君にも教えてあげるよ、房術ってやつをさ。勿論、実践でね。』

房術を教える…。

酒に思考回路を侵されていた為か、将又、先程の接吻に動揺していた為か、幾度反芻しても、咀嚼する事のできないその言葉。
しかし自室に戻り、冷えた寝台に横たわった途端、突然酔いが冷めて、思考が正常に働き始めた。
房術を教えてもらうという事は、佐治とそういう行為に及ぶという事じゃないか!
それを理解してしまったら、ああ悲しきかな、男の性。
脳裏に浮かぶのは佐治の霰もない姿。
親友相手に何て下卑た妄想をしているんだけしからんと己を叱責しようとも、佐治の舞の美しさと唇の柔らかさとが忘れられず、ただでさえ短い夜を悶々としながらやり過ごし、結局寝つく事ができなかった。

「いや、でもあのときの佐治の舞は本当に美しくてな、雲一つない夜空に煌々と輝く月でさえも引き立て役でしかなかったよ。」
「あーそうなんですかー…。」
「ああ。あ、そうそう、その後日談で、房術の話なんだがな、初めてのときは佐治が…」
「(酒飲むといつも佐治さんとの惚気話し出すんだから、この人は…。助けて六ちゃん…。)」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

文を書く事に慣れていない&初投稿なので、読み辛い箇所が多々あると思いますが、
目を瞑って頂けると幸いですw
お目汚し失礼致しました。
ここまで読んで下さって有難う御座います!

  • 蛮幽鬼大好きです!!特にサジ☆とても面白かったです。もっと読みたいな。期待してます。 -- ユナ? 2010-11-07 (日) 19:42:17

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