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零/の軌跡(主人公×兄貴分)

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

夢の中は常に赤く染まっていた。
片手にライフルを、もう片手には適当に拾った長物を持ち、ランディはいつも駆けていた。
胸の悪くなりそうな鉄錆の香り、人間や家畜の息のあるうちの焼かれる匂い。
付き従う外道たち、ならばその先頭に立つ自分は何なのだろう。
彼を苛むその疑問はだが『戦場の叫び』とともにいつしか消えていくのだ。
「……ディ…」
暖かい。
「…ンディ…」
それはランディの罪を象徴するような戦場で燃える炎とは違い、陽だまりの中にいるような、生きている暖かさだ。
無意識にそのぬくもりに擦り寄ってみれば、赤い夢は遥か彼方へと遠ざかった、そんな気分がした。
「ランディ」
穏やかで誠実そうな声が呼ぶのはあの呪われた名前ではない。それがうれしくて、ランディはへらりと笑った。
声に応えようとも思ったが、このぬくもりと声に包まれてまだ少しまどろんでいたかった。
「…仕方ないなあ」
閉じた視界の中、何かが近づくのを感じたが、避けようとは思わなかった。
これは、絶対に自分に危害を加えない、そんあ確信があったからだ。
「ん…」
汗で張り付いた前髪を少し皮膚の硬くなった手がかきあげ、あらわになった額にやわらかいものがそっと触れる。
「くすぐってえ…」
くすくすと笑い声をあげるランディにはかまわず、そのやわらかいものは額からゆっくりと下りていき、鼻の頭を軽く噛む。
嫌がって首を振ろうとしたが、先刻前髪をかきあげてくれた手がしっかりとランディの顔を押さえつけ、叶わない。
「なにすんだ…ん…う…」
くちびるをやわらかいものが覆い隠し、ぬめったものがランディのくちびる割って侵入してくる。
ランディが今までくちびるを重ねた相手と比べれば拙いにもほどがあるが、ぎこちなく舌を絡めて吸うだけの動きに不思議と体が昂ぶっている。
寝ぼけ半分、今のくちづけが半分、脱力しきったランディのくちびるを解放して、彼は笑った。

「おはよう、ランディ」
朝の挨拶とはかくあるべし、と教科書にでも載せたくなるような爽やかな笑顔と声でロイドは言った。
おはよう、と自分も返そうとして、だがもつれた舌はうまく言葉をつむぐことは出来なかった。
朝日に照らされたロイドの一糸まとわぬ鍛えられ、だが幼さをどこかに残した体のあちらこちらに残る赤い鬱血痕にやっと今の状況を理解した。
昨夜、部屋に遊びにきた彼と酒を飲んで、馬鹿みたいな話をして散々笑って笑わせられて、そして。
体格ても格闘術でも勝るという確信はあった。だから、これは、この腰を襲う倦怠感と鈍痛と枯れた喉は、すべて自分自身が望んだことなのだろう。
上から圧し掛かられて、酒に呑まれているというにはあまりにも真っ直ぐすぎる視線に抗うことなど出来なかった。
「…ティオすけいわく、フラグをたてられちまったもんなあ…」
「……?」
「気にすんな、こっちのはなし」
ようやく働き始めた頭で馬鹿みたいなことを思い出して、ランディは笑いかけた。
「おはようさん、ロイド」
「ああ。ランディって意外と寝起きが悪いのか?」
「いや…慣れないことして疲れたせいだと思うけどねえ?」
途端に頬を染めてうろたえるロイドはなんというか可愛らしい。
弟みたいに思っていたのに、いつの間にか一人前の男で、しかもその雄があの少女たちやセシルではなく自分に向けられていたというのは少々複雑な気分ではある。
いやだが、これでロイドと自分は恋人同士になったということなのだろうか。それともあの時は否定したがやはり酔った勢い、それとも。
これからの関係をどうしたらいいのかと頭を悩ませていたせいで、反応が遅れた。
申し訳程度にかけられていた毛布が、ぱさりと床に落ちる。
急に裸の体を外気に晒されて一瞬竦んだところで、ロイドの手がランディの片膝の裏を掴み、脚を抱え上げた。

「へ…?」
当然、あまり人様には見て欲しくない格好になるわけなのだが、常識人のはずのロイドの視線はその見て欲しくない場所に向けられている。
朝だからなのか、さきほどの緩いふれあいのせいかランディの性器はわずかに頭をもたげている。そしてなによりも、昨夜、ロイドに幾度も貫かれ、暴かれたその場所すらも、朝の光の中で見られているのだ。
かあっと、耳まで血が上るのを感じた。
「ちょ、待て、ロイド…」
「すごいね。どこもかしこも真っ赤だ」
くちびるだけで笑ったロイドの台詞を幾度も脳内で反芻して、あまりの内容に気が遠くなった。
あの、可愛い弟キャラはどこにいったんだ。そんな台詞はワジあたりの担当だばかやろう。
「…ランディ…」
「あ…いや、ロイド、ちょっと待ていい子だからって…!!」
思わず呻いてしまうような圧迫感はあったが、痛みはそれほど感じなかった。
その童顔からは意外なほどに昨夜みたロイドのそれは立派だったのだが、散々に使われたそこはまだ緩んでいたのだろう。
逆に、少しきつめなのが気持ちいいくらいだ。
そう思ったのはロイドも一緒なのだろう、ほんのりと頬を赤く染めて、すごい、と呟いている。
「なにが凄いんだ…いや、説明しなくてもいい」
真面目な彼が真面目に説明しようとしたのを慌てて止める。
残念そうな顔をするロイドはやっぱりちょっと可愛くて、この行為とのギャップが凄い。
体格差のせいで、抱きしめられているというよりは抱きとめているという状態で動き始めたロイドの顔があまりにもうれしそうで、さっきから地味に悩んでいる自分が馬鹿らしくなってさえくる。
「…っ…締りのない面しやがって…あ…」

「そりゃあ…ランディのせいだよ」
「人のせいにすんなって…朝っぱらから…襲いやがって…」
後始末が完全ではなかったようでロイドが動くたびに中から彼の精液が掻き混ぜられる音がして、正直恥ずかしさで死ねる。
「…ランディが言ったんじゃないか…」
「んあっ…あ、なに…」
「朝起こしたあと、がばっと襲うのもあり、なんだろ?」
「は?…くっ…ん…」
どこか拗ねたような顔つきでロイドが言った台詞を、揺さぶられてかきまぜられているせいでうまく働かない頭で考える。
そういえば、落ち込んでいた彼を心配して叩いた軽口の中で…。
「…結構、悔しかった。ランディと、そんな経験した人がたくさんいるって考えたら」
「あっ!!」
前触れもなく、後ろだけで完全にたちあがったものを握りこまれ、思わず甲高い声を漏らす。
そんなランディを嬉しそうに見ながら、ロイドは言った。
「…でも、襲われたのは、初めて、だろ?」
完全に、独占欲をむき出しにした『男』の目をしているロイドを見て、これで襲われるのも初めてじゃないといったらなにをされるんだろうと霞む意識の中で思った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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