現行ライダーVV 左右
更新日: 2011-04-24 (日) 16:43:21
映画に滾ってつい。少し映画ネタあり。
ジャンルの方にはメジャカプそのものだと思うけど自分出しどころないので置かせて下さい。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
こいつは最初から悪魔なんかじゃなかったなと、俺の体に自分の体をぴったり
はりつけて目を閉じている相棒の顔を見ながら考えた。
相棒は、フィりップは、快感や甘えたいといった欲求に、会ったばかりの頃か
ら俺がたじろぐくらい素直だ。何しろそういうのを出すのに恥じらいとかためら
いとかを感じるための予備知識も記憶もなかったから、何かの拍子に(俺はそれ
がなんだったかもう覚えてもいない)、そういうコトに興味を持って、居場所で
ある地下室のホワイトボードも壁も全部、いわゆる十八禁な単語や記述でいっぱ
いに埋め尽くし、
「祥太郎、君は知っているかい?セ(ピー)というものを!!」
と、威風堂々言い放つようなこともあった。つーかそれが最初だった。
絶句した俺の前で、セ(ピー)の素晴らしさについて滔々と語り、
「やっぱり知らないんだね」
と目を細め(ちなみにおやっさんに拾われる前の俺はそれなりにやんちゃだった
から、知らないってことはねぇ。つーか……いや、それなりだよ?やんちゃやん
ちゃ。そんな、荒れてたとか、ねぇ?ははは)、
「さあ、験してみよう」
と、俺の腕を引っ張りさえした。
男同士やるもんじゃねえ!と俺がまあガラにもなく叫んじまっても、
「そんなことはない!」
と、反証的なる話をまた滔々と始めやがった。
男同士でやる良さとか(今はまあわかんなくも…でも相手が相棒だからの特別
だと思う)、スポーツ的な何かだと考える奴ら(理解不能)の話だとか、なんか
、絆の話とか。繁殖が絡まない同性同士のが精神性がどうとかこうとかっていう
哲学がどうこうとか。はあそうですか。
要は、
「僕と君は誰よりも近い関係で、二人で一人の存在なんだから、
セ(ぴー)なんか当然なんだよ!ためしてみたいし」
絶対最後が本音だ。
めんどくさくなって、あーーわかったわかった。ためしてみるだけだぞという
と、
「ほんとかい!?」
「言っておくが!ぜっってー俺が上だからな!そんでタたなかったらそこで終わ
りだ!
だからすぐ終わりってことだ!立つわけねえからな!この俺が!男相手に!」
「ふうん?いいとも」
そしてどうなったかというと、まあ…ほぼ一年経った今、当たり前みたいにこ
うしてるとこから察してくれ。
なんつーか……子供みたいな顔してたどたどしく俺のムスコ触る手とか、いざ
入れるぞってなった時の不安そうなすがるみたいな目とか、それでいざ入った後
の信じられねえよさ、とか…。こう、運命の相手ってのは、いるもんなんだなぁ
、と…。
終わってから、
「ほら、やっぱり気持ちよくてすごいことじゃないか祥太郎」
と、とろんと言ってぴったり体をくっつけてくるのもすげー可愛くて、今こうし
て穏やかに目を閉じてるフィりップと何も変わらない。
フィりップに欠けていたのは「感情」じゃない。むしろこいつのありとあらゆ
るものへの興味と、それらから引き起こされる様々なうねりは、はじめから普通
の人間にとってはとんでもない奔流のような激しさをもっていた。そのまんまの
意味でフィりップと「二人で一人」になる俺はよく知ってる。「悪魔だ」なんて
クールな顔して言いながら、フィりップは最初から誰よりもヒトだった。
それなのに、今日こんな激しい戦いときつい思いを経たからこそ、ようやく自
分が悪魔じゃないと言うことが出来た俺の相棒。とても健気な生き物に見えてき
て、真っ黒な癖っ毛を撫でてやった。今はしっとりしてる。
「…祥太郎?」
「ん。なんでもねえよ。疲れてるだろ?しっかり寝ろ」
「なんでもなくは、ないだろう?」
「んー…。本当に、なんでもないんだ。一年っていうのは、大分色々変わってく
る時間なんだなって改めて思っただけさ」
「ふぅん…。…まぁ、そうかな。いいとも。祥太郎も少しは大人になってきたっ
て認めてあげてもいいよ。まだまだだけどね」
「あー?それまだ続行かよ。ばぁか。おまえだよ」
フィりップはくすぐったそうに目を伏せた。
「…ま、根本的な所はなんにも変わってないんだけどな」
「え」
不安そうな顔をするから、額にキスを落とした。
「変わってねえよ。はじめから今日までずっと、クソ生意気で頼りになる、俺の
相棒のフィりップだ」
相棒がわらった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お粗末でした。ハッピーエンド祈願!
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