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ご主人知らず

連投気味スマソ。
ぴク差ー、玩具話で宇宙船氏×保安官ですエロ注意です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

何かがおかしい。
玩具箱の中で眠っていた場ズは、部屋の違和感に気付いてぱちりと目を開けた。
他のオモチャ達が寝静まっているのを確認しながら、物音を立てないように慎重に箱から身を滑らす。
「……、…」
また、だ。普通にしていれば気付かないほどの息遣いがまた、ベッドの方から聞こえてくる。
そこの本来の持ち主である案ディは、今夜は友達の家に泊まっているはずだ。
その友達が新しいボードゲームを買ったとかいうことで、この部屋のオモチャたちは誰一人連れて行ってもらえなかった。
それにかわいそうなくらい気落ちしていたのはやはり宇ッディで、場ズが慰めようと近寄っても顔を背けて早々に寝てしまった。
すぐに拗ねるところは彼の困ったところだとは思うが、可愛いところでもあると場ズは思う。
「よっ…と」ベッドの柱に可動式の手をかけ、よじのぼる。案ディのいない間の留守は、自分達に任せられている。
何か異常があるなら対処しなければいけない。身体を伏せてから慎重に、ベッドのシーツの上を這って進む。
すると場ズは、端の方でシーツに埋もれかけながら何やらもぞもぞと動いている「もの」に気付いた。
「…っは、…」
「…あー…宇ッディ?」
名前を呼ぶと、漏れた声を恥じるようにその相手がぱっと掌で口を覆った。
宇ッディも相当驚いた様子だったが、驚いたのは場ズも同じだ。
「宇ッディ、何をやってるんだ?」
「ば。ばばばば場ズ……いやっ、その…っ…」
弁解しようとする宇ッディの口から、また苦しそうな息が漏れる。よく見ると、宇ッディの様子はいつもとは明らかに違っていた。

薄桃色に塗装されているはずの頬は赤に近い勢いで染まり、よく喋る口は不自然に開かれて端から雫が零れている。
荒く上下を繰り返すベストを着た胸の辺りに視線を遣って、場ズはざわりと腹部の辺りが騒ぐのを感じた。

「宇ッディ、どこか身体の調子が悪いのか!?」
駆け寄って、友の身体を支える。この様子は尋常じゃない。
前に案ディが風邪を引いて全員で看病(といっても傍で見守ったり、寝ている案ディの濡れタオルを交換する程度だが)
した時の状態にも似ている。
「ち、違うんだ…バァズ……っ」
ハァハァと息を吐きながら、宇ッディがぎゅうと場ズの腕を掴んでくる。
切羽詰った声で覗き込んでくる目は気のせいかやけに潤んでいて、場ズはまた、ぞわっと指先が痺れるような感覚に襲われた。
その感覚を逃そうと大きく首を振ってから、早口に場ズが問い掛ける。
「言ってくれ、カウボーイ。私が寝ている間に何かの敵が侵入して君をこんな風にしたのか?
それともオモチャには、私のまだ知らない異常状態ががあるのか?」
どちらでもない、と力なく宇ッディが首を横にする。
「俺は…おかしいんだ…場ズ。案ディのオモチャとして、まるで失格だ」
いつもの彼らしくない、弱気な言動に場ズが眉を曲げる。
「何がおかしいんだ。君はどこもおかしくない、案ディの立派なお気に入りのオモチャだ」
「違う、そうじゃない。……っぁ……」
また切なげに肩を震わせて、ウエスタンブーツの爪先が軽くシーツを蹴る。何かに耐えているような感じだ。
「俺、案ディが、いなくてさびしくてさ…」
「それはもちろん私もだ、保安官」
それがどうした、というように首を傾げる場ズに、宇ッディが言い辛そうに言葉を切る。
「ベッドの上で…案ディの…そのう、匂いを感じてたんだ…。そしたら…段々、身体が変になってきた」
「変に?どう変になったんだ」
「わからないけど、なんだかおかしいんだ!全身がヘンに痺れてきて…なんか、気持ちよくって…ここが」
宇ッディの手が上がって、移動するそれを眼で追っていると、なんとそれは彼のジーンズの股の間へと下りた。
自らの手でそこを撫で上げると、「はぁ…っ」と切なげな声を出して宇ッディの身体がびくんと震える。
まるで見せつけられるようなその行為に、場ズの頭の中を細かい電流が激しく駆け巡った。視界が奇妙に揺れる。
それから、ほとんど無意識に手が伸びていた。同じ部分に重ねられた固い掌に、宇ッディは仰天して場ズを見る。

「場ズ?」
「宇ッディ、困った。君を見ていたら、私まで変になってしまったようだ」
「あ…ちょ、っと、そこはだめだ、だめだって、場ズ!」
「しかし、このままでは君はいつまでも苦しいだけのように見える。どうにかして、元に戻さなければ」
「ぁ、でも…や、やっぱりダメだ!そこをそんな風に、しちゃあ…場ズ!」
今まで宇ッディがおそるおそる触れていただけのそこに、場ズの容赦のない指先が加わる。
さっきとは変わって敏感な下半身を守るように覆う宇ッディの手を邪魔だといわんばかりにはねのけて、ジーンズの皺の辺りを少し強めに揉みこんでいく。
「はっ…ぁ、あ……場ズぅ」
快感に極端に弱いらしい身体は心の抵抗など簡単に押しのけて、宇ッディの脱力した背中ががくんと場ズの胸に預けられる。
いつも元気で明るい彼の、淫猥としか思えない声としどけない表情に、場ズは己の下半身がますます熱くなるのを感じた。
「宇ッディ……う、んっ」
肩を引き寄せられて、首だけ振り返った宇ッディが唇をねだるように重ねてくる。
オモチャがどこにこんな激しさを隠していたのかというくらい、舌ごともっていかれそうな情熱的なキスだ。
キスの合間にぷはっ、と息を漏らす宇ッディが、唇を触れ合わせたまま熱っぽく囁く。
「あ、ぁぁっ、らめだ、場ズ…こうしてると、じんじんしてくるっ…」
「ふ、っ……宇ッディ…私もだっ…」
案ディのベッドの上で、熱くなる二人の身体が絡む。
他のオモチャが起きたら大変なことだと分かってはいるのに、お互い、衝動を止めることができそうにない。
プラスチックと綿でできた身体はまるで湿り気を帯びたような錯覚に陥るほど高められて、
宇ッディの掌もいつのまにか場ズの下半身に伸びていた。
「ぁ、おかしい…変なのが、来るっ……来ちゃうんだ、場ズっ」
泣き声に近い宇ッディの囁きが、場ズの耳元にダイレクトに流し込まれる。場ズも、自分の限界が近いように感じられた。
いままで到達したことのないような精神的境地が、目の前に迫るのを感じている。
宇ッディの細い指がいたずらに触れている場所が、燃えるように熱い。

「んっ、ぁ、ぁあーっ場ズっ」
びくんッ、と宇ッディの身体が弓なりに仰け反って、その唇を逃さず追いかけて塞ぐと、くぐもった声が互いの口内ではじけた。
一歩遅れて場ズも、駆け上がってくる衝動に身を任せて、快感の濁流のようなものが解放されるのを味わった。
じわりと身体に広がって行く心地良い疲労感と倦怠感に、しばらく二人は身を寄せ合って呼吸を繰り返す。
「身体は…元に戻ったか?宇ッディ」
「あ、ああ…なんとか…」
お互いに、自分たちの行為を表す言葉は知らないのに、何か大層なことをしてしまったのではないかという怯えと気恥ずかしさが
こみ上げてくる。眼を合わせられなくなって、思わず俯いてしまう。
「あー…コホン、」
わざとらしく咳払いをひとつして場ズが、いつの間にか取れてしまっていたカウボーイハットをベッドから拾い上げて
宇ッディの頭に被せる。ちらりと見えた宇ッディの顔は、真っ赤になっていた。
「あの、場ズ。今夜のことは、みんなには…」
「分かっている。今回のことは…あー…あー…、ち、治療行為といって差し支えないだろう」
不自然にどもりながら、自分も染まった顔を見られたくないと宇ッディの頭を撫でるようにして場ズは視線を避けた。
「それじゃ、私は元の場所に戻る。君もそうした方がいい…」
口早にそう言って背中を向けると、ロボットのようにカクカクした動きで場ズがベッドを後にしようとする。
すると宇ッディは、唇と眉をへの字に曲げるとピンクに染まった頬のまま、場ズの肩を掴んだ。
「!」
「おやすみ、場ズ。いい夢を」
ぶつけるような口付けを最後に、宇ッディは逃げるようにたったかと走っていくと、さっさとシーツに包まってしまった。
「………」
残された場ズは、思わず両腕で頭を抱えてその場にがくりと崩れ落ちた。
そして一言、天を仰ぐようにして、ジーザス、と呟いた。

そして半刻後、案ディのベッド下での会話―――――
「ありゃヤッちまったな」
「えっ、なになに!?なにがやっちゃったの!?どういうこと!?」
「うるせえぞレック巣、お前が暴れると俺のパーツがばらばらになる」
「しかしお互い惚れ合ってるなんざ誰が見ても分かるのに、あんなじれったい関係を続けるつもりかね」
「まったくだよ。鬱陶しいったらありゃしない」
「えっやだやだ何が掘られてるの!?ショベルカーいる!?道路工事だ、キャー!」
「「「うるせえぞ、レック巣!!」」
そのじれったい二人の関係が進展するのは、もう少し後のこと。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

長すぎて蛇足のオマケが収まらなかったすいません。

  • 最高に萌えましたww!!また機会があれば投稿して下さい!!楽しみにしています!! -- 観那? 2010-08-11 (水) 18:49:28
  • オモチャたち大好きなので、とても楽しませて頂きました! -- 名無し? 2010-08-12 (木) 00:25:16
  • 今回も萌えさせていただきました、流石姐さん! -- 2010-08-12 (木) 11:41:09
  • 大好きだ! ご主人帰宅後がすっごい気になる -- 萌えた!? 2010-08-14 (土) 22:34:16
  • 最高でしたwwwもっとお願いします!! -- 禿萌えwww? 2010-09-06 (月) 01:14:32
  • もっともっともっと読みたいです!!!!!! -- 2010-11-04 (木) 04:16:06
  • 素敵!最後のやりとりも脳内再生されますvもっともっと読みたいです(*´∀`) -- 2010-11-22 (月) 02:06:48

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