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某役者×某製作者

生、エロなし、某役者×某製作者
本人たちが仲良すぎて耐えきれず書いてしまった
場所が謎ですがどこか室内ということで
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

軍事訓練の時に教官にされたこともある。若い頃の喧嘩でされたこともあった。どちらも背中を強打してしばらく何も言えなくなったほどだったか。
でもどうやら今回は、同じ状況でも今までとは違うらしい。
視線で苦痛を訴えると、上から見下ろす相手は即座に謝罪を重ねてきた。
「す、すいません痛いですよねいや本当すいません」
いやだから、痛いのは経験上知っているんだ。それよりも問題なのはこの状況だ。
そう伝えたいのに喉は震えない。これも経験上知っているが。
相手は、彼は、一体何がしたいんだ?
―――それも経験上、薄々感づいているが。
「いつまで僕はこの体勢でおればええの?」
そう掠れた声で伝えると彼はまた謝り、両腕を押さえる力を少し強く込め直した。
ああ、逃がしたくないんか。
「それはですね、その。あああこんなにあっさり押し倒せると思わなかったからその先が思いつかねええええ!!」
「あっさり出来るに決まってるやないですか、僕は弱いおっさんですから」
「嘘だッ!筋トレしていることぐらい知ってますってー」
彼の視線が上下する。今乳首ネタをしてきたら流石に笑って返せる余裕はないな、と思っていたらその視線は眼の少し下、顎付近でぴたりと止まった。
「頬、痩けてません?」
「ちょっと海外出張が堪えた感じですよ」
若い時分ならまだしも、この年であのスケジュールは無茶だとは思っていた。誰かの喜ぶ顔が見たい、その一心で動き続けたお陰で背中がエヴァンゲリオンになってしまった訳だ。
少し笑って返すと彼は真剣な声で言う。
「どうして続けるんです?」
「続けなければ僕は死んでしまいますよ」
「誰かと苦痛を背負い合えばいいのに」
「自分で全部やらんと気が済まないんですよ」
「なら体をもっと大事にすればいいのに」
「それ、今一番不似合いなセリフやと思いますよ」
「もっと完璧な人だと思っていたのに」

「僕はただのおっさんですよ」
「ただのおっさんにアプローチされまくってこんな隙見せられたら嫌でも惚れますよ」
ああやっぱり、そうだったか。アプローチ染みたことはしていたが、ここまでに発展するとは。違う、発展させる気はなかった。
させてもどうにもならない。
だから冗談で返そう。
「そんなこと言っちゃって、数十億人の女性ファンを泣かしますよ?」
「そっちこそ、数兆人のファンを泣かせるのは駄目ですよ?」
「僕は嫁に泣かれるのが怖いです」
「なんてこったい!」
ネット上で見たことのあるあのポーズを彼が取った隙に、頭を少し上に持ち上げて彼の唇に軽く触れてみた。
呆然とした顔が、急速に赤らんでいくのが面白い。
「えっちょっ、いいいいいいま」
「さーてそろそろ床に寝ているのも辛いから起き上がらせてもらいますね~」
わざとふざけた調子で言い力を込めて彼を跳ね除け起き上がる。
立ち上がり服の埃を払う横で、へたりこんだままの彼はこちらに指を突きつける。
「やっぱり強いじゃないですか!だったらもっと早く逃げれば」
「“僕が好きなら歩いてきなさい”」
「えっ」
それには答えず、歩きながら、歌うように。
そして振り返ってVサインを向ける。
「“恋は盲目ってね”」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ラジオ楽しみです


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