花冷え
更新日: 2012-09-10 (月) 14:38:53
オリジナル。
酔っ払ってヤっちゃう若気の至り。
年下攻。
オチが汚いです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマス。
さっぱりわからない。
既に何が何だかどうしてこんな状況になったのか。
思いだそうとするほどに頭痛がする。
バイトの飲み会終了後。
飲み足りないと、新しいガンプラを買ったという噂を確かめに、上司でもあり駅から家が近いという理由だけで吉川さんの家に転がり込んだ。
無駄に広い3LDK。
一人暮らしには贅沢すぎやしないかと、散々冷やかして、嫌がる家主を無視してエロ本検索をかけたが、埃のない部屋同様に身綺麗なもので、至極ノーマルな雑誌が数冊。
DVDも字幕のない何語かわからない暗いものが出てきたくらいだ。
一人暮らしだとエロネタ溜め放題という将来の夢と希望と期待を返せこの堅物め。
オレと渡辺は後頭部を一発ずつ殴られる。
大人しく飲む、騒がない、寝場所だけ貸して欲しいと泣きついた結果、半ば強引に押し掛けただけの後輩を労るような優しさはない。
チキショー。
ちょっと先に生まれて、社員だからって横暴だ。
冷蔵庫の中には、ワインとウィスキーくらいしかなくて、飲み慣れないオレはウィスキーの一杯目でアウト。
調子に乗って飲んだ渡辺は、現在トイレでゲロと頭痛とランデブー。
ははははは。ざまぁ見ろ。
何だかフワフワして楽しい。
支離滅裂な鼻歌に、嫌そうな表情の吉川さん。
いつものトレードマークの眉間に皺は、今日も絶好調に3本がっつり。
「まま、そんな深刻な顔してても、ウザいし」
部屋にあったウィスキーの蓋を開ける。
新しい瓶だが気にしない。
何か吉川さんはわめいていたが、開けちまったもんは仕方なかろう?
金玉の小さい男だ。
あれ?ケツの穴だっけ?
チンコ?
ま、どっちでもいいや。
とにかく小さい。
背だってオレより10cmは小さい。
威張っているからデカく見えていたが、実際には170と少しらしい。
190くらいあるのかと思ってた。
なんだかんだで、オレが手酌で5杯ほどグラスにウィスキーを注いでやった頃、吉川が突然キレた。
「お前らタク出してやるから帰れ!」
オレと渡辺のケツが蹴られる。
うっわ、暴力。
月曜日に上にチクってやる。
コートと渡辺を抱えて、追い出された部屋のドアを蹴る。
一発後頭部を殴り倒され、盛大に渡辺ごとぶっとばされる。
え?何この文系引きこもりっぽい癖に無駄な力持ち。
SEだから理系か?
廊下を連行されながらマンションから出される。
真夜中ムードの田舎道。
もともとここに来たのだって、終電を諦めたからだ。
「おい、無ぇよ。こんな電車止まってる時間にタクシー駅なんか来てねぇし。」
「ある。」
断言か。
足取りはしっかりしているが、目が据わっている。
相当酔っているな。
早足で人の腕を引く吉川の腕を払う。
急に止まった勢いで、渡辺を背負っていたオレもこけかけるが、なんとか持ちこたえて両足をしっかり地に立てる。
オレ、超カッコイイ!
いかん、酔ってる。
目が回る。
「・・・・・・・・」
背中に負った渡辺が、何か呻く。
あーだか、うーだかそんな感じだ。
「どうした、渡辺?」
背中から地面へ下ろし、頬を数回叩く。
吉川も気になったのか、渡辺の背中をさする。
「吐くか?少し先に公園があったぞ」
表面だけはマトモになったのか、酔っぱらっていてもそこだけ正常なのか、はたまた別な何かなのか、吉川が今は正常だ。
「・・・変質者・・・」
は?
地面に座り込んだ渡辺の、まっすぐ指指す方向へ目を向ける。
子供の落書きのような絵と、変質者注意の看板。
夜間でもハッキリ見えるようにと気遣いか、夜目にも痛い蛍光イエロー。
渡辺は、ごそごそとカーキ色のアーミッシュコートを広げて、「変質者じゃーーーーーーーーー!!!!!!!」と叫ぶや否や、公園の植え込みに突撃し、ピクリとも動かなくなった。
ポカンと置いてけぼりのオレ。
同じくポカンとする吉川。
え?
え?
どういう事ですか?
ネタですか?
全力で置いてけぼりですよ。
「・・・木元くん、・・・僕にはサッパリついていけなんだけど、今時の若い子はこんなもんなんか」
遠い目をして吉川が呟く。
いやいや、同じ大学生で、学部も同じではありますが、オレにだってサッパリですよ。
「全然着いてけません。オレにもサッパリ。」
惚けたように道に座り込み頷きあう。
そら解らんよな、と妙な連帯感を共有しつつ、重い腰を上げる。
思いの外、遠くまで走り抜けた渡辺の背中をさする。
全く反応無し。
むしろ心地よさそうに寝息を立てて、完全にあっちの世界。
どうしようもない状況を報告しようと振り返れば、吉川が一人でコートの前を広げて得意げな笑み。
アルコール以外の頭痛で、目の前がクラクラする。
ああ、もうどうしてこんなにアホばっかりか。
本気で泣きたい。
オレは今、世界で一番味方が少ない危険地帯へ突入したのか。
得意げな酔っぱらいとの距離を詰める。
「アンタ、何やってんですか。」
薄い春物のコートを広げ、千鳥足と酔拳と足して割らずとも結局グダグダなままの、どうしようもない足取りで細い小道へ消えてゆく。
手の施しようのない酔っ払いが増えた。
今日はもうこれなんて厄日?
金を持っているのは吉川なので、しょうがなく追いかける。
普段マトモな振りして、どんだけ駄目な大人だ。
「吉川・・・、もう諦めてマンション帰るぞ。」
やっとこさ追いついた細い小道、吉川の右腕を掴んで持ち上げる。
少しはしゃっきりするかと思いきや、全くそんな事はなし。
地面にしゃがみこんだまま、寝転がる。
お前、髪の毛とかドロドロだろ。
ほんとに社会人かよ。
「起きろよ。」
何度か肩を揺すぶる。
眠そうに目を擦った後、片手で自分のコートを広げ、先ほども聞いた言葉を繰り返す。
「変質者。」
「知ってる。」
べちんと一発頭を叩く。
恨めしそうに呻いて、なにやらごそごそと探る仕草。
「変質者だ。」
喉元近くまでシャツをまくりあげ、肋の浮いた胸元を見せつける。
「オイ、・・・」
ゴクリと喉が鳴る。
薄暗い街灯。
夜にくっきりとそこだけ白く光って、呼吸まで吸い込むような生命力。
突然突きつけられた生々しさに、息が止まる。
「よ・・・」
所詮酔っ払いだ。
正常じゃないんだ。
酒のせいだ。
頭の中で100くらい言い訳をして、吉川係長の前に座り込む。
なぁ、酔ってんだろ?
さらりとした薄い手触りのコート。襟を掴んで顔を寄せる。
「酔ってる?」
鼻先同士が触れそうな距離。
お互いの酒臭い息も、今なら許せる。
「酔ってるだろ?」
黙って肩を震わせて笑う吉川の唇を塞ぐ。
酔ってなきゃ許さないだろ?
「・・・酔ってる」
わずかに首を傾げるようにして、押し返される唇。
頬を撫でて首筋へと回る指。
自然とかけられてくる体の重み。
冷えた夜中の風とは違う、熱いくらいの体温。
ああ、オレも相当酔ってる。
なんで男なんかに手を出してんだよ。 ましてや直接の上司だ。
これから仕事やり辛ぇだろ、どう考えても。
薄く目を開け、現実の世界を確認。
今キスしている相手は吉川係長。
吉川係長はバイト先のちょっとエラい人。
しかも仕事の鬼だ。
ペアだってよく組まされる。
そして男だ。
目を覚ませオレ。
俯き加減のせいで、薄く伏せられた瞼から陰を落とす長い睫。
スーツではなく私服のせいでいくらか若く見える顔。
濡れた唇を舐める薄い舌先の赤さ。
再び頭が酔っぱらう。
乱暴に抱き寄せ、膝を抱えあげる。
最初に僅かに抗っただけで、くったりと力の抜けた体。
抵抗がないことに半分苛立ちながら、無理矢理に服をはぎ取る。
アンタ酔っ払ってりゃ誰でもいいのか。
さすがに少しは抵抗が強くなったが、本気で今の状況を変えるのには弱すぎる。
キスを繰り返しながら、吉川の腹を手のひらで撫でる。
明日から仕事増やされてもいい。
残業や掃除も理由つけて逃げないし。
「・・・あ」
ジーンズのチャックに手をかけた時、さすがに吉川の手が胸を押す。
それを無視して下着の中へと指を入れる。
ふにゃりと硬さの欠片もないペニス。
指で扱けば酔っ払いは僅かな抵抗で肩を押すが、唇を離す事無く舌は絡めたまま。
抵抗よりも煽られていると強く感じる。
酔うと性格変わりすぎだろ?
自分もジーパンのチャックを下ろし、硬くなって先走りで濡れたペニスを握る。
鈴口近くに溜まった先走りを指へと塗り付け、その指を吉川の唇に塗り付ける。
オレの唇の代わりに当てがわれた指。
その指に絡んだ粘つきが、何か知ってんのか吉川?
離れた唇を追って寂しげに寄せられた眉も、唇の代わりが与えられればすぐに元へと戻り。
くちゅくちゅと音を立て、人差し指と中指へと唾液を絡める吉川の口から指を抜き、なんども己のペニスと唇を往復させる。
指を抜く時も、目を瞑ったまま物欲しげに薄く開けられた唇と、そこから覗く赤い舌先。
ドクンと胸が強く鼓動を繰り返す。
滅茶苦茶にしてやりたくなって、吉川の下着を剥ぎ取り、膝を右手で抱え左手で尻を割開く。
なにも考える時間を与えず、強引に尻穴へとペニスを突っ込む。
悲鳴地味た声を出し、逃げようとする吉川の口を逆手で塞ぐ。
強張った体がペニスを締め付け、一瞬でもって行かれそうな程気持ち良い。
騎乗位で貫かれた吉川も、尻から血を流しながら勃起してるとかどんだけマゾだ?
そのまま腰を抱いて、貪る様にガツガツと上下に揺する。
どこに突っ込んでいるのかとか、男同士だとか、これは強姦だとか、最後にちらっと浮かんだ仕事だとか。
気が付いたら吉川の両脚がオレの腰へと周り、自分から尻を擦り付けてきて。
イキそうだと、目を眇めて耐えている間際、頭上で小さなうめき声が聞こえたと同時、酒臭い物が勢いよく音を立てて胸元へ。
ちょ、おま、ちょーーーーーーーーー!!!!!!!
ゴホゴホと噎せる吉川を担ぎ、一目散に公園の便所へ向かって走る。
その間にもあふれるゲロ、体中を伝う固形物のイヤな感触、今更暴れる吉川、色々な意味で止まらない頭痛、悪臭、つられてこみ上げる吐き気。
何でこんな事になったのか。
何を間違えたのか。 解っていることはただ一つ。
「最悪だ。」
さっぱりわからない。
既に何が何だかどうしてこんな状況になったのか。
思いだそうとするほどに頭痛がする。
ただ一つわかった事は、オレはかなり年上で、仕事では鬼の、どうみてもかわいくないオッサンの、吉川係長へ突っ込んだという事だけだ。
できれば一生縁がないまま終わりたかったが、男とヤッてしまった。
全然好みじゃないし、男なんかまっぴらゴメンだと思ってたのに、勃った。
しかも出した。
ゲロ塗れの相手に。
ほんと、明日からどうしよう。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- うわーなんか萌えました!ありがとう -- 2012-09-10 (月) 14:38:52
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