あなたの言いなり
更新日: 2011-04-24 (日) 18:08:56
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| ※※生物注意!!! 音楽系
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 楽都×灰土(楽都の某発言より妄想)
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「うっわ、ほんまに来た!」
ロッジでストーブにあたっているところへ現れた、大きな影に向かって灰土は呆れたように叫ぶ。
辺りに他の客が居ないのが幸いだが、フロントにいる若い女性スタッフが小さく吹き出した。
その様子を視界の端に捉えて、楽都は、荷物を降ろしてごちる。
「はやくきて~って泣きながら電話してきたくせに・・・」
「泣いてへん泣いてへん! でもこんな早くくると思わんかった」
灰土の隣のソファにどっかりと腰を下ろして、帽子とサングラスを外す。
苦笑してため息をつくと、いかにも機嫌よさそうな笑顔の灰土が、楽都の跳ねた髪を直してくれた。
「がっちゃん、仕事は?」
「後回し。あんな声で電話してこられたらそれどころじゃないよ」
言いながら、怒っている風ではない。
そんな楽都の様子を見て、灰土はヨシ!と小さくガッツポーズをした。
もともと、最初から二人でくるはずだったのだ。
春スノボは国内でも空いてていいよ、と言ったのは楽都で、行きたいとねだったのは灰土だった。
もちろん、可愛い彼のおねだりに抵抗する理由はなく、楽都はさっそく旅の一から十までを手配した。
けれど、急な打ち合わせが入ったものだから、灰土だけ先に行かせたのだ。
そうしたら、今日の昼。
『がっちゃん、オレひとりで寒いよ、淋しいよ、早くきてよー』
打ち合わせ中に、そんな電話がかかってきて。
楽都は半ば強引に、というかほぼ強制的に打ち合わせを切り上げて、飛行機に飛び乗った。
で、息も絶え絶えに駆けつけてみたところ、呼びつけた本人から出たのは冒頭の一言、と言うわけだ。
「ごめんね。これ、飲む?」
灰土が差し出したのは、今まで自分が飲んでいた缶コーヒー。
受け取ろうとしたところで、彼は突然、すっくと立ち上がった。
「ごめん!飲みさしじゃ嫌やんな!?新しいの買ってくる!」
自販機に向かって走っていく灰土の後姿を、あっけに取られてしばし見送る。
わがままは言うくせに、なんでこんな小さなことには気を遣うのだろう。
それから、楽都は小さく笑って、置き去りにされた飲みさしのコーヒーに口をつけた。
ナイター終了までまだもう少しあるから、と、二人はゲレンデへ繰り出した。
あたりはもう、紫色の夕闇に包まれていて、どこか幻想的な雰囲気だ。
上級者用リフトで頂上まで登ると、見下ろす景色は、遠くに街の明かり、近くに白い雪が煌いて絶景だ。
「がっちゃーん?先いくで?」
「ん、ああ・・・」
するり、と滑り出す灰土の後姿に目を奪われる。
薄紫の空間を、小さな黒い影が滑っていく。
「かわいい・・・」
思わず心の声が漏れたことに、本人すら気づいていないのかもしれない。
雪を蹴って、楽都は、前をゆく人を追いかけた。
雪原を駆ける兎のように、灰土は斜面を颯爽と滑っていく。
それを追いかけていると、狼にでもなったような気分だ。
可愛いくて、綺麗で、すばやくて、捕まえられない黒い兎。
後ろから飛び掛って、引き摺り倒して食べてしまいたい。
そんな、少し物騒な事を考えていると、愛しい黒兎がいきなりこちらを振り返った。
考えていたことがばれたような気がして、楽都は意味もなく手を振ってごまかす。
すると、灰土は、いきなりコースアウトして、林の中へ突っ込んでいった。
「ハイディ・・・?」
慌てて自分も、後を追う。
程なくして、木々の間にたたずんで、遠くを眺める灰土を見つけた。
隣に並んで、ゴーグルを外す。
「どうしたの、灰土」
「がっちゃん、見て見て!」
心配そうな楽都とは対照的に、灰土はにこにこ笑って、指をさす。
その先を視線でたどってみると、そこには、山のふもとの夜景が、スパンコールを撒いたようにキラキラと光っていた。
楽都は思わず、その光景に魅入る。灰土は、首をそらせてそんな楽都を見上げた。
「綺麗やろ。昼間見たときも、ええ景色やなぁって思ってん。だから、夜に見たらもっと綺麗かと思って。・・・がっちゃんに見せたかってん」
急に名を呼ばれて視線を戻す。
一瞬、ぱっちりと目が合ったあと、灰土はうつむいてしまった。
「灰土、ありがとう」
「べつに・・・そんな・・・てか、その、こっちこそありがとう」
「何が?」
「オレが呼んだら・・・すぐ、来てくれた」
うつむいた灰土の表情が見えなくて、それが残念で。だから楽都は実力行使に出る事にした。
片手で細い肩を抱いて、もう片方の手で華奢な顎を掴んで、上を向かせる。
こちらを向いた灰土の、頬や目元が赤いのは、寒さのせいだろうか?
「だってオレ、灰土の言いなりだから」
「・・・そうなん?」
「うん。でも、たまには言われて無いこともするよ」
「言われて無いこと?」
灰土の理解が追いつく前に、視界が暗くなる。そして、唇にやわらかい感触。
反射的に目を閉じると、抱きすくめられて、キスが深くなった。
「・・・ん・・・っ」
少し息があがったところで、解放されて、急に唇が冷えた。
二人分の吐息が、白い霧のように流れている。
「言われなくても、灰土のしてほしいこと、解るから」
微笑みと共に告げられて、灰土は思わずニ三度、目をぱちくりさせてから。
楽都の広い胸板に、ぺったりと頬をつけた。
「・・・がっちゃんて、恥ずかしいやつー・・・」
「そうかもね」
満足そうな笑いを含んで肯定されて、灰土は小さくため息をつく。
言いなりになっているのはどっちなのだろうか、と、一瞬頭をよぎった疑問は、この際忘れる事にした。
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最後のレスに終わりAAが入れられなかったorz
すんませんでした。。。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 以上、楽都サンの発言より妄想デシタ。
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- ふたりの可愛さにしぬかと思いました!もっと読みたいです! -- 2010-04-14 (水) 20:47:58
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