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il缶とウキョ

il 缶×ウキョ ウキョ独白です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

キミが庁/内Sではないかという事は、最初からわかっていましたよ。
最も、目的はわかりませんでしたけどね。
概ね、僕のお目付け役といった所だろうという程度に考えていました。
そんなキミとは毛頭、打ち解けるつもりなどありませんでした。
僕は普通にしていれば、だいたいの方はすぐに居なくなりますから。
…例外が一人、居ましたけど。
彼とキミはまるで違うタイプでしたから、その心配も無いだろうと思っていたんですがねぇ。
ブツブツと悪態をつきながらも、必ずついてきましたね。非常に鬱陶しかったです。
しかしキミは仕事熱心で、勉強熱心で、負けず嫌いな所もあって、
正しい行いをするよう僕を咎める事もありました。
キミはキミで、自分の仕事をまじめに必死にやり遂げようとしているのだと途中で気付きました。
組織に従って一生懸命働いているだけなのだと。
たとえそれが僕の観察だとしてもね。
それがわかってからは、僕はキミに隠し事はしませんでしたよ。
キミは仕事上、僕に隠し事ばかりでしたけどね。
そう、確かキミの昔の恋人が現れた時でしたか、
キミは警察官として事件を解決したいという気持ちを僕に打ち明けてくれましたね。
初めてキミの等身大の姿を見た気がしました。
隙を見せまい、本性を知られまいとしていたキミも、徐々に素直な部分を覗かせるようになりました。
事件解決のためにもたくさん働いてくれました。
それでも自分の仕事に誇りを持って、毅然としていましたね。
キミの本当仕事が僕の観察である以上、いつまでもこのままで居られるわけはないと思っていましたよ。
いつかこんな日が来ると、最初からわかっていた事です。
キミには隠し事をするつもりはありませんでしたが、
こうなる事がわかっていた僕は、やはりどこか心を隠していたのかもしれません。

最近、キミの様子がおかしい事には気づいていました。

Sの事、これまでの事、全てを話してくれましたね。
僕は、嬉しかったです。ええ。嬉しかったですよ。
それと同時に、とうとうこの日が来たのだな、と思いました。
やっと打ち解けあえたような気もしたんですけどねぇ。
すみませんねぇ。
僕は少し、彼の事を…
亀山君の事を思い出していました。
お恥ずかしい話ですけれど、僕はあの時ばかりは少し、参ってしまいましてね。
それでも僕は、もう二度とあんな思いはしたくない、などとは思わない人間だと、思っていたんですがねぇ。
自分で思っているより僕はずっと弱かったようです。

自分の道を歩むようにと、そう言ったのに。
キミはまた、僕の目の前に現れました。
「自分の意志で」
そう言いました。
正直、僕は怖かったんです。
もう二度とあんな思いはしたくないと。
だから心に入らないで欲しいと。
嬉しい反面、僕は怖かったんです。

昨夜の僕は玉木さんにご心配をかけてしまうほど、態度に出てしまっていたようです。

僕はもともと一人でしたから、それでもやっていけます。
そう、元に戻るだけ。
だから何も変わらない。
いつも通り、僕は僕の正義を貫くだけだと、
そう言い聞かせていました。

なのに、意外な方にキミの選択した道を伝えられました。
そればかりか、キミの事をよろしく、と頼まれてしまいました。

イバラの道ですが、僕は歓迎します。

僕は今日、少し早く出勤してしまったようです。
隣りにかかった名札を見て、また亀山君を思い出しました。
彼は今日もまた、遠い地で自分の正義を貫いている事でしょう。

ここに来ると決めたキミへ。

ようこそ、匿名係へ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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