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ふわふわ

一応オリジナル。社会人×学生の雰囲気だけ801。短いのでサクッと読んでください。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

上京して3ヶ月の間に、僕は三度も彼に助けられた。
1度目は初めての顔合わせで、渋谷という街の人の多さに慣れない僕の手を彼は笑って引いてくれた。
携帯のメールアドレスと電話番号を交換した時は、文字通り天にも昇る気持ちだった。
2度目は「友達が出来ない」と冗談半分で送ったメールに、「俺からいるからだいじょーぶ^^」と返された時だ。
そんなに深刻な悩みではなかったはずなのに、彼に言われたその言葉がどうしようもなく嬉しかった。
なんだか彼に「側にいるよ」と言われたような気がして、嬉しくて嬉しくて、思わず踊り出してしまいそうだった。
だから、そのあと友達が出来た事も彼には言わなかった。言わなければ、あの言葉が効力を持ち続けるような気がして。
3度目は秋斗にかり出された飲み会の後だ。なんだかよくわからない味のアルコールを飲まされてダウンした僕の携帯から、遊が勝手に彼を呼び出したらしい。

グダグダで意識も曖昧な僕を、彼はお説教しながら部屋まで連れて帰ってくれた。
乱暴にベッドに放り出されはしたものの、コップの水を僕にあてがう彼はやはり頼りがいがあって大人の男に見えた。
その時僕は何を思ったのか、着崩れたスーツを脱いでいる彼を眺めながら、つい口を滑らせた。
「飲ませて」
彼のキョトンとした顔は今でも覚えている。
自分でも何を言ったのか理解出来ていなかったから、僕たちはしばし間抜けな顔で見つめ合ったのだろう。
彼が何故僕に寄ってきたのか、真意は知れない。あるいは覚えていないだけで僕が彼をベッドに引き寄せたのかも知れない。
「冗談?」
「ほんき」
都合の良い頭が覚えているのは至近距離にある彼の黒くて丸い瞳。少し厚くておいしそうな唇。うっすらヒゲの跡。
「……知らないよ?」
どういう意味なのか分からなかったけど、なんだか体が暖かくなったことだけは覚えている。
嬉しかったのかな?恥ずかしい?ドキドキしたのかな?
「いいの。だいすき」
その後はただ、彼の厚い唇が俺の唇を挟んで押しつけ合って、なんだか水気の多いキスをしたことだけしか覚えてない。
どこまでやったのか、最後までやったのか、僕が抱いたのか彼に抱かれたのかどうかも。
あれ以来、彼とは連絡を取っていない。

特に前後はないです。やおい乙い。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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