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「それいけ!アンパンマン」 しょくぱんまん×カレーパンマン

オレンジ色の夕焼けをバックに、カレーパンマンはのんびりと飛んでいく。
目当ての家を見つけたので下降を始める。村から外れたところにあるのはパン工場と一緒だ。
「よっ、邪魔するぜ」
「おや。いらっしゃい」
約束もしないでいきなり家にやってきたカレーパンマンだったが、しょくぱんまんも一々驚かない。
「どうしたんですか」
「どうもしない。用がないと来ちゃいけないのかよ」
「いーえ。ただ玄関から入ってきて欲しかったですね」
ずかずかと部屋に入ってくるカレーパンマンとすれ違いに窓に近づき、しょくぱんまんは窓を閉める。
「今日は何をしていたんですか」
「おくらちゃんとこの畑の水やりと草むしり。お前は?」
「学校にパンを配達して、午後からはジャム作りです。美味しく出来たのでお土産に持たせてあげてもいいですよ」
「オレ甘いのきらーい」
ソファーにどっかりと座って、カレーパンマンはべろを見せた。しょくぱんまんはやれやれと頭を振って、台所に立つ。
「晩御飯はもう済ませましたか」
「まだ」
「じゃあ食べていって下さいよ。ひとりのご飯は寂しくていけません」
「何作るんだ?」
「サンドイッチ」
「またか。お前ひょっとしてそれしか作れないんじゃねぇの」
「カレーしか作れない人には言われたくありませんね」
「失礼な! カレーうどんだって作れるやい!」
「わぁ、ついにレパートリーが増えたんですね。見てみたいなあ」
まな板を用意していたしょくぱんまんが振り返る。
「よーし見てろよ。じゃあお前のサンドイッチは朝ごはんな」
得意げに片方の目をつぶり、人差し指でしょくぱんまんをさしてからカレーパンマンはキッチンに立つ。
「はーい注目! カレーパンマン大先生のお料理教室の始まり始まり~」
「ぱちぱちぱちぱち。先生、今日は何を作るんですか?」
「カレーうどんです。まずはカレーを作ります」
「ふむふむ」
「次にうどんを茹でます」
「ほうほう」
「そしてこのうどんに先ほど作ったカレーをかけます」
「うんうん」
「はいっ、カレーパンマンのスペシャルカレーうどんの出来上がり!」
「わぁ! すごいですね美味しそう」
へへんと笑って、カレーパンマンはどんぶりをしょくぱんまんに渡す。
「汁とばすなよ。お前の服は白くて汚れが目立つんだから」
「はーい」
カレーパンマンはそう言ったが、もともとゆっくりと丁寧に食べるしょくぱんまんだったのでその心配はなかった。
しょくぱんまんがお皿を洗っている間、カレーパンマンは植木鉢に植えられた花を眺めたり、壁にかかった絵画にぎりぎりまで近づいていたりして時間を潰していた。
「なあ、この絵お前が描いたの?」
「そうですよ。あんまり美しかったので思わず。なかなかいい出来だと思うんですけど、どうですか」
「どうって。下手じゃないけどさ、これ、サインがキャンパスの半分埋めてんだけど」
「カレーパンマンもやってみませんか?」
「遠慮しとく」
皿洗いが終わってからも、しょくぱんまんは何かと家事をしていた。
部屋から部屋を行ったり来たりするしょくぱんまんを目で追っているだけのカレーパンマンは、次第にうつらうつらと眠くなってくる。
今日一日の疲れと満腹感が、背もたれに預けた背中からじわりと全身に広がるようだ。
「カレーパンマン、寝てもいいですけど歯磨きしてからじゃないと」
カレーパンマンの肩を揺すって、しょくぱんまんは眠りかけている彼を起こす。
「眠い」
眉間にしわを寄せてほっといてとアピールするが、もちろんそんなことは全く聞き入れられない。
「ほら」
手を引っ張られて立たされ、洗面台まで背中を押される。
しかし歯磨きを終える頃には、カレーパンマンの眠気は幾分とすっきりとしていた。こういうことってままにある。
「とーう」
「わわっ」
両手を広げて、カレーパンマンは勢い良くベッドに飛び込む。先にうつ伏せていたしょくぱんまんは掛け声と共に振り向き、慌てて体を反転させた。
「あーいいにおい。こんがり焼けたトーストのにおい」
ちゃっかりと抱き止められたカレーパンマンはしょくぱんまんの胸に頬を擦り寄せる。
「もー甘えたなんですから」
呆れ気味に言いながらも、しょくぱんまんはカレーパンマンの背中をぽんぽんと叩いた。ずりずりとしょくぱんまんの体の上を這って、カレーパンマンは顔を近づける。
ちゅうっとして、その途端に短い叫び声を上げてカレーパンマンはしょくぱんまんの上から飛び退いた。「あーまーっ!」
勢い余ってベッドから滑り落ちてしまう。
上半身だけを床にべったりとつけて、関節で90度に曲げた足をベッドに引っかけ、カレーパンマンはじたばたとばたつかせた。
「何食べたんだよお前!」
「クッキーですけど」
「こうなるの知ってただろ、なんでそんなもん食べてんだよっ」
「だって」
「言い訳は聞きません! ほら、黙って歯磨き歯磨き」
床に寝転んだまま、カレーパンマンは洗面台のある方向を指差す。首を左右に振りながらも、しょくぱんまんは言われた通り洗面台に向かった。
戻ってきたしょくぱんまんがベッドに腰かけると、うつ伏せて待っていたカレーパンマンは腕から顔をほんの少し持ち上げて、そしてそっぽを向いた。
「あれ。やめるんですか?」
「お互い歯磨き粉味だからな」
「勝手ですねぇ。わたしは別に構いませんけれど。明日も早いし」
「良く聞けよ。ちゅうはしないって言ってるの、ちゅうは!」
仰向けになりながら、カレーパンマンは『は』を強調する。やれやれと息をついて、しょくぱんまんは手を伸ばし、カレーパンマンのマントの襟を緩めた。
やわやわとあちこち触ったり撫でたりして、しょくぱんまんはあまり反応を示さないカレーパンマンに問う。
「どうですか。気持ちいい?」
ふわふわの掛け布団を握りしめていたカレーパンマンは、一度だけしょくぱんまんを見て、すぐに視線をあっちこっちにやりながら、
「あー」
「えーと」
「んんん…」
ごにょごにょとうそぶく。結局最後は、
「どっちでもいいだろそんなの」
と随分と投げやりだった。
「うん、どっちでもいいと言ったらそうなのかもしれません。痛い思いをするのはあなたですし」
しょくぱんまんのその言葉に、カレーパンマンは元からぐにゃぐにゃの口元をますます歪めた。
「うそですよ!」
しょくぱんまんは慌ててカレーパンマンから手を退け、それを肩まで挙げる。
見るからにほっとしたカレーパンマンだったが、すぐに唇を軽く噛んで、軽く持ち上げていた頭を再びベッドに沈めた。
「………気持ちいい」
更に余所を向くのでしょくぱんまんにはカレーパンマンの顔が見えなかったが、
「そうですか。それは良かった」
と日常事のように答えた。
「オレもやるぜ」
くすぐるように手を這わせていると、もぞもぞしていたカレーパンマンが急に起き上がってそう言った。そのまましょくぱんまんの手を退けさせる。
こういうことをされている最中に、ふと我に返ってどうしようもなく照れて、逆の立場に立とうとするのはカレーパンマンには良くあるパターンなので、しょくぱんまんも好きなようにやらせることにしている。
そのせいでたまに酷い目に合うけれど。
「やるって何を?」
「いひひ~」
笑い声をあげながら、カレーパンマンはしょくぱんまんのベルトに手を伸ばす。しょくぱんまんのフランスパンを取り出し、
「いつもはこれ苦くて嫌なんだけどさ。いいこと思いついたんだ」
そう言ってカレーパンマンは、どこにしまっていたのか、小瓶を手の中で振った。たぷたぷと揺れる液体は真っ赤っかだ。
それををひっくり返して、
どばっ
「こうするとピリリと辛口!」
びっと親指を立ててカレーパンマンが得意げに笑う。
「な? いい考えだろ」
「わあ、頭いいですねカレーパンマン」………と返って来るはずが、実際に貰ったのは賞賛ではなく本気しょくぱんちだった。
「いってー!! あにすんだよ!」
「それはこっちの台詞です!! カレーに溺れて死んでしまいなさい!」
「あーっ、死ねって言った今死ねって言った! ジャムおじさんに言いつけるからな!」
両手両足をじたばた振りまわし(ちいちゃなクリームパンダちゃんじゃあるまいし)全身で怒るカレーパンマンだったが、むしろ続けざまにしょくキックを貰わなかったことに深く感謝するべきである。
「もう、どうしてくれるんですかこれ!」
「へへーん、お前なんてこうしてやるのだ!」
しょくぱんまんが思わず声を荒げると、どこかの悪役のようにそう言ってカレーパンマンはそれにかぶりついた。
「いっ……!」
叫びそうになって、しょくぱんまんはぎゅうっと目をつぶり、歯を食いしばって堪える。
痛いやらひりひりするやら軟らかいやら、とんでもない目に合っているのだから無理もないのだが、みっともなく声をあげるのはカレーパンマンがひとりでやっていればいいことで、それだけはしょくぱんまんのプライドが許さなかった。
しかし、そのままカレーパンマンの迷惑な思いつきに付き合ってやるほどもの好きでもないので、しょくぱんまんは遠慮なく彼にでこぴんして口を離させる。
「なに? だめだったか?」
人の急所にタバスコをぶっかけて怒られ、それでもまだこうのたまうカレーパンマンに、しょくぱんの白さと美しさと気高さをどれだけ主張しても聞く耳持たずに、そればかりかカレーの方が優れているなどと主張された時と同じくらいに、しょくぱんまんはいらいらとさせられた。
カレーパンマンの肩に手をかけ、布団の上に押し付ける。
「駄目なら駄目でなんか言えよー。怒ってんのか?」
「ええちょっぴり」
のんきに聞いてくるカレーパンマンに、しょくぱんまんは可愛らしく首を傾げて見せた。
「あ、やばい、怖い」
「怖いだなんて。心外です」
じりじりと逃げようとするカレーパンマンをしっかりと押さえる。そんな彼を安心させるべく、しょくぱんまんはにっこりと笑って見せた。
「しょ、しょくぱんまーん……」
適当にほぐして中に押し入ると、仰向けのカレーパンマンは掛け布団をやんわりと握った。
「なんですかその声。おもしろい」
ちょっと意地悪になっているしょくぱんまんだが、そうじゃなくても面白い声だと思う。いないいないバルーンに驚かされた時並みに声がふにゃふにゃしている。
いつもなら「馬鹿にしやがって!」なんて元気良く言い返すカレーパンマンなのだが、今回ばかりはそうもいかないらしく、全く反論してこない。それはそれで面白くない。
「あっつ……」
「汗、すごいですよ」
「激辛カレー食べてる時みたいだ。あつい」
「あなたって脳みそまでカレーで出来てるんですね」
「うるせぇやい」
唇を尖らせるカレーパンマンの頬に手を伸ばし、しょくぱんまんは汗ばんだそこを撫でた。
「ねえカレーパンマン、わたしたちの顔が汗や涙では汚れないのって、なんでだか考えたことありますか?」
「まったく。そう言えばそうだな」
カレーパンマンから一時両手を離し、しょくぱんまんはじっと彼を見つめた。
「わたしはね、ひとのためにためらいなく汗を流し、ひとのために迷いなく涙を流すためだと思うんです」
「ああ……うん。そうかもな」
「だからあなたもどんどん泣かされて下さいね、わたしに」
「そういう話!?」
思わず身を起こそうとするが、中に入りこんでいるものにカレーパンマンは顔を盛大に歪ませる。
されどしょくぱんまんは構わず、カレーパンマンの片足を持ち上げ、より深く食い込ませようとした。
「まてーっ! 不覚にもちょっときてたのに、返せよオレの中で芽生えた何かを!」
「あ、よだれでも結構ですけど、よだれかと思ったらカレーだったなんて展開はなしですよ」
「その耳は飾りかぁっ」
肘をついて怒鳴るカレーパンマンだったが、しょくぱんまんが詰め寄ると大袈裟に体を震わせ、がくんと背中を倒した。
しばらくじっとして、カレーパンマンの息が落ち着いた頃にしょくぱんまんは、
「ねえカレーパンマン。しょくぱんの方がカレーよりおいしいですよね」
肘をカレーパンマンの脇について、ぐっと体を倒す。解りやすくカレーパンマンの目にぶわっと涙が広がるが、それでも数センチ先のしょくぱんまんを睨んだ。
「何言ってんだよ。ジャムやバター塗らないと味のしないパンより、カレーの方がおいしいに決まってるだろ」
「でも、しょくぱんは毎朝食べられていますし、ピクニックでも大活躍です。カレーは朝食には重すぎますし、持ち運びにも向いていません」
「バカだな、それをフォローしきれちゃうほどカレーはしょくぱんなんかより………ぅあ!?」
カレーパンマンの声が突然裏返った。しょくぱんまんが彼の体を掴み、強引にひっくり返してうつ伏せにさせたのだ。
「わっ、わっ」
遠慮なく背中にのしかかって来るしょくぱんまんの動きに伴って、固いものがますます深く突き刺さり、カレーパンマンは目を白黒させる。
「ね、カレーパンマン、しょくぱんの方がカレーより勝っていますよね。あなたもそう思うでしょう?」
ゆっくりと手前に引き、またずぶずぶと押し込む。
「お、おい、しょくぱ……」
彼が何をしたいのか、何を自分にさせたいのかがそろそろ解って来て、カレーパンマンの声が引きつる。
「しょくぱんの方が皆さんから愛されてます」
けれど、日常での会話で使われるものとそう変わらない声と様子で、しょくぱんまんは言い続けるだけだ。
馬鹿だと思いながら、ほんとうに、心底馬鹿だ馬鹿だと思うのだが、
それでもカレーパンマンは自分の腰が浮くのを抑えられない。
しょくぱんまんを受け入れる体勢を取ってしまう直前に、ついにカレーパンマンは音を上げた。
「わかっ…た、って、もう、それでいいから!」
精一杯の、これ以上ない譲歩だったのだが、それを聞いたしょくぱんまんは身を引いて、
カレーパンマンの下のカレー噴出口から退いてしまった。
「それでいいじゃなくて、ちゃんと言ってください。カレーよりもしょくぱんの方がおいしいですって」
しょくぱんまんはカレーパンマンの噴出口に、スティックパンの先っぽを当てる。
手持無沙汰だからついでにとでもいう風に、しょくぱんまんはカレーパンマンの内腿を撫でた。
それにすら敏感に反応して、カレーパンマンは布団をぎりぎりと握りしめる。
「うぁっ…ふ、ふざけんな」
「わたしはいつだって本気です。今だってそうですよ」
カレーパンマンのそこを縁取るようにフランスパンを動かすと、電撃でも走ったかのように体が反り返る。
「なぁ、それ、いっ、言わなかったら……?」
「もちろんここでお終いです。そんなの困りますよね、カレーパンマン」
「おっ、まえも……だろ…!」
懸命にも言い返すカレーパンマンだったが、しょくぱんまんは全く聞き入れない。
「さんはい」
「あぐっ………や、だ、ぜったい、言うもんか……」
頑ななカレーパンマンに、しょくぱんまんは「もう」と頬を膨らませた。
「じゃあおしまいですね」
とは言うものの、それは口だけで、実際にはしょくぱんまんはカレーパンマンから離れていない。押してもいない。なのだが、
「言やあいいんだろバカ!!」
しょくぱんまんが離れていくと錯覚したカレーパンマンは、堪らなくなって叫んだ。
「そうですよ。バカは余計ですけどね」
言いながら、しょくぱんまんは再びカレーパンマンの中に割って入った。
あくあくと浅い呼吸を繰り返し、カレーパンマンは唾を飲み込む。入ってこられる度に息が上がり、どんどん視界は濡れていった。
涙で霞んだその中で、ずっとほったらかしにされていた黄色いマントだけが目立ち、カレーパンマンは夢中で手を伸ばしてそれをぐちゃぐちゃに握った。
「……かれぇよりも………ふぁ…ばか、動かすなっ! …はぁあっ…おまえ、ほんっと性格わるい…!!」
「どうとでも」
「しょく……ひっ…しょくぱんのほうが、……あぁ、やっ、めろ…いっ………」
顔を歪めて、カレーパンマンはますますきつくマントを握り締めた。
これまでなんとか目尻に留まっていた涙が、ぼろぼろと零れ落ちる。
「…おいしぃ、です……」
かすれた声で言って、カレーパンマンはぐったりと頭を落とす。
「言っちまった……おれのバカ」
「あはは気持ちいい! 今度から毎回これやりましょうか」
楽しげなしょくぱんまんの声色に、カレーパンマンはぐるんと体を反転させた。
「い、えよ、ほら」
余裕の笑みを見せようとして大きく失敗しながら、カレーパンマンは痙攣する足を伸ばしてしょくぱんまんの腰を抱える。
「カレーが好きって……しょくぱんよりも、か、カレーがだいすきですってよ……ほら」
そのせいで更にしょくぱんまんを奥にくわえ込むことになって、じわりとカレーパンマンは目に涙を浮かべた。
「えええー」
「だったらとーぜん、これでおしまい……おら、は、やく言えって……あぐっ」
溜め息をついてからしょくぱんまんは体を倒し、互いの体を密着させる。がくっ、とカレーパンマンの足が大きく跳ね上がる。
「一度しか言いませんからね」
「しょくぱんより、カレーパンマンが好きです」
「あっ、てめこのやろ……!」
溺れる直前のような、切羽詰まった声だった。
「はーっ。あー楽しかった」
はちみつトーストにしたわけでもないのにきらきらとした表情で、しょくぱんまんが朗らかに笑う。
マントを抱きしめ、その上から布団を被ってふてくされていたカレーパンマンは近くにあった枕を投げつけた。
難なくそれを受けとめて、しょくぱんまんはカレーパンマンが被っている布団を引き剥がそうとする。
「独り占めしないで下さいよ。わたしも寝るんですから」
「床で寝とけ」
「ひどいなぁ」
素直に手を離す。と、カレーパンマンがひょっこり顔を出した。布団を捲り、黙ってスペースを開ける。
そこに寝転んだしょくぱんまんが布団を綺麗にかけ直す。うつ伏せのまま、それを横目で見てから、カレーパンマンは眠り易い体勢をとった。
「カレーパンマン、しょくぱんまーん」
パン工場に遊びに行くと、メロンパンナちゃんが元気良く出迎えてくれた。サンドイッチがたくさん入った籠を差し出し、声を弾ませる。
「昨日、ホットサンドちゃんに教えてもらったの。カレーサンドだよ!」
「なぁんだ。わたしたちってこんなに簡単にひとつになれたんですね」
「んー、うまい! でも、もうちょっと辛口でもいいんじゃないのかな~」
「聞かなくていいですよメロンパンナちゃん。カレーパンマンの辛口は激辛ですから。とっても上手にできてますね」
「うふふ、ありがとう。いーっぱいつくったから、ロールパンナおねえちゃんにも食べてもらうんだぁ」
「気をつけろよ」
「うん! いってきまーす」
ふんわり飛んでいくメロンパンナちゃんに手を振り、
「流石はしょくぱん、どんな料理にも合うんですね」
「違う違う。おいしいのはカレーのお陰」
「いいえ、しょくぱんが優秀だからです」
「か・れ・え!」
「しょ・く・ぱん!」
顔をくっつけてぎゃあぎゃあ騒いでいるふたりを遠巻きに、アンパンマンはかまどを開ける。
「それじゃあぼく、パトロールに行ってきまーす」
「それいけ! アンパンマーン!」
言い争いをぱったりと止め、煙突から出るアンパンマンを声を合わせて送り、ふたりはまたいつもの喧嘩を始めた。

  • 最高に萌えた。 -- ? 2011-10-25 (火) 19:20:50
  • かわいすぎる -- ? 2012-03-17 (土) 20:53:02
  • しょくぱんまんがイジメられるパターンを見てみたいです(笑) -- しょくぱんまん? 2012-05-05 (土) 17:35:32
  • 萌えた。感動した。 -- 2013-12-23 (月) 23:49:24
  • カレー噴出口・・・(大笑) -- 2013-12-25 (水) 02:00:52

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