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釣り合う事の無い天秤

一角獣、太鼓鍵盤+太鼓←唄、太鼓鍵盤のエロあり

でも唄は全く出てこないので注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
バスルームから聞こえるご機嫌な鼻歌。音が結構外れている。
「ま、今日は普段より出来がよかったから」
俺は一人呟いてこっそり笑う。音痴だし、時々歌い出しも間違える……でも。
「俺は好きなんだよね」
「なに?」
ドアが開いて彼が顔を覗かせる。
「……聞こえてた?」
解ってなさそうな彼を見てホッとした。気持ちを言うつもりは無いから。
「風呂入るの?」
彼の声に頷くと、一緒に入る?だって。襲われそう、と思ったのを隠して首を横に振る。
「襲わないけど?」
……ペットボトルの水を飲んでいたんだけども、盛大に噴いた。
「ちょ!」
「今までだってさ、嫌がる事はしてないでしょ」
下半身にバスタオルを巻いた彼が近づいてくる。俺の口の端に垂れている水を彼は舌で舐め、そのままキスになだれ込む。
「ん……んっ、ふ」
壁際に追い込まれて手を押さえ込まれ……その気になってるのが手に取るように解った。唇が離れる。
「襲っていい?」
……やっぱり…………でも、断れない。
「……いいよ」
ニコリと彼が笑う。もう一回唇が軽く触れ合った。

服を脱がされてバスルームに連れ込まれる。彼の力強い手に引っ張られてよろけた所を抱きしめられた。彼は俺を抱きしめながら耳元で囁く。
「聞きたい事あるんだけど」
……なんだろう?って、予想出来るけどね、実は。
「俺の事、どう思ってるの?」
俺は彼の名前を呼んで、逆にどう思ってるか聞き返す。彼は口ごもった。お互いに言えない思い。
「ねえ、寒くない?」
話題を変える。鳥肌が立ち初めている俺。彼は小さな声であ、と呟く。
「入ろうか」
彼は湯舟を指差した。二人で入れる程広い湯舟に浸かる。彼は後ろから俺を抱きしめていて……腰に当たってますよ、勃ってるものが。
「勃ってるんだ……ね」
「そりゃあね、勃つさ」
あんたには反応すんの……彼はそう言って俺の首筋を指先でくすぐる。
「今までずっと最後まではしてないからね……今日は我慢出来なさそう」
だからね、と彼は首筋をくすぐっていた指先を俺の頬に這わせた。
「俺はね……好きだよ」
グイッと俺の顔の向きを変えてキスされる。
「あんたは……どう思ってる?」
……はっきり言われたって言えない。

沈黙している俺をいぶかしげに見ている彼。……言えないんだってば、アイツの気持ちも解ってるから、絶対言わないし言えない。
「……ごめん」
彼の手から力が抜けた。俺は立ち上がって風呂から上がる。彼に背中を向けて湯舟のへりに座る。
「なんで」
彼が話しはじめるのに合わせて俺も声をあげる。
「嫌いじゃ無いよ、でも応えられない」
彼の声が静かに問いただす。
「なんで応えられない?理由を教えて」
……気づかない、気づいてない。彼はなんで鈍感なんだろう……。アイツは言うなら自分から言いたいだろうし……。
「……言えないの?それとも…………まさか、理由なんて無いの?」
無い……無い訳ないじゃん。アイツが幸せになって欲しいから、俺の気持ちは言わない……それが言えない理由。
「……ごめん、言えないんだ……理由が無い訳じゃ無いよ、本当にごめん」
彼のため息が背中から聞こえた。小さな声でもう一回ごめんと呟いて外に出た。
「…………好きなんだよ、俺も」
ソファーに座り、小さな声で呟いて頭を抱える。

アイツには、幸せでいて欲しい。好きとは少し違うけど、大事な相手。彼の隣にはアイツが似合ってる、俺じゃない。
「……割り切れ、引きずられたら駄目だ」
彼の強い気持ちに引きずられたら、アイツが悲しい顔になる。ドアの開く音。笑顔で彼が俺を見ている。……引き攣ってないか?
「……これだけは聞きたいんだけど……」
「なに」
彼は少し顔を横に向けた後、凛々しい顔で俺を見た。
「俺の気持ちに応えられないのは、嫌いだからじゃ無いんだね?」
……うん、って言っちゃうと認める事になる……でも……。
「どっち?」
彼が近付いて来て、ソファーの背に押し付けられた。
「言わないんだったら……身体に聞くよ?」
ビクリと震えた俺を見て彼は笑った。
「身体の方が素直そうだね」
キスされて、流れるように首筋に唇が動いて、キスマークを付けられる。
「っ!」
息をのんだ俺を見て彼は笑う。
「気持ちいいなら、声を出して……聞きたい」
耳たぶを甘噛みされて、耳の軟骨に歯を軽く立てられる。
「っ、んふ」

彼の指が、唇が、舌が俺の身体を這う。時々キスマークを付けられてるのが解るけど、抵抗する気力は無い。彼は俺の顔を見て、クスクス笑った。
「気持ちいいんでしょ?……やっぱり身体は素直だね」
彼はソファーから身体を起こして、俺を抱き上げる。
「え、ち、ちょ」
「ベッド行くよ」
首にしがみつく。軽々と抱えられると複雑な心境になった。
「軽いねえ」
ちゃんと食べてる?と聞かれてなんだか恥ずかしくなる。
「はい、ついた」
ポンとベッドに下ろされた。すぐに彼が覆いかぶさって両方の手を押さえ込まれる。
「余計な事を考えないようにしてあげるから」
乳首にいきなり舌が這う。軽く吸われ、舌先でつつかれる。
「ん、あ……っく」
少しすっきりしかけてた頭が再び霧に包まれた。
「……ん、く……うっ」
びくびく震える身体を自分では制御出来ない。彼は俺の手を離して、俺の身体を裏返す。
「…………好きだよ」
小さく彼は呟いて背中に舌が這っていく。普段ならくすぐったいだけなのに、今はただただ気持ちいい。

「ひゃ!……ふっ、あ……く」
シーツをにぎりしめて枕に顔を埋めて声を上げつづける。……好きって言って抱かれたらもっと気持ちいいんだろうか……。彼の甘い声が耳に滑り込む。
「なに考えてるの?」
「な、なんでも……」
否定しようとした俺を制するように、彼は耳元で囁いた。
「いいなよ……聞きたい……俺は、大好きだよ」
尻に手が伸びて指先がアナルに触れる。
「っ!……ふ」
ゆっくりと撫で回されて指先を軽く押し込まれた。
「あ!」
ビクンと身体が跳ねる。すぐに指が出ていき、また軽く押し込まれるのを何回も繰り返された。
「……好きだよ、大好き」
譫言のように彼は繰り返す。どんどん俺の中で何かが壊れていく。
「ひっ!あ……く」
グイッと中に指が入り込んだ。中を掻き回されて思わず顔が上がる。
「愛してる……だから」
彼の声が耳から入って身体に、心に変化を起こす。限界を超えた俺の理性が、言ってしまえ、と指令を出した。
「お、俺も………………っ、ち、違う、ちがう」

俺の理性は緩んでいるが、何かがその先の言葉を止め、否定の言葉をも口にさせた。それはきっと、アイツの悲しそうな顔。
「っ!……なんで」
彼の苦しそうな声。……ごめん、本当にごめん、やっぱり言えない、応えられない。
「なんでだよ!」
彼の抑えられた、でも怒りの伝わってくる声色。
「……ごめん、嬉しいけど……駄目なんだ、言えないんだ」
彼が俺を一瞬強く抱きしめ、身体が俺から離れた。俺に背を向けて服を着込む彼の気配を背中で感じる。
「…………諦めないから、あんたの事」
低い声ではっきりと彼は俺に告げて、部屋から出ていく。
「……俺も好きだよ」
小さく呟いて俺は声を殺して泣いた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

IDが途中で変わったのはいきなりカキコミ出来なくなったから。ああ驚いた。

救いようが無い雰囲気だ…


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