宇宙の中心で愛を誓う
更新日: 2011-05-17 (火) 09:44:38
アニマックスの再に燃えたぎっているよ
目立×努力、原作最終回前後くらいで目立は努力の正体知ってる感じ。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「おいジジイ」
なんだボウフラ!と、振り向きざまに裏拳をくれてやろうとしたら真剣な目にぶつかった。努力は拳を解いてたがるに向き合い、今度は静かに「なんだボウフラ」と返事をする。
「お前らヒーローは、何万年も生きるんだろう」
「ああ…まぁ、地球人とは、寿命が違うからな。長い修行もせにゃならんし、星を守るには百年やそこらの寿命じゃ追い付かない」
だから何だと言いたげな瞳は、紅く燃えてたがるを引き付ける。百年、なんて、地球人からしたら随分ご長寿だというのに。
「じゃあ、オレがニュースになるくらい目立つ長生きをしても、お前とは添い遂げられないんだなァ」
「またその話か。私にはそーいうシュミは無いっつっとるのに」
「オレにもねーよっ!シュミじゃあなくて、その、なんだ!アレだ!」
がっしりと努力の肩を掴んで、たがるは叫んだ。努力のちからならばそれを振りほどくなんて簡単なはずだけれど、そうしなかったのは彼に気圧されたからだ。
曲がりなりにも地球を任されたヒーローがボウフラごときに情けないと思いながらも、努力はそのボウフラの口から飛び出す言葉を待つしか出来なかった。
「アレだよ……、男だからじゃなくて、テメーだから好きってやつだよ」
「さぶいな」
「うるせえジジイ」
言葉では軽く受け流しながらも、努力は顔面に血が集まってきているのを感じて狼狽えた。ストレートな好意は、素直に嬉しい。そしてその喜びを隠すすべを、努力は持っていなかった。少女マンガとか、とれんでぃドラマとかを読んで努力していたら、上手くかわせただろうか。
「だからさぁ、その、何万年の寿命のうちの百年くらい、オレにくれたって大したこっちゃないだろ」
どういう理論だ、と蹴っ飛ばしてやりたいのに、今日に限って下駄が重い。同じく重い唇をやっとの事で動かして、努力は「いやだ」と呟いた。一言出ると、今度は崩壊したダムみたいに溢れ出す。
「んなこと言って、どうせお前は馬鹿だから馬鹿みたいに長生きして、ようやく老衰で死んだと安心した所で例の細胞分裂でプチプチ生き返って、私が死ぬまで付きまとうんだろーが…」
言い募るうちに熱いものが頬を伝い、ぽたぽた落ちて胴着の胸を濡らす。まだ来ない、けれど宇宙の時間からしたらあっという間に来る未来が、怖い。口にした反論は、努力の中で希望の形をしていた。
「好きなヤツを泣かすなんて、オレは罪作りな男だぜ。
……お前のいう通り、スーパースターマン様は不死身だから安心しろー?」
「ば、バカヤロー、お前が死んだって私には師匠も兄さん達もいるんだぞ!
寂しいとか悲しいとかあるわけないだろうが!」
止まらない涙を、かさついた指が拭い取る。内職で荒れた指。ヒミツの特訓で傷付いた指。
大宇宙の中の第三小宇宙の中の銀河の中の太陽系の中の小さな小さな地球にくっついたミジンコみたいな、目立たがるという命が愛しくてたまらない。刹那で終わるそいつの寿命が恐ろしくてたまらない。
「ボウフラが…調子に乗るな……」
悪態が勝手に飛び出る口が鈍ったその隙に頬を包んだ手、ゆっくりと近づいてくる顔。ああ、黙っていればコイツは、結構な男前だ。
「ん」
優しく触れあう唇は、確かに今、宇宙の中心に在る。
「……誓いのキッスは、カメラの前でって決めてたんだけどなぁ」
痛みを堪えるような顔でたがるが言って、その瞬間努力は勝手に顔面ファイアーが出たと思えるくらい熱くなった。思わず手加減無しに腕を突っ張ると、たがるの貧弱な身体はぶっ飛んでって壁にぶつかる。
「お前と誓うものなんか一つもねーぞバカヤロー!」
モルタルをへこませて背中を擦るたがるに指を突き付けて叫び、努力は下駄の音を高らかに響かせて走り去る。
その後ろ姿を見送りながら、たがるはそっと自らの唇に指を触れた。手入れなんかした事ないのだろう、乾いてひび割れた唇の感触が残っていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
1レス目、分母ミスってスンマセンした。
分割のコツがわからん…
ラッキーマン最盛期にまだ腐ってなかった自分が悔やまれる
- ぶほっ/// -- コトブキ? 2011-05-17 (火) 09:44:37
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