Top/54-23

刃霧×御手洗

某霊界探偵の敵サイドの二人だよ。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

仙水が連れてきたのは茶色いふわふわした髪と大きな目を持つ少年だった。
素性の知れない大人達に囲まれて緊張していた彼が、刃霧の姿を見て
わずかに表情を緩ませた。
近所の高校の制服を見て。
それだけで安心できてしまう御手洗の幼さを、刃霧は疎ましく思った。

御手洗は今日も目の下に隈を作り、白い顔をさらに青白くしてやってきた。
ビデオを見せられてからというもの、召集がなくても彼はここにやってくる。
ソファに暗い顔で縮こまり夜になれば帰っていく毎日。
今日、普段と違うところといえば口の端に切り傷を作り、わき腹を手でかばって
いるところぐらいだろう。
刃霧の視線に気付いた御手洗は、クラスの奴らにやられた、と呟いた。
御手洗はガチガチの優等生でも、どうしようもないバカでもない。
しかし彼にはどことなく無防備な人の良さがあり、それが同級生を苛立たせる、
そんなところだろう。
齢が近いだけに、刃霧にはなんとなく想像がついた。

「‥コーヒー飲むか?」
刃霧の気まぐれな申し出にも、ありがとう、と律儀に返答してくる。
口が切れているのに、熱いコーヒーはしみるから、と断ることができない少年。
刃霧は火にかけた薬缶をそのままにして、再びソファに近づいた。

まるで刃霧に命令されたように、御手洗はおずおずとシャツをたくしあげる。
滑らかな皮膚には赤黒いあざが広がっていた。
わざと強く触ってやると、御手洗は無言で身を捩った。
「能力で殺してやればいい。」
「‥ばれたら、計画がだめになるかも。」
だから無理だよ。丸い目を見開いてどこか焦って言い訳をする御手洗に、
刃霧は苛立ちを感じた。
無理ではない、そうしたくないからだ。人類が犯した罪を憎みながらも、自分に
危害を加える同級生を殺すこともできない甘さ。
その甘さが原因で、御手洗は仙水が選んだ仲間たちとも馴染めず、いずれ
切り捨てられる立場にあることを気付きもしないのだ。

「痛っ、なに‥!」
今度は口の切り傷を指で強く押すと、さすがに御手洗は悲鳴をあげた。
「‥仙水さんの命令があるまで、お前の力はとっておけ。」
下らない同級生は俺が殺してやるよ、そう囁くと刃霧は御手洗の頭をなでてやった。
最初は驚いた顔をして、次に少しだけ嬉しそうな顔をした御手洗は、ううんいいよと
律儀に刃霧の申し出を断った。

少し薄いコーヒーを飲みながら、刃霧は考えた。
次はもっとおいしいコーヒーを淹れてやろう。御手洗が自分になつくように。
彼の退屈しのぎになる予定の少年は、何も知らずにコーヒーをすすっていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ファンサイトまわってたら再燃。刃霧は天然Sで御手洗は天然Mだと思う。
そして高校生と中学生の微妙な年齢差に萌え。


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP