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週刊「ぼくおに(ぼくのおにいちゃん)」

すみません、昨日の六角形クイズの先元の爆弾発言にやられて
我慢できなくて書きました

生注意
ノマネタ含注意
六角形クイズ
富士藁・富士元&先元
カプ話ですらない先元視点

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

収録が終わった。
眠い。ひたすら眠い。
罰ゲームで水までかぶったのに、やっぱり眠い。
「春眠暁を覚えず」とは言うけれど、季節は冬真っ盛りだ。
やっぱり寝ないと次の日の仕事がキツイと改めて思った。

濡れて体にはりついたジャージが気持ち悪い。
楽屋に帰って、すぐにそれを脱いで着替えた。
ていうか、寒い。
まずい。
新介さんじゃないけど、本気で風邪ひいたかも。
やっぱ寝不足の所為なのかな。
体力が落ちているのかもしれない。

コンコン。
ドアが2回ノックされる。
「はーい、どうぞー」
「おー、入んでー」
開いたドアから見慣れた茶髪がぬっと現れた。
僕の黒髪と同じく、まだ少し湿っていてぺしゃんとなっている。
「お疲れ様でした」
「はいはい、お疲れさん。って今日はお互い散々やったなあ」
富士元さんは笑っていた。同じように罰ゲームを受けて水浸しになったのに。
やっぱり芸/人さんはタフだなあとしみじみ思った。
「どうしたんですか?」
「ん、いやあ、一緒に水かぶった時、寒いて言うてたやろ?せやから大丈夫かなあと思て」
どうやら僕を心配してきてくれたらしい。
富士元さんって本番でのキャラはあんなだけど(って言ったら「あんなってどんなやねん」って怒られそうだな)、本当に優しい。
噂の彼女サン(同番組で共演)が好きになるのもよくわかる。
「大丈夫ですよ。僕、こう見えても体力あるし、何より若いし」
「若いって、それは俺に対するあてつけかい!こいつ~」
富士元さんがふざけて僕に襲いかかってきた。
首の辺りを小脇に抱え込まれるようにして、バランスを崩しそうになる。
その途端、不意に視界がグラッと揺れた。
やばっ…。

「お前……頬めっちゃ熱いやん!」
富士元さんが腕の力を緩めるや、僕は足元から崩れ落ちた。
ガクンと膝をついたところで、再び富士元さんの腕に、今度は支えられる形になる。
「あかんって!お前、熱あるやんか!」
「いや、僕、顔に出ない、タイプなんで…」
「答えになってへんやろ!」
富士元さんが怒っていた。変なの、さっきまであんなに楽しそうに笑っていたのに。
あれ?何か、思考が……熱の所為か、うまく頭が回らない。

「とりあえずお前のマネージャー呼んできたるから。そこに寝とけ!」
「ん……」
富士元さんに肩を貸してもらい、ソファーに着いてすぐ横になった。
ふぁさっ、と何かが上にかけられる。
え、これ、富士元さんの上着……?
「ええ子やから、おとなしくしとくんやで?」
「あ……」
富士元さんが部屋を出て行こうと、背中を向けた。
僕はその腕をとっさにガッと掴んでしまった。
「何やねん?マネージャー呼んでくるって言うたやろ」
「いや、その……」
別に呼んでこなくていいです、とか、上着はいりませんとか、はたまたありがとうございますとか。
引き止めて言うべきことはいくらでもあったはずなのに。

「やっぱ、夜通しメールとか……しちゃダメ、ですよ…ね」
「はあ?」
口を突いて出た言葉に、富士元さんの顔に明らかな困惑の色が浮かぶ。

「…本番で言うてた、お兄ちゃんみたいな奴、とか?」
「は、い……」

僕はその『お兄ちゃんみたいな人』と一緒に過ごせない時間さえ少しでも共有していたくて。
それで一晩中メールのやりとりをした。彼も寝ないで付き合ってくれた。
気がついたら朝になっていた。
とても眠かったけど、仕事を休むわけにも行かないので、そのままテレビ局に向かった。
そしたら何故かこういう結果になった。

「ホント…時間が、過ぎるのも、寝るのも、忘れて、しまう…くらい、楽しくて…」

ダメだ。これ以上は言っちゃダメだ。
頭の片隅でまだ正常に働いている理性がそう叫んでいるのに。
熱に浮かされた僕の口は、構わずその言葉を紡ごうとする。

「だって、ぼく、そのひとのこと、おにいちゃんとかじゃなくて、ほんとうに、す――」

そこまで出かかった僕の言葉は、ふっと遮られた。
富士元さんの人差し指が、僕の唇に押し当てられたから。
「それ以上は言わんと。ええから、休んどき」
「ふ…じも……さ…」
「病気ん時は弱音のひとつやふたつ吐きたなんねん。今のお前、そんな感じやから」
富士元さんはまるで子供をあやすように、まだ湿ったままの僕の髪を2度3度撫でてくれて。
それから僕の指をするりと解いて、ドアに向かって歩き出した。
「ああ、その上着は気にせんと。マネージャー連れてくるまでの応急処置みたいなもんやから、な?」
「ん……」
僕が頷くのを確認して「よーし、先元はええ子やなあ」とニッと笑う富士元さん。
そして、部屋を出て行く直前、こう言った。

「俺もわかんで。好きな奴とメールするのって、ホンマに楽しいよなあ」
…あはは、やっぱり富士元さんって優しい人だなあ。

一人残された僕は、自然と楽屋の高い天井を見上げることになった。
天井がぐにゃりと歪んで見えた。空間認知能力もきっちりやられている。
本気でまずい。
新介さんじゃないけど、今日は看病をお願いすることになるかもしれない。

……一体、誰に?
もちろん『お兄ちゃんみたいな』あの人に――。

なんて考えながらも、ぐるぐる回り続ける頭の中で。
ふと、ほんの一瞬だけ。
富士元さんの顔が浮かんだのは、誰にも内緒です。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

この場合だと富士元×先元はないけど
書きながら富士元←先元はありだなあと思いました

駄文でお目汚し失礼しました


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