先生×佐武利
更新日: 2011-04-25 (月) 08:55:57
先生×佐武利
五話ぐらいのつもりです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
もう夜四つになろうとしている。
皆肩にとってはなんてことない時間帯だけれど、この時代の人にとってみれば夜中と呼んでもいい。
皆が寝静まった後、皆肩はすぐにここにやってきた。
周りはペニシリンを作るための青黴が置かれた棚だらけだ。
少しでも沢山のペニシリンを作っておきたい。
それが、有切を救うことにも繋がるのだ。
皆肩が作業に没頭していると、入り口がカタンと音を立てた。
「先生やないですか」
「佐武利くん…。寝てたんじゃ」
「いや、廁へ起きたらなんや先生おらへんし、まさかと思ってきてみたんですわ」
手伝いますよ、と腕まくりをして入ってきた佐武利に、皆肩は首を振る。
「眠いでしょうから、いいですよ」
「なにゆうてるんですか。先生かてそうでしょう?」
皆肩の言葉に耳を貸さないまま、佐武利は十分繁殖した青黴の入れ物を持ってきては机に並べ始める。
断り続けるのも彼に悪い。
手伝いをしてくれるのも正直なところ有り難いし、明日の朝ゆっくり休んで貰うことにした。
佐武利は皆肩の指示を仰いではよく働いてくれる。
少し子犬っぽくてなんだか微笑ましい。
キラキラした尊敬の眼差しで見られるのも、面映ゆいが嬉しかった。
実のところ、その眼差しに恋情が交じっているのも、気が付いている。
会話もないまま作業を続けていたが、いい加減眠たくなってきたのか佐武利がうつらうつらとしはじめた。
「眠いんでしたら、戻ってくださって構いませんよ」
「いや!先生が起きてはるのに寝れませんわ」
といいつつも、やはり限界なのか目が閉じていく。
どうやら折れてくれなさそうだな、と判断して皆肩は苦笑した。
「分かりました。私も寝ます」
「そうでっか…」
ちょっとだけ佐武利が悲しそうに眉を下げる。
なんだかんだで二人きりなのを喜んでいたのだろうか。
「……佐武利くん。手伝ってくれたお礼をしますから、ちょっとだけ目を閉じていてください」
「え、」
「いいから」
ね、と促せば佐武利は目を閉じた。
そのままちょっとすると、カクンと首が揺れた。
そのタイミングに合わせ、唇を奪う。
「わ、寝てしまってましたか?」
「いいえ、一瞬だけですよ」
「…先生なんかしはりまさた?」
「いいえ」
惚けてみせれば佐武利は首を傾げながらもそうでっか、と納得した。
「さあ、寝ましょうか」
「あれ?お礼ってなんやったんですか?」
「もうしましたよ」
え、と納得いかないような顔をした佐武利に、皆肩はにこりと笑った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し失礼しました。
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