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銀魂 近藤←土方 「冬の夜」

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                     |  飛翔の「Silver Spirit(和訳)」制服組 局←副だってさ。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ありきたりなシチュでスマソ。しかもエロは無い。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ウメルダケダシナー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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「ああぁ~、寒い寒い。冬の夜回りなんて碌なもんじゃないですね」
時折吹き付ける夜風に首をすくめて、耶麻咲が唸る。
「そうだな」
隣を歩く肘型は、咥えタバコの火をちらつかせながら気の無い声で返す。

「ちょっと、寄って行きましょうよ」
一町ほど先に赤提灯が灯っているのを目ざとく見つけて
耶麻咲が小走りになって先を行く。
「おいこらぁ!仕事中だぞ!!」
口では一応静止しておいて、肘型も後を追う。
夜回りの途中、ちょっと一杯引っ掛けて行くのは茶飯事だった。

「おやじ~、あっついの、一杯頂戴」
耶麻咲は、小さな暖簾をかき上げながら、屋台の向こう側に居る白髪頭に声をかける。
「あいよっ」
人懐こそうな笑みと返事が返ってきた。

一刻遅れて、屋台に着いた肘型は、その隅っこの方に見慣れた人影を見つけた。
固まった肘型の視線を追って、耶麻咲もその人に気が付く。
「あれぇ~~、局長!どうしたんっすか、こんなトコで!」
素っ頓狂な耶麻咲の声に、背を丸めて突っ伏していた紺同がのろりと顔を上げた。
その目は据わっていて、顔全体が林檎のように赤い。
かなり酔いが進んでいるのが、一目で分かった。

「・・・うわぁ」
小さく呟いて身を引いた耶麻咲が、くるりと肘型の方に向き直って早口でまくし立てる。
「あの、あの、俺、急に腹が痛くなっちゃって、えっと、ちょっと、失礼しますっ!」

「・・・ちっ」
あれよあれよという間に小さくなっていく耶麻咲の背中へ、肘型は舌打ちを投げる。
「面倒押し付けやがって」
一人言ちて、紺同の隣に座る。

「とぉしぃぃぃ」
肘型が腰掛けるやいなや、紺同が体ごともたれ掛かってきた。
「うわっ、酒臭っ!どんだけ呑んでんだよ、紺同さん」
厚い胸板を肘で押し返しながら、肘型は精一杯の渋面をつくる。
また一滴も呑んでいないのに、赤くなる訳にはいかない。

「もう、聞いてくれよぉぉ、トシぃぃ」
紺同の太い腕が、肘型の首に回されて、ぐいと引き寄せられる。
熱い息が、肘型の耳にかかる。ぞくりとする感覚が肘型の背筋を走った。

「聞かなくても分かるってっ!また、あの女に振られたんだろっっ」
両手で紺同の顔を押しやりながら、苛立たしそうに吐き捨てる。
「『あの女』なんて、言うなあぁっ!!」
大きながなり声を肘型は耳を塞いでやり過ごす。

抱きついていた紺同が少し離れたので、肘型は屋台のおやじが黙って出してくれた酒をあおる。
一息ついていると、今度は肘型の両膝に紺同が顔をうずめてきた。
「ちょっ、ちょっとっ、紺同さんっっ!」
慌てて押しのけようとしても、肘型の腰に回された腕は動かない。
逆に、逃げようとすればするほど、強く抱きとめられる。

肘型は観念して、紺同の頭に手を置いた。ごわごわの硬い髪が、指にこそばゆい。
ぽんぽんと軽く叩きながら、肘型は情けない格好の紺同に声をかける。
「振られんのなんて、いつもの事じゃねぇか。そんなんでヤケ酒なんて、らしくねぇぜ」
「・・・でもよぉ」
肘型の足の間から、声がする。
ちょっとヤバイな、と肘型は思った。紺同が触れているところが妙に熱くて、むずがゆい。

「とっ、とりあえず、一旦起きよう、なっ?」
なるべく優しく、紺同の肩に手をかけて、肘型は自分の足から引き剥がした。
「トシぃ」
紺同が涙目で肘型を見つめる。肘型の顔が赤くなっていくのは、酒のせいばかりではない。

ふいに紺同は肘型を抱きしめた。
「っ・・・ちょっ・・紺同さんっっ」
肘型の心臓が早鐘を打つ。
「・・・トシ」
耳元で名前を呼ばれて、肘型は眩暈がしそうになる。

ゆっくりと肘型の両腕があがり、紺同の背に回されようとしたその時
「もう、お前でいいわ、俺」
紺同が低く呟いた。

肘型の手がぴたりと止まる。

肘型は目を瞑って、乱れそうな呼吸を整える。
怒ってはいけない。
泣いてはいけない。
ただの酔っ払いの戯言だ。
そう自分に言い聞かせて、長く息を吐く。

「・・・なに言ってんだ、それこそ、らしくねぇぜ。紺同さん」
努めて明るく言い放つ。
「・・・だよなぁ」
肘型の葛藤など微塵も気付かないで、紺同が笑う。
微笑み返した肘型は、自分が上手く笑えているようにと願った。

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