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量間×陣

日曜日のドラマ イニ 量間×陣で
もはや何番煎じかもわからない鰻屋話です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

夕暮れ、街道沿いに立ち並ぶ飯屋や飲み屋、旅籠に灯が入り、
それらを目指す人々と、家路を急ぐ人々、そのお流れを拾おうと
商売道具を広げ始める二八そばの屋台などでごった返す往来を
陣は薄く障子を開けた鰻屋の二階座敷から眺めていた。

「先生、なんぞ、面白いもんでも見えるがかえ?」
座卓を挟んで陣の向い側、廊下に面したふすまを背に
どっかり座った量間が声をかけた。
「いえ、賑やかだなあと思って。」
「風邪を引くき、さっさと窓ぉ閉めてこっちへ来るがぜよ。」
「すみません、寒かったですよね。」
忙しない動作で手招きするのに応えて障子を閉めると、
陣は量間と向かい合わせに座りなおした。
「わしはどうでもええけんど、先生を連れ出して風邪なんぞ引かせたら
 可哀想じゃき。」
言いながら火鉢をこちらへ押す量間を見て、陣の頬に微笑が浮かんだ。
「ご心配頂いてありがたいですけどね、私はそれ程ひ弱じゃないですよ。」
「医者の不養生っちゅう言葉もあるからのう、用心に越したことはなかろうが。」
言うと、座卓に並んだお銚子を一本取り上げ、
「ほれ、まずは一杯。」
「いえ、私はお酒はあまり…。」
「今日は先生はわしの客じゃき、上座の先生が口もつけんかったら
 わしも飲むわけにいかんき。」
「…それじゃ、少しだけ頂きます。」

いかにも不満そうに顎をしゃくってみせる量間に折れて、陣は猪口を手に取ると
おずおずと差し出した。
「そうそう、それでええがじゃ。」
それは嬉しそうに頷いて陣の猪口に燗をした酒を注ぐ。
「ああ、もう本当にそれくらいで…。」
「なんじゃい、大の男がこれくらい飲めんでどうするがか。」
何度か返杯を重ねるうち
「………」
「………」
一瞬、不自然な沈黙が落ちて、量間が目を逸らすのを、
陣は疑い深げに目を眇めてじっと見つめた。
「…量間さん。」
「料理が遅いのぉ、こん店は、客をいつまで待たせるがか…。」
陣が口を開くのを無視して、そわそわと腰を浮かせかけるところへ
「量間さん。」
もう一度、少し大きな声で名を呼ばれ、量間は渋々座りなおした。
「何じゃ、先生、そげん怖い顔して。」
「量間さん、何か企んでますか?」
「い゛」
「何か企んでますね?」
ずい、と陣が身を乗り出す、ぐびり、と量間の喉が鳴った。

「ひ、ひ、人聞きが悪いのぉ、わ、わしが何を企むっちゅうがぜよ。」
「具体的に何を企んでるかは分かりませんけど、この間のこともありますから。」
陣の言うこの間のことと言うのは、量間が陣を半ば騙して
吉原へ連れ出した一件のことだ。
「このお店にお目当ての女の人がいるんですか?
 また私をダシにして口説こうっていうんじゃないでしょうね?」
ぽかんと口を開けたまま陣を見る量間の目がまん丸に見開かれた。
「…図星ですか。」
そう言うと、陣は深いため息をひとつつき、量間に向かって切々と訴え始めた。
「本当にもう、そういうことに巻き込むのはやめてくださいよ
 あれから暫く、立花の家で私がどんな思いをしたか。
 先さんにはあからさまに気にしてないフリをされて気詰まりだし
 坂江さんからは折りに触れ身に覚えのない嫌味をチクチク言われるし…。」
言いかけるのを遮るように座敷一杯に量間の笑い声が響いた。
「何笑ってるんですか。」
「す、すまん先生…ほ、ほうかほうか、ちくちく嫌味をのう…いや、あの奥方は
 わしも怖い…そりゃあえらい災難じゃ…まっこと悪い事をしたのう…
 すまんかった、確かにわしが悪かった…もう絶対にあんなことは無いき…。」
「笑い事じゃないですよ。」
陣の抗議に構わず、量間はさも可笑しそうに笑い続けた。

全くこの先生は何も分かっていない、誰が誰をダシに、何をするつもりで
あの場所へ連れて行ったのか、当の本人がまるきり気付きもしない。
そこまで考えたところで、あれほど可笑しかった気持ちがスーッと引いて
笑いの発作がおさまり、途端に顔を赤くしている陣と目が合って量間は慌てた。
「そんなに笑わなくても良いじゃないですか。」
「まっことすまんかった。」
真面目腐った顔で座卓に手を突き、ぶつかりそうな勢いでペコリと頭を下げ
「目が覚めたぜよ、もう二度と他人を巻き込んだりせん、
 口説きたいと思うた相手には一対一じゃき。」
頭を上げ、何時に無く真剣な表情で真正面から陣の目を見据えると、
今度は陣のほうが何故かうろたえでもしたように目を逸らした。
座敷の空気が妙に張り詰めたその時、階段を上る足音がして
量間が背にしているふすまの向こうでぴたりと止まり、続いて控えめな女の声がした。
「鰻をお持ちしました。」
「待ちかねたわい、皿を買いに行きゆうがと思うちょったところぜよ。」
相手が開く前に量間が自分でカラリとふすまを開き、
料理を運んできた中年の女を招き入れた。
蓋をした黒塗りの四角い重と椀、それと燗をした酒が入ったお銚子が
新たに何本も、座卓の上に手際よく並べられていく。

「せっかちだねえ旦那、鰻屋で待たされて文句を言うのは野暮ってもんですよ。」
「ほうか、わしゃ田舎もんじゃき、江戸の流儀はさっぱり分からんでのう。」
「いい男なのに勿体無い、色々教えて差し上げますから
 これからもご贔屓にしてくださいな。」
軽口を叩きながら配膳を終えた女は、ふすまの向こうに控えてお辞儀をひとつ
「それじゃ、どうぞごゆっくり。」
言うと、目を伏せたままふすまを閉め、階下へと下がっていった。
「今の人が今度のお目当てですか。」
量間が部屋に向き直ると、陣が面白そうに聞いてきた。
「先生も意外と根に持つのう、本当に反省しとるき、もう勘弁してくれてもよかろうが。」
渋い顔で言いながら、陣の目の前にある重の蓋を取り
「さ、これで手打ちじゃ、腹が減っとるから余計な気を回すことになるぜよ、
 冷めんうちにほれ、早う。」
蓋の開いた重から湯気とともに食欲をそそる匂いが立ち上る。
「それじゃ、頂きます。」
空腹もあって暫くは二人とも無言で鰻をぱくつき、お腹が落ち着いたところで
鈴屋彦三郎の術後の経過、海軍操練所立ち上げの準備から
共通の知人、日々のこまごまとした近況などに話が及び、
その間陣は、量間の勧め上手もあって知らず知らず杯を重ね、
並んだお銚子が空になる頃には夜もとっぷりと更けていた。

階下で往来の客に鰻を商う店からも人が引き、
周囲の店々も門口を閉ざし灯を落とし、夕刻あれほどの賑わいを見せた往来は
時折野良犬の悲しげな遠吠えと、何処からか漏れ聞こえる三味線の音だけが
かえってしん、と静けさを際立たせる、そんな時刻を迎えていた。

「先生、皆肩先生。」
ジジッと行灯の芯が燃える音がして、影が揺れる、
陣はさっきから俯いて黙り込んでいたが、量間が呼ぶのに気付いて顔を上げた
「あー…すみません、少し飲みすぎたみたいで…。」
「先生。」
「はい。」
「こん店は活先生に教えてもろうたぜよ。」
「そうなんですか、落ち着いたいいお店ですね、鰻も美味しかったし
 活先生に私からもお礼を言って置いてください。」
「そう、ええ店なんじゃ、特にここはこん店の一番奥の座敷でのう。」
量間は一旦言葉を切って、窺うように陣の顔を見た。
「料理を運んだ後はこっちで呼ばん限り、誰も来ん事になっとるぜよ。」
「そうなんですか。」
今度は顔を左に向け、目で次の間へのふすまを指し示す。
「あの向こうは本当にこの店のどん突きで窓も無い、わしらがここに来る前から
 布団が敷いてあるがじゃ。」
「………。」

「先生の後ろに窓はあるけんど、飛び降りたら大怪我じゃ、
 こんなところで騒ぎを起こせば、立花の家も外聞が悪かろう。
 ここから出ようと思えば入ってきたのを戻るしかないけんど、下座のわしが塞いどる、
 先生にもう逃げ場は無いっちゅう事ぜよ。」
「………。」
陣は何も答えなかった、沈黙に耐えかねて、量間は畳に視線を落とした。
「卑怯なんは分かっちゅう、分かっちゅうけんど…。」
ぐっ、と拳を握り。
「わしは、先生に惚れとるがじゃ、どうしょうも無く好いちょるがじゃ!
 好きで好きで、寝ても覚めても目の前に先生の姿がちらついて、 
 振り払うても振り払うてもどうにも消えてくれんがじゃき、
 もう自分でもどうにもならんがじゃ!」
一気に言うと、量間は膝で後ずさり、それまで座っていた座布団を横にずらし、
もう一度顔を上げて一瞬陣を見た後、きりりと居住まいを正すと、
ぴたりと両手をついて、がば!と畳に額を擦り付けた。
何処から見ても見事な土下座だった。
「頼む!先生、この通りじゃ!先生の言うことならわしゃあどんな事でもするき、
 先生がわしに死んでくれっちゅうなら死んでもええき、…わしに…
 たった一度でええから、わしに、想いを遂げさせてはもらえんじゃろうか、
 一生の願いじゃ!この通り頼むぜよ!」

座敷に今度こそ沈黙が訪れた、陣は相変わらず黙り込み、
これ以上何も言うことが無い量間は、顔を上げることも出来ず
ただひたすら自分の心臓の音を聞いていた、
これまでの生涯でこれほど恐ろしい思いをした事は無いと思った。
全て冗談にして流してしまいたい衝動を必死で押さえ込み、量間はひたすら
目の前に居る陣の気配に全神経を集中して答えを待っ、
永遠とも思える時間が過ぎ、陣がやはり何も言わないまま、
つい、と立ち上がるのが分かり、量間は身を固くした。
このまま何も言わず出て行くつもりならばそのまま行かせるか
それとも引き止めて無理やり…思い迷う量間の前を横切り、
陣は次の間へと続くふすまに手を掛け、すーっと引き開けると、
緋色の布団を敷き詰めた室内へ、躊躇無くそのまま足を踏み入れた。
次の間から、小さく衣擦れの音が聞こえる。
量間は恐る恐る目を開け、身を起こし、頭を巡らせ、
やっと次の間を見て固まった。

開け放したふすまの向こうでは量間に背を向けた陣が
丁度丹前を脱ぎ終え、皺にならぬよう衝立に掛けているところだった、
続いて袴を脱ぐと、これも衝立に掛け、それから帯を解き始めた。
身動きひとつ出来ず、息をすることも忘れて、まるで魂が抜けたように
ただただ見つめることしか出来ない量間の前で、
陣は2枚重ねた袷を脱いでは次々と衝立に掛け、ついに薄物一枚になると
無言のまま布団に潜り込んだ。
「…せ、んせえ…。」
喉の奥が貼り付いたようで上手く声が出ない、量間は何度も生唾を飲み込むと、
力の入らない足でギクシャクと立ち上がり、ゆっくりと、一歩一歩、
探るように次の間へ近付いて行った。
「…先生、わしに情けを掛けてくれるがか?…そ、それとも…。
 …それとも、先生もわしの事を…憎からず想うちょってくれたがかえ?」
口の中がからからに乾き、舌がもつれた、心臓が、今にも潰れるのではないかと
思われた。
「悪かった、そがいなことを聞いたは、まっことわしが野暮じゃった、
 無理に答えんでもええき…。」
嬉しさのあまり殆ど泣きそうになりながら、震える手で羽織袴を脱ぎ散らかし、
もどかしくて引きちぎりたい衝動に駆られながら帯を解き、単衣の前をはだけた。
「…だ…大事にするき…、わしはもう、一生先生を大事にするき…大事に大事にして
 それこそ付きっ切りで、先生に毛筋ほどの傷もつけんように守り通すがじゃき。」
ようやく下帯(褌の事)一枚になると
「…先っ生~~!!」
布団の上から飛び込むかのように陣に覆いかぶさろうとした。
…ところで量間の動きが止まった。

枕が二つ並んだ艶っぽい緋色の布団の中で、陣は安らかな寝息を立てていた。
酒を過ごしたためか、薄く開いた唇から、呼吸するたびかすかなため息が漏れるのを
量間は半ば見惚れて、半ば呆然と見下ろしていたが、やがてはっと我に返り。
「先生、先生!」
呼びかけるも陣は身動きひとつせず、仕方なく量間は陣の肩をそっと揺さぶった。
「先生、起きるぜよ、先生、肝心な時に眠ってしまう奴があるかい、先生。」
「…ん…んぅ…。」
暫く続けると、喉をのけぞらせ、軽く眉根を寄せた陣が、うっすらと目を開いて
量間を見た。
「……ああ…量間さん……すみません、俺…お先に…。」
「先生、しっかりせんかい、一体何を言うとるがじゃ。」
「お布団ありがとうございます…この頃忙しくて…もう眠くて…助かりました…。」
再び目を閉じる陣から、量間は愕然として手を離した。
「……せ…先生…まさかとは思うけんど…わしの話………
 聞いちょらんかったがか、え…?」
「…お話…すみません…起きてから伺いますから…。」
目もあけずにやっとそれだけ言って、陣はまた眠り込んだ。
「…そんな…。」
もう間違いはなかった、量間が話し始めたとき、陣はすでに殆ど眠っており、
”布団が敷いてある”と言う言葉のみ意識に留めて
その後に続く量間の血を吐くような告白を丸ごとスルーしたまま
ただ眠るために布団にもぐりこんでしまったのだった。
ショックのあまり怒る気にもなれず、呆然としていると

「量間さん…。」
「…へ?」
突然陣に名を呼ばれた。
「量間さん…。」
「なんじゃい、寝言かい…はいはい皆肩先生、わしはここに居るき。」
捨て鉢になって返事をすると、眠ったままの陣がふわりと微笑んだ。
量間の頬に苦笑が浮かぶ。
「わしがここに居るんが、嬉しいがかえ?」
人差し指でちょいちょいと陣の頬をつついてみた。
「…罪の無い顔してまあ…どれだけ罪を作っちゅうか、分かってるがかえ?」
ふー…と力ないため息をひとつついて立ち上がり、量間は座敷へ戻ると
脱ぎ散らかした着物を拾い集めた。
「まあええき、今日のところは、先生の寝顔が見れただけでも儲けもんじゃき。」
それでも暫くふすまを開け放したまま、未練たらしく陣の寝顔を眺めていたが
「ふん。」
ぱたりとふすまを閉じた。

翌朝、2人はまるで、もつれ合うようにして家路をたどっていた。
正確に言うなら、陣が酔いつぶれた量間に絡みつかれたまま
活邸へと送っていくところであった。
「ん~~~~せんせえ~~~~なんでせんせえが2人も居るがかえ~~~~っ。」
「アルコールを大量に摂取したせいで目の焦点がずれてるんですよ!!
 うっわ、酒臭いなあ、ほら、量間さん、しゃんとしてくださいよ。」
「あ、あるこ…?…うー、まあええ、まあええがじゃ、両手に花じゃち…。」
「…なに馬鹿なこと言ってるんですか、まさか私が寝た後もずっと朝まで
 1人で飲んでたなんて…なんだってそんな馬鹿なことしたんですか。」
言った途端にいきなり量間がその場に棒立ちになったため、彼を引っ張っていた陣は
そのまま前につんのめって道端へ倒れ込んだ、慌てて起き上がろうとしたところへ、
今度は量間が上からかぶさって来て、背中を思い切り地面へ叩きつける羽目になった。
「が…っ…は……。」
衝撃で一時的な呼吸困難に陥り、声も出せない陣の後頭部を、
いきなり大きな手のひらが掴み、無理やり向きを変えた。
見れば視界いっばいに、世にも情けない顔をした量間が陣の顔を覗き込んでいた。

「先生が悪いがじゃ、先生がわしを放ったらかして1人で寝てしまうけえ、
 わしは一生懸命起こしたに、うるさそうにするばっかりで、
 わしが大事な話があるちゅうがをあしろうて…先生は居らんし、
 火鉢の炭も冷えるしで、わしゃ1人でもう寒うて寒うて、1人で暖まろうと思うたら
 酒でも飲むより他にどうしようも無かろうが。」
「…っそ」
 …れなら布団に入って眠ればよかったのに、と言いそうになったが
何故かそれを言うのがためらわれて陣は反論を諦め、
取り合えず身体から力を抜いて呼吸を整えることに専念した。
その間にも酔っ払いの繰言は続く。
「…大体先生はわしを何じゃと思うちょるんじゃ、わしがやっとの思いで話しとるがを
 全然聞こうともせんで眠り込まれて、わしがどんな思いで、先生に言うて聞かそうと
 思うとったに先生は聞こうともせん、どころかわしのほうを見もせんと…。」
同じ話が果てしなくループするのにいい加減うんざりして、陣はやっと口を開いた。
「分かりました、今ここで伺いますから、どうぞ話してください。」

量間の繰言がぴたっと止んだ。
「……?」
「この、阿呆。」
「え?」
「先生だけに話して聞かそうちゅうとるがを、こんな誰が聞いとるかも分からん道端で
 言える訳が無かろうが、阿呆、先生はいじゅちゅでは神様にも並ぼうかっちゅう
 お人じゃのに、何でそんなに阿呆なんじゃ。」
すでに日の出から数時間、朝の早い江戸の人々が何人も、さっきからずっと
通りすがりに二人を遠巻きに見て、笑いながら行過ぎていると言うのに
なにが内緒話だ、と陣は思った、とにかく、出来るだけ早く話を切り上げて
この状況を何とかしなければ。
「…神様に並ぶは言い過ぎです…じゃあ、えーと、はい、分かりました
 次は必ず最後まで付き合いますから、その時に話してください。」
量間の目が、見る見るまん丸に見開かれ、きらきらと輝きだした。

「…量間さん?」
「そ、そりゃまことかえ…?」
がしっと肩を掴まれ、陣はまたうめき声を上げ、量間の下から逃れようと暴れ出した。
「まっこと、まっこと、こん次は最後までわしに付き合うてくれるがかえ?」
「量間さん、肩!肩放してください、痛い…放し…。」 
「もういっぺん、今何を言うたがか、もういっぺん、先生!」
「…ああ…聞いてなかったんですか…ですから…次にご一緒した時は
 最後まで、付き合いますから…もう、放し、てく、ださいよッ!!」
「いいや、放さん、わしゃあもう、死んでもここを動かんけえ、先生が今言うた事を
 絶対に違えんと、ここでわしにしかと約束するまではもう、
 梃子でも退いてやらんぜよ!!」
「~~~っ…悪い酒だなあ…はい、約束しますから。」
「絶対じゃな?」
「はい。」
「ほいたら、げんまんじゃ。」
「……。」
ぬっと小指を突き出し、顔中いつもの人懐っこい笑いで一杯になった量間に、
陣もつい引き込まれて笑った。
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのます。
大の男が2人、指切りげんまんを交わす声に続いて、どちらからとも無く
はじけるような笑い声が、冬の空に吸い込まれて行った。

バイバイさるさんが…ああ驚いた。
通しナンバーが入ってないところも、後で気付いた…。
色々すみませんでした。。
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おそまつ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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