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とある日の考察

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

某舞台カテコの2人が可愛すぎてうっかりナマモノ初挑戦。
イ非イ憂 境雅入氏と上ノリ鷹也氏の多分ギャグ。
人様が見聞きした情報と某缶コーヒーCMネタで構成されております。
このタイミングのダメさにはもう自己嫌悪を通り越して笑いがw…orz

372姐さんスミマセン!

こんな仕事をしていれば、知り合いの声がテレビから聞こえてくる
なんてことは日常茶飯事で、別段取り立てて驚く事でもない。
それでもその日、時計代わりにつけていたテレビから聞こえてきた声に
思わず体の向きが変わったのは、この数カ月、自分がその声をあまりに
近くで聞きすぎていたからだろう。
咄嗟に踵を返し、駆け寄ったテレビの前。
流れていたCMはどうやらロングverだったようで、後半に差しかかっていた。
画面に映っているのは某缶コーヒーCMのシリーズ前作から出演している
大御所俳優と、その声の人。
役柄はどうやら大物政治家の有能秘書らしい。
内容的には笑えるものなのだが、ついつい固唾を飲んで見てしまい、
終わった瞬間はぁっと深い息が漏れる。
そしてそれと同時に唇をついた言葉。それは、
「上ノリさん、ドS…」
そんなものだった。

某有名劇団の秋公演に参加して、稽古も入れれば早2ヶ月。
公演は後半戦の大阪に劇場を移し、連日好評の中上演されていた。
基本的に遠征になる客演キャストはその劇場に併設するホテル泊まりに
なるので、朝の準備等には若干の余裕が出来る。
だからゆるゆると身支度を整えながらも、今自分の頭の中にあるのは
先程見たCMの事ばかりだった。
出ていた声の主は、まごうことなくその今出演している舞台の主演様だった。
年は10まではいかないけど自分より上。
演技力には定評があり、実際目の当たりにしたその技術、体力の安定感は
素晴らしく、その人柄は業界内でも真面目、ストイック、好青年の大合唱。
これまで飲み会などでのニアミスは多少はあり、役者として同じ道の先輩として
なんだか勝手に親近感を抱いていた人だったのだが、その心証は実際今回の
意外ですらあった初共演の場でも揺らぐ事はなかった。
しかし、
それでもがっぷりよつに組んで仕事をするとなると、それまで見えて
いなかった人の面と言うのも見えてきたりする。
そこからついつい零れる感想。
「似合いすぎです、上ノリさん。」
それは先程見た、良く言えば冷静沈着、言い方を変えれば冷血そうな
秘書姿についてだった。

いや、とてもいい人なのだ。
仕事には真剣だし、基本的に朗らかだし、頼りがいのあるお兄さん的な存在で
間違いはないのだ。
しかし、それでも……その人は時々違う面を自分にのぞかせる。
思わず遠い目になって思い出してしまう、あれは東京公演中の自分の誕生日。
終演後のカーテンコールでケーキが登場し、自分はその場でコメントを求められた。
予想外のことだったので驚きはしたもののうれしかったし、それはそれで良かった。
しかし事件はその半月後に起きた。
東京千秋楽日。同じく誕生日を迎えた役者に出されたケーキのハプニングに対し、
鋭く入るその人のツッコミに、ノッてるなー座長とホケホケ笑っていたら、
なぜか誕生日当人達の挨拶の後、唐突に自分にまでコメントを振られてしまった。
えっ?と驚き、なんで?!と慌てながら、それでも必死に何か言おうと
言葉を発した瞬間、
『本日はどうもありがとうございましたー!』
ものの見事なぶった切り。
あの瞬間、思わず『ひどいよー!』とその人を指さしてしまった自分に
罪は無いと思う。
あげくそのまま下がった舞台袖で笑いながら自分を迎えた周囲の言葉は、
『遊ばれてるねー。』
明るく言い放たれ、思わず『僕、何か悪いことしましたか?!』と泣き言めいた
事を口に出せば、それにすでに以前彼の人と何度か共演し、その人となりを
知っている人達は皆口をそろえてこう言った。
『あー、大丈夫大丈夫。上ノリ君って嫌いな人にはあんな酷い事しないから。』

それは、どう受け止めればいいのかかなり悩む言葉だった……

はぁっと自覚の無いため息が口をついた瞬間、テレビの方角からまた同じ声が
聞こえ、反射的にビクッとする。
大手会社のCMだから頻繁に流れているのか。
しかしそうして視線を向ければ、そこで展開している映像やセリフは
先程見たものとは少し違っているようで。
もしかして幾つかverがあるのだろうか?
気になればそれは止めようがなくなった。だから、
「マネージャー、パソコン持ってきてたよな。」
最近はHPにCM動画を上げているものも多い。
世の中便利になったもんだと荷物を手に部屋から出る、その言い方がかなり
若人らしくないと言う自覚は、実はあまり無かった。

この劇団は毎日本番前に殺陣のおさらいをする。
そうしなければならないほどの量と複雑さなので、怪我をしないよう皆真剣で、
実際自分が劇場に着いた時には、座長たる人はすでにウォーミングアップの
段階に入っていた。
「おはようございます。」
声をかければ、
「ああ、おはよう。」
Tシャツとジャージ姿で柔軟をしながら返事を返してくれる。
床にペタリと座り込んで前屈。その背後に自分は近付いた。
膝を床につくような形で腰を下ろし、話しかける。
「あの…CM見ましたよ。」
少しためらった後、それでもやはり口にする。
するとそれにその人は一瞬キョトンとした目でこちらを見てきたが、何を
言われたのかはすぐに察したようだった。
「あ~、あれか。OAされだしたんだ。」
「面白かったです。」
「そう?それはどうも。」
サラリと、しかし笑顔で返され、ついこちらの口角も上がってしまう。
こうなってしまうあたり、なんだかんだ言いながらもやっぱり自分は
この人に好感を持っているのだと思う。
だから知らず饒舌になってしまう。
「一気に4パターンもあるんですね。」
「えっ?」
「パソコンで見ました。僕あれ好きです、カンキョー編。」

後からよくよく考えてみれば、そこまで熱心に人の仕事内容を知ろうとした
相手に何か思うところが生じるのは、至極当然の事だったかもしれない。
しかしこの時その人は自分に対し、とても大人な対応をしてくれた。
「おっしゃるとおり、です?」
再び柔軟を始めながらそのCMに使われていたフレーズを口にされ、
思わず楽しさがこみ上げる。
だから調子に乗り、自分も同じように覚えていたそのCMのフレーズを
口にしていた。
「CO2の量減りますね。」
「おっしゃるとおりです。」
「地球環境の問題も解決ですね。」
「おっしゃるとおりです。」
「上ノリさん、東京千秋楽で僕の言う事まったく聞いてなかったですよね。」
「おっしゃるとおりです。」

グサッ

あれ?今胸のトラウマに何かが刺さった気がする。
咄嗟に無意識に片手を胸に当て、もう一方の手を床についてガックリ
四つん這いになった自分に、その人が隣りから?と怪訝そうな目を向けてくる。
そしてその時、そんな自分達の背後を通りかかった誰かが面白そうに一言。

「境君って、もしかしてドM?」

トドメの一撃は見事、無防備な背中を刺し貫いていってくれた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

カンキョー編、早くテレビで流れないかな~

と言う訳であらためて>>372さん
萌えました!髪が真っ白になった後に全部抜け落ちました!!w
ステキにエロイ読後の余韻、ありがとうございました~


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