再結成前夜
更新日: 2011-04-25 (月) 09:00:07
生、キスあり注意
一角獣
太鼓鍵盤
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「んで、話って?」
お決まりの再結成って言っても、絶対首は縦に振らないから、新しいものを創るってニュアンスで話しをする。
「うん、いいよ」
あっさりオッケーでずっこけそうになった。
「なに」
「いや、あっさりしてんね」
「そう?」
楽しそうだと笑う彼の笑顔に、胸が締め付けられて苦しい。彼が俺の顔を覗き込んだ。
「……具合悪いの?」
違う、そう言って笑いかけると彼は微かに眉を寄せた。
「嘘つかない」
「いや、具合は悪くないんだよ……店、出ようか」
俺が席を立つと彼は無言のまま立ち上がって伝票をつまんだ。ありがちな、おごる、おごらないのやり取りをして、結局ここは彼が出した。
「さて、どっか行きますか?」
ウロウロ辺りをうろつく。どちらとも無く手を繋いだ。いい年した男二人が、仲良く手を繋いでウロウロ……何してるんだろ、俺達。
いつの間にか紛れ込んでいたのは……ホテル街。どう見たって、ホモカップルにしか見えない状況に慌てる。
「どうしたの?……あー、ホテルだらけだねえ」
気の抜けた彼の声に、慌ててる自分がバカバカしくなった。
「なんでそんなのんびり構えて……」
「入ろっか?」
「へっ?」
マヌケな俺の顔に、自分の顔を近づけて、彼はキスのまね事。真っ赤になった俺の顔に笑いかけて一言。
「嫌じゃなければ」
……まじ?言葉が出ない俺を見て彼が自嘲の笑顔を浮かべた。
「あー、嫌か、嫌だよねえ……」
「……じゃない」
「え?」
「い、嫌じゃ無い」
何を言ってるわけ、俺。彼の顔が一瞬泣き笑いのように歪んだ後、いつもの笑顔に変わる。
「冗談だよ、そんな顔しないの」
繋いでいた手を解いて、彼は俺の頭を撫でた。
「駄目でしょ、そんな簡単にひっかかったら」
まったく、そう言った後彼は俺の手を引っ張って少し暗い所へ。強く抱きしめられた。
「心配……させないでよ」
彼の唇が俺の唇に触れた。耳に流れ込む鼓動の速い心臓の音。唇の感触は嫌ではなく、離れると堪らなく寂しい。
「ごめん」
「謝らないでよ……嫌じゃ無かったから」
俺から、ねだってもいいのかな。彼は俺から視線を外して前を向いた。
「帰ろっか」
「うん……ね、も一回だけ」
彼は振り返り、嬉しそうに笑った後、俺を引き寄せてキス。舌が口に滑り込んできた。舌を絡めあう音が、喧騒に紛れて微かに耳に届く。唇が離れた。
「好きだよ……!俺何を……」
彼の口から出た言葉。それを言った事に戸惑っている彼の顔。好きだよ、俺も。心の中で呟いた。
「忘れて欲しいんだったら忘れるよ」
俺の顔を見て、彼は首を横に振る。
「いや、忘れなくてもいいよ、なあ……」
彼は首を横に微かに振って続けた。
「なんでもない……帰ろう」
手を繋いだ。さっきとは違って、はっきりした意志の元で強く手を握る。言葉に出さない思いを込めた。伝わってるといい、思いを言えないって辛いこと。でも、言わない方がいい事もあるのを知っている俺達。また、音楽を一緒に出来る……それだけで満足しなきゃ、ね。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
一年の色々を読み返したら、うっかり萌えたんで書いてみた。キャラが微妙でスマソ
最近だからなあ、太鼓鍵盤きたの…惜しいことをした
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