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五島P×Hello寝技師

初投稿。生に限りなく近い半生。鯨人。
赤劇場のコソトから、五島P×Hello寝技師です。
五島P視点。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

遠くからぼんやりと、舌ったらずなあいつの声が聞こえてくる。
それが段々とはっきりとしたものになり、俺は転寝から目を覚ました。
さっきまですぐ隣りで横たわっていたはずの寝技師は、俺に丸めた背中を向けて
ベッドに腰掛け、携帯電話で誰かと話している。

「ごめんな、今日も仕事で遅くなるんや」
その優しい口調で、誰と話しているかは容易に想像がついた。
何度か見たことがある。あの、眼鏡の少年や。

「そーいち。早く先に寝ててええからな。……せやな、そーいちはええ子やな」
自分の息子に受話器越しに語りかける寝技師の背中に、俺は気づかれないように
ゆっくりと近づいていく。
「明日は一緒に遊園地でも行こ……っぁ…!」
後ろからそっと耳を舐めると、寝技師は肩を震わせて声を詰まらせた。
手にしている携帯電話から、どーしたの?という少年の声が漏れる。
とろんとさせた目で振り返る寝技師に、俺は余裕でにっこりと微笑んでみる。
「……っ。そろそろ収録始まるから切るで」
半ば強引に携帯電話を切った寝技師の首に後ろから絡み付き、
もう一度耳元に顔を近づけた。

可愛い嘘つくんやなぁ、寝技師ちゃん。こーんなホテルで収録なんてせぇへんで」
「ホンマやめてくださいよ。息子と話しているときに…」
「そのやめてくださいもフリとちゃうんか」
からかってけらけらと笑う俺に困ったような顔を向け、寝技師は立ち上がり、
床に散らばった服に手をかけた。
まだ全く帰る気の無い俺はそのままベットに寝そべり、
ジーンズをもたもたと履いている寝技師を見上げる。

「なー、寝技師ちゃん」
「なんですか」
気の抜けた返事だ。こっちも見ずにシャツを羽織りながら答えている。
「もう終わりにしよか、こんなこと」
シャツのボタンにかけた手を止めた寝技師は、え…と呟いて驚いたように俺を見下ろす。
「なんや、そないビックリして」
「なんでですか、突然。終わりって」
「だって寝技師ちゃん、なんかかわいそうになってきてな。
 やめてあげた方が、息子とも遊べるやろし、俺も心おきなく番組に若手を使えるしな」
「ちょっと待ってくださいよ」
おおっと、出たで、持ちネタが。でもいつもの明るくふざけた口調ではなく、
低いトーンで張り上げたその声に、さすがの俺も少し面食らう。
「なんでそんな事言うんですか。俺、これからも五島プロデューサーのためならなんでもします。
 だから、……そんなこと言わんとってください」
そう言ってベッド脇に立ち尽くす寝技師は、真剣な顔つきで俺を見下ろしている。
それは、普段カメラの前では決して見ることのできない、俺だけが今この瞬間目にできる顔だ。

「……真面目やなぁ。寝技師ちゃんは」
俺は上半身だけ起き上がり、傍にあった寝技師の手をひっぱった。
バランスを崩してベットにもたれかかった寝技師の顔に、自分の顔をぐっと近づける。
目と目が至近距離で数秒見つめ合う。いやむしろ、睨み合う、に近い。
「そない仕事が欲しいんか」
寝技師は何も答えず、ただじっと俺を見つめている。
その懇願するような目に、いらいらにも似た欲情が沸き上がる。
俺はできるだけゆっくりと息を吸ってから話す。
「……冗談や。気にせんでええ。年末の特番に使うのもお前や」
「ありがとうございます」
小さい声でそう答えると、寝技師はほっとしたように口元を緩ませ、また立ち上がろうとした。
俺はそれを阻止するように、がっちりと腕を掴み、自分の元に引き寄せる。
「だから、もうちょっとつきあってや、寝技師ちゃん」

お前がこうして毎晩のように俺と一緒にいてくれるのも、番組の為。
そして何よりも、あの少年の為、か。
いつか、仕事なんか抜きで、こうして、お前と……
……なんて贅沢は、一生言えそうも無いな。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
キャラ捏造激しすぎてごめんなさい。関西弁テキトーでごめんなさい。
2/3の最初に 「 を付け忘れてごめんなさい。


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