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真ゲッ夕ーロボ対ネオゲッ夕ーロボ

256-259の続編。ゴウ受のつもりなカプ未満。子どもを取り合う大人二人な話。
今週の某ゲームが出たら頭が新ゲ一色になりそうなのでその前に書けてよかった。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

その日、これから遊びに行くというショウとメリーの二人とゴウは少しだけ話をしていた。
「大体、俺らあれだけ戦ったりしてるのにそんな所で遊んで楽しいか?」
「ソレはソレ、コレはコレ。バトルとはチガウノ!」
遊園地の魅力を元気一杯楽しそうに語るメリーに対して、ゴウの反応は薄い。
「戦闘は遊びじゃないんだ。ジェットコースターと一緒にするな」
「一緒にするなって言われてもよ、俺ジェットコースターなんて乗った事ねーし」
「そうなのか?」
「5年前に一人になっちまったからな。そんな余裕ねーよ」
前のゲッ夕ーチーム解散の原因にもなったあの戦いの裏で、ゴウの両親は死亡した。
それから一人、今となっては寂しいなどと弱気な事は考えなくなったが、色々損をしてきたのだろうとゴウは思う。
リョウマに言わせたら17なんてまだまだ青春できるらしいが。
二人を暗い雰囲気にしたいわけではないので、誤魔化すように笑ってゴウはすぐにその場を離れた。
「遊園地か。ちょっとは興味あるけど、一人じゃなあ……」
なんて、ちょっと前には暢気に考えていたのに。

「で、この前のあれはどういう事なんだ?」

何故こんな二人っきりでハヤトに問い詰められないといけないのか。
勘弁してくれよ!こっちはがんばって前の事なんて覚えてませんって振りして返事してるのに空気読めよ!とゴウは口に出せない怒りを内心で叫びまくった。
「あー、だから……うー」
「何だ、言えないような事なのか?」
言えない事だから逃げたんだろうが! 分かれよ!とばかりにゴウは睨むが言うまで許さないらしくハヤトの態度は変わらない。
そんな時。
「遊びにきたぜー!」
場違いな笑顔でリョウマがノックもなしに部屋に入ってきた。
おお、救いの神……
「お、ゴウ。昨日はどうしたんだよ、急に帰っちまってさ」
じゃなかったー!! この悪魔め、話蒸し返すなよ!! 一瞬でも喜んでしまった自分が憎い。
形勢絶対不利。ゴウはまた逃げ出したくなったが、それを分かっているのかいないのかリョウマはドアの前から動かない。
「昨日? お前の所でも何かあったのか?」
「ん、いや……ちょっとした事だぜ?」
「俺の方では昨日ゴウが茹で蛸のように真っ赤になった」
「え、お前のとこでもか!?」
細かく言わなかったリョウマにゴウが感謝をしたのは一瞬だけだった。
口に出さずとも意見が一致した事を理解したハヤトとリョウマの二人掛かりの尋問に、ゴウはすぐに屈した。
「えっと、だからその……は、恥ずかしかっただけだよ!! 何度も聞くなよな!!」
昨日の事もあってとにかく照れくさくて近付かれるだけでも正直辛い。
でも本当の事を言う訳にもいかず、結局子ども扱いが恥ずかしいという外れてもいない理由を言う事でゴウは漸く二人から解放された。
「何だよお前、かっわいーなあ!!」
うりゃうりゃとリョウマは調子に乗ってゴウの頭を撫でまくる。
「だから子ども扱いするなっての!!」
そうやってすぐにムキになるところが可愛くて、真っ赤になって怒っても意味がないのだと二人ともゴウには教えてやらない。
困った子どもを見守る親のような二人にゴウも怒っても仕方ないと暫くして理解し、いつものように会話を始めた。
今日の話題は娯楽。ショウたちが遊びに行く事を思い出して、ゴウから出した話題だった。
「俺もどっか遊びに行きたいけどショウは女だからさ、二人で一緒に遊びに行くってのは無理だろ?
ガイだと食べ歩きになるしさー。俺だって食うのは嫌いじゃねえけど、ガイ程食わねーし」
自分以外のゲッ夕ーチームの二人。二人で出かけると考えると相手が女と大食い男しかいないのでは選択肢はないに等しい。
「じゃあ俺と一緒にどっか行くか? 偶には遠出もいいよな」
「へ? や、別に遠くじゃなくても」
「今のところすぐに出撃って程の事態はないだろ。
近くぶらぶらするのなんて何時でもできるんだしよ。一泊でもいいし、少し遠くで遊ぼうぜ」
笑顔で誘ってくるリョウマに道場の弟子とかどうするんだと当たり前の事を聞こうとすると、心配するなとばかりにゴウの頭をぽんぽん撫でてくる。
調子に乗るなと怒りたくなるものの、そうされて悪い気はしないのだから始末に負えない。
「俺は仕事が溜まってる誰かさんと違って、ちゃんと計画的にやってるからな」
今は手が止まっているが机の上には書類の山。どういう状態なのかは一目で分かる。大きな戦いが終わったとはいえ、軍の大佐であるハヤトの仕事は減るものではない。
「……リョウマ、お前性格悪くなったな」
「そりゃ年取ったからな」
「俺と同い年だろうが」
同じ5年のはずなのにお前は元気そうだなあと言うハヤトの恨みがましい目をリョウマはさらりと無視した。
「んでどこ行きたいんだ? 俺も最近そんな遊んでねーから言っておいてなんだけど詳しくないんだよな」
「俺もそんな詳しくねーけど、色々あるだろ。ほら、ゆ……」
遊園地とか、と言おうとしたゴウだったがその瞬間普段では考えられない程の凄まじいスピードでその発言後の結果を考えて思い止まった。
まずいまずい。遊園地なんて思いっきり子どもの発想じゃないか。また子どもだとバカにされる。
大体、男二人で遊園地なんて考えなくても異常すぎる。遊園地はちょっと行ってみたいがここで選ぶのはまずい。
そんな事を考えて、でも言ってしまったゆの後に続く言葉をどうしようかとゴウは頭を捻って考えた。
「ゆ……雪、とか?」
「雪? スキーとかか? それだと……」
「ちょっと待て」
「お、ハヤトさんからのちょっと待ったコール!」
「リョウマ、ふざけるな。……今の時期、急に行っても泊まれる場所などそう簡単に見つからんぞ」
「俺、野宿とかでも全然平気だぜ?」
ゴウ、お前はそんな事だから山猿扱いされるんだとハヤトは心の中でツッコんだ。
「俺の部下になった以上、例え休暇中でもそのような行動は絶対に許さん。リョウマ、お前もだぞ!」
「分かってるって。俺もう大人だぜ!」
何を言う、俺も全然平気という顔をしていたくせに。言うと話が進まないのでハヤトはまた心の中でツッコんだ。
「ゴウ、お前がよかったらサオトメ博士たちと一緒に遊園地に行かないか?
みちるさんと元気を連れて遊びに行く予定を立てているので、一緒にどうかと誘われているんだが」
「え、マジ!? 行く行く!!」
ハヤトからの思わぬ吉報にゴウは当然目を輝かせて飛びついた。
反対にリョウマは訝しい点があったので眉を顰めたが、ゴウが喜んでいる事もあってこの時点では発言を控えた。
「リョウマ、俺だって今日聞いたばかりだなんだ。そんな顔するな。
大体、俺は無理と決めつけて何も聞かずにお前たちだけで話を勝手に進めるからだろう?」
「あ、でもよく考えたら俺そんなに博士たちと親しくないぜ? それなのに行ってもいいのか?」
思えば真ゲッ夕ー起動の時もろくに話せず、かといって帰った頃にはこちらも疲れていて結局それから手続きやら研究所の建て直しやらで全員忙しくなってしまってそれきり。ほとんど初対面と言ってもいい。
「別に気にする必要はないぞ。あれから色々あって研究所でゆっくりする機会もなかったから、
お前が博士と話せなかったのも無理はない。博士もお前と一度話してみたいって言っていたから、良い機会だろう」
くしゃりと頭を撫でてハヤトが優しく笑うので、ゴウはもう頷くしかない。
「それじゃ、予定が決まったら一番に教えろよな!」
照れ隠しに大きな声でそう言うと次にゴウはリョウマの方を向き、おっさんとはまた今度な!とだけ言ってさっさと部屋を出て行ってしまった。

「で、どういう事なんだ?」
「どういう事とは?」
リョウマは二人きりになってすぐにハヤトにさっきの話について問い質したが、ハヤトは涼しい顔をして流すだけ。
遊ぶ話を邪魔された事もあって、苛立ちを隠さずにリョウマはハヤトを睨みつける。
「ふざけるなよ。お前、俺が山奥の洞窟で熊と一緒に住んでいるとか思ってないか?」
「お前ならできそうだな」
「できるか! お前にも博士にもちゃんと連絡先教えただろうが!
お前に話した遊びの予定を博士が俺にも言わないはずはねえ。俺だってゆっくり話してないんだからな。
誰かさんが自分で計画したんだろ~? あいつの行きたそうな場所までチェックしてさぁ」
お前の行動なんて全てお見通しだとにやにや笑うリョウマ。
5年間離れていたとはいえ以前と変わりないリョウマにハヤトは少し複雑な気分になり、溜息をついた。
ゴウはリョウマに似ている事もありショウやガイと違って気軽に話したり格闘訓練を一緒にしたりするが、年齢や階級の差もあってこちらを大人として見ている。リョウマとはやはり違う。
この5年間自分と肩を並べられる者はいなかった為、対等なやり取りを懐かしく思う事はあった。
それだけに今回の再会を嬉しく思う気持ちは強いのだが、ゴウに関しては自分がこれまで面倒を見てきたのでハヤトとしては例え相手が誰であろうと掻っ攫われるのは気に入らない。
本当はリョウマの所にも遊びに行かせたくないのだ。ずっと手元に置いておきたい。
しかしゴウにとって頼れる大人である為に、ハヤトは彼の前では本心を隠す。
「……可愛い部下の情報を把握するのは上司として当然だと思うが?」
「開き直りやがって。おっまえ、性格悪いなー」
「年を取ったんでな」
「このやろ、俺と同じ事言いやがって」
リョウマとしてもこんなやり取りは久しぶりで、懐かしくて嬉しい。
ハヤトとの間に新しく入ってきた存在はいなくなったムサシとは全然似てもいないのに、あの頃と同じように俺たちは笑っている。それが不思議で、だからこそもっと近付きたいと思う。
イチモンジゴウという存在がナガレリョウマにとってどういうものになるのか、確かめたい。
「それにしても、ゴウの奴何で俺と一緒に行くって選択肢に気付かないんだか……。
当然、遊園地には俺も付いて行くからな。んで、ホテルじゃ俺があいつと同室な」
「何を言ってる。そんな事許可できるか」
いくら博士の救出という恩があってもそれとこれとは話が別だと、ハヤトの目付きが厳しくなる。
「いいじゃねーかよ。お前は仕事で何時だって会えるけどよ、こっちは偶にしか会えないんだぜ?
そっちは素直に尊敬されてる上にジンさんとか呼ばれてさあ。
俺なんてお前と同い年なのにおっさんとか呼ばれてるんだぞ。そろそろ段階上げてもいいだろうが」
「リョウマ、同室で何する気だ?」
「な~に想像してんだよ! リョウマさんとかで呼ぶようにしてやるってだけだろ」
「こいつ!」

そんな言い合いは博士からのゴウと同室希望の電話がくるまで続いた。
博士がゴウと話したがっていた事は知っていたハヤトはすぐに納得したが、リョウマはタイミングの良すぎる電話を少し妙だと思ったが博士の頼みを断るわけにもいかず渋々納得。
その少し前、二人の言い合いを耳にして呆れたガイが別室で博士に電話した事を知る者はいない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
前回のでゴウが可愛いって思ってくれる人がいたので嬉しかったです。
GCは何でWiiに移植してくれなかったのか。


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