Top/52-223

一方通行

 ____________
 | __________  |  竜の1994→02だってさ
 | |                | |   当然ながらエロもないし恋愛色もナシ
 | | |> PLAY.. .      | |  
 | |                | |           ∧_∧ ぶっちゃけると…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 本命は0602なんだ…
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | 勢いにまかせた。
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | 変なトコあったらゴメン
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

青いコアラは微動だにしない。
その人をなめくさった表情のまま動かない。
青コアラのの視線の先には背番号2。

その背番号を持つ彼は人当たりがよさそうに見えて実はそっけなかった。
いや、青コアラに対してだけかも知れないけれども。

実際同じマスコットのはずなのにあのメタボなツバメとは仲良くしている。
あのおなかをぽっこんと叩いている所も見たことがある。
バッグを貰った 等と微笑ましい交流までしていたりもする。

注目を浴びることが好きな青コアラは
彼の注目が自分に向かない事に少しだけ不満を感じていた。

どうにかして彼にこちらを向かせたい。
さあ俺を見ろ!といわんばかりにアピールしても無表情でスルー。
背後で投球モーションを真似しても全くいじられない。
寧ろ視界に入っていないんじゃないかと思う程だ。

彼と仲のいい31番はまあしょっちゅう相手してくれるし(いじめ的な意味で)
彼とコンビを組む6番も稀ながらいじってくれるのに(いじめ的な意味で)

優勝した年の特番でほぼ初めて面と向かって「弩荒」と名前を口にされた時
本を受け取って「有難う」と言われた時、青コアラは感動に震えた。
その後彼に解答フリップを投げつけられ、彼の相方には本を投げ捨てられたが。
あれはスベった自分へのフォローだったんだと後になって気付いた。

いつだったか自分に米俵を渡してくれたこともあった。
丁度そこに居たからとりあえず渡しておいた という選択肢は消しておく。
その時は獲ったどー!と心で雄たけびを上げ、米俵を高々と上げておいた。

よく考えれば番組で一緒になる機会はたくさんあったのに
居の上さんたちと一緒だったあの時も2、3度冷たい視線を頂いた位だ。
というか基本こっちを見てくれなかった。
思いっきり隣に居たはずだと青コアラは記憶している。

そんな事を考え初めて5分。
未だ青コアラは微動だにしない。
動かなくても誰も気にしないのだが、その姿はあまりにも不気味だった。
次の瞬間尻尾をぽるんと触られる。
きゅんっと内股になり肩をすくめるリアクションを取った後
慌てて振り返ると背番号6が歩いていくのが見えた。

居畑だ。

すかさず腰をくねらせ文句を言うように指を指す。
その後自分の尻尾を追いかける犬のようにくるくると回ると
青コアラはやれやれと言った様に両手を挙げ
ドーム内を無意味に指差し確認し始めた。

照明、カメラ、スクリーン、打球の行く先、そして背番号2。

青コアラがよく見かけるのは後ろ姿。もしくは横顔。
前に回ればいいじゃないかと思うだろうがそれが出来たら苦労しない。
ジブンだって色々考えてるんですよね。とふんぞり返ってみるがすぐにため息に変わる。

下手に視界に入って近づいたらガチで嫌われる自信がある。
しかしエンターテイナーである青コアラにとっては仲良くなれない選手が居るなんて許せない。
他チームならともかく自チームだ。

そんな事を言いつつも
背番号3番のあの方には何故か恐れ多くて近寄れない青コアラだけれど。

やがて練習を終えて選手がぞろぞろと帰ってくる。
几帳面な粗木は自らボールを集めて籠に戻していた。

今がチャンスだ。

さささと気色の悪い動きで彼に近づく青コアラ。
ボールを拾って軽くぽんと放り投げるその後姿を見つめる。
青コアラは足元に転がるボールを拾った。
いつものように、守乃に絡んでいく時みたいに気楽にすればいいんだと思えば思うほど緊張する。

中々動けないでいる内に、目の前の粗木が振り返った。
試合じゃない時は開いてるか開いてないかわからない、と
自分で言っていた彼のぼんやりとした瞳が少しだけ驚いたように見開く。

彼の目は不思議だと青コアラは思う。見るタイミングによって印象が変わるのだ。
二重でぱっちりとしている筈なのに鋭い印象を持つその瞳は
ある時は眠そうに閉じかけているが、試合中はギラリとした光をたたえ見開かれる。

青コアラはどの顔もしっかりと見たことはなかったが、その時確かに感じた。
試合中の目ともまた違う素の表情。

その事を認識したとたん青コアラのテンションは一気に上がった。
がここで調子に乗ってはいけない。
こんな至近距離でいつもの不審な挙動を見せてはいけないのだ。
微笑を浮かべたまま…まあ常に笑顔なのは当然だが、彼にボールを渡す。
それを見た粗木は目を見開いたまま軽く首をかしげた。
そしていつものように鼻の下をぐっと伸ばしてきゅっと唇を引き伸ばす。
これは彼の癖。

受け取ったボールを手で器用に回転をつけながら放り、キャッチすると
青コアラに向かって投げるような構えを見せた。
ぼんやり眺めていてリアクションが遅れたが、慌てて顔を手で覆う。

が、いつまでたっても硬球の衝撃は来ない。
そっと目を隠していた手を解くと、粗木はこちらを見て笑いながらボールを籠に放り
青コアラがしていたように指差し確認をしながらベンチに戻り、更に奥へと引っ込んで行った。

今、何が起こったんだろう。
笑いかけてくれたのは夢じゃない?
いじってくれたのは幻じゃない?
嫌われてるわけじゃない?
抑えていたテンションが再びじわじわと上がってくる。
足を蟹股に開き、手で球体を作りながら地面から何かを沸き立たせるように震わせると
渾身の力を込めて両手をドームの天井に突き出した。

嫌われてる訳じゃないーーー!!

波動でも出しているのかという様子の青コアラの頭に
31番をつけた悪魔が硬球を投げつけるのはその3秒後だったという。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |       反省はしていない。
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 実際02は多分普通に興味ないんだと思うwww
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) そのほうが逆にハイタッチとかした時にぐっとくる。
 | |                | |       ◇⊂    ) __  二人が絡むの新鮮だよね。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | ありがとうございました。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP