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エフェクティブ・ラバー・マネジメント

関西ローカル「よーい○ン!」、青空無罪(現・青空敗訴)出演の回を視聴した折の偶作。
誰が読みたがるのか知りませんが、懐かしのコンビ、青空有罪・無罪で有罪受です。
著しく劣情を刺激する描写はあまり含みませんので、ビビらないで下さい。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

エフェクティブ・ラバー・マネジメント Edit

 「その時、橋下さんとロケに?」
 「ええそうなんです。『ホルモン焼きのホルモンっていうのは、実はれっきとした日本語なんです。関西弁で“放(ほ)るもん”つまり、捨てる部分という意味なんですね』と、結構普通のコメントしてましたよ」

 「あの場で他にどういうコメントを期待したんだよ」
 TVの画面に向かって、昔、二人で取材に行った時の懐かしいエピソードを話している「相方」に華麗なツッコミを入れる。ご存じ、有能な法律家にして、今を時めく現・大阪府知事、青空有罪である。
 お互い超多忙な中、どうにか時間を調整してやっと実現することができた数ヶ月ぶりの逢瀬の翌朝。上半身裸のまま、副交感神経全開でベッドに横たわり、先日録画しておいた関西ローカルの番組を鑑賞している所だ。
 「『能や狂言が好きな人は変質者だ』的な」
 台所でフレンチトーストとベーコンエッグを作っていた、同じく有能な法律家、青空無罪は、エプロン姿のまま、出来上がった朝食をこちらに運んで来る。衣服はちゃんと着けた状態でエプロンをしているので、読者諸姉は無駄な期待をなさらないように。
 有罪は頭を抱える。
 「ヒール時代の失言は忘れてくれよ。ただでさえツンツン突つかれどおしなんだから。ああいう過激さが売りもののトーク番組では、多少の役割分担はするものだろ?」
 「どこが失言なんだい?全く同意見だけど」
 無罪はエプロンを外して椅子に掛け、優雅な所作でオレンジペコを淹れ始めた。
 「本性現しましたねーゲシロさん。なんかほんと、あなたってズルイよ、色々と」
 「何がズルイのさ?」
 聞き捨てならないなという風に、ベッドの側まで歩いて行って、腰に手を当ててみせる。
 それには答えず、寝っ転がったまま、両腕をいっぱいに伸ばして抱擁を乞うおん年四十のオッサン、青空有罪であった。
 「なあ、英輝ぃ~」
 鼻にかかった声で呼びかけられ、溜め息をつく。
 「エッチなら夕べ、腰が抜けるほどしたのにまだ足りないの?冗談じゃない、ツンツン突つかれたくらいで参るような玉かよ」
 「ぼくはいつも、精いっぱい虚勢を張ってるんだよ。知事になってからは、前みたいにビジュアル的な戦術が取れないから余計にね。ほんとは傷つきやすい、繊細なハートの持ち主なんだ。長いつきあいなんだからわかるだろ」
 有罪はしゃあしゃあと言いながら、一瞬の隙を衝いて無罪をベッドに引きこみ、組み敷いた。手際よくカッターシャツを脱がせ、スキーで鍛えられた若々しい肢体を露にする。
 暫く、有罪の戯れるようなキスと愛撫に身を任せていた無罪は、俄に体勢を逆転させ、有罪を抱き竦めた。耳朶を甘噛みしながら囁く。
 「ぼくがみんなにバラしたらどうする?九百万府民を束ねる敏腕知事閣下が、ベッドで八代英輝に抱かれる時にはこんなに甘えん坊だって」

 「あーあ、トーストもベーコンエッグも紅茶も冷めちゃったねー。折角美味しくできたのに」
 有罪に腕枕をしてやりながら、無罪が残念そうにテーブルの上を見遣る。
 「またあっためたらいいじゃないか。続きー」
 諦め悪く腕を巻きつけてくる年下の恋人の顔にぱふっとクッションを押しつけて、無罪はベッドから滑り降りた。その背中に、有罪が不服そうな声をかける。
 「昔に比べて、こうして一緒にいられる時間も激減したっていうのに、つれないな」
 無罪は微かな胸の痛みを覚えながらも、敢て冷静な口調で答えた。
 「嫌なら政治家なんかにならず、ずっと芸能界で馴れあってればよかったろ。そうじゃなくても、お互い妻子持ちで、おまけに有名人なんだし、普通の恋人どうしのようにいくわけないってことはわかってて始めた関係じゃないか」
 「そりゃそうだよ。でも・・・・」
 曾て、「茶髪の風雲児」と呼ばれた男は、ベッドの上に身を起こした。
 「・・・・なんか、淋しいねん。孤独やねん。うちに帰ったらカミさんや子供はおるけど、でも・・・・時々思うねん。トップになんかなるんやなかったなって」
 いつもの負けん気の強さはどこへやら、歯切れ悪くそう言って、サングラスをしていた頃には全くわからなかった、意外とつぶらな瞳で無罪を見つめる。
 その視線にぶつかると、何となく冷淡に突き放せないものを感じ、無罪は仕方なくベッドへ引き返した。両手で頬を挟み、顔を覗きこむ。
 「徹、君のことを嫌う人も、親の仇のように貶す人も掃いて捨てるほどいる。時には身の危険すら感じることもあるだろう。ぼくも正直、君のやり方、考え方が全て正しいのかどうかはわからない。
 でも、大阪府民は君を選んだ。大阪は、いや、変わり目を迎えたこの国は、今、確かに君を必要としているんだ。泣き言言っててどうする。もっと強くならなくちゃ」
 有罪は神妙な表情で無罪の言葉に聞き入っていたが、やがて、少年のような顔でニチャッと笑ってみせた。
 「わかった。英輝がもう一回してくれたら、また明日からも元気で働けるわ、俺」
 「えっ。そんな・・・・」
 無罪はしまったと思う。どうやら、お人好しの自分は、海千山千な有罪の謀略にまんまとハマってしまったようだと気づくまで、それほど時間はかからない。
 「これがあんたの言う、『エフェクティブ・タイム・マネジメント』ってやつやろ?八代センセ」
 有罪が勝利の微笑みを浮かべて、小首を傾げてみせる。言っていることは無茶苦茶なのだが、自信たっぷりに言うので何となく納得させられてしまう。そんなものである。これにマスメディアの力が加われば、愚民ども、じゃない、一般大衆を意識操作するなど、赤子の手を捻るように造作もないことだ。著作物にわかりにくい英語のタイトルを付けて失敗する、どこかのアメリカナイズ(笑)された国際弁護士とはわけが違うのだ。気をつけなければならない。
 無罪はふと考えこむ。
 「そうだなあ。時間がある時には、みっちり衆道を勉強しておくのもいいかも知れない。お互い、どこぞの美形で高学歴な小悪魔がフェロモン全開で迫ってきても、うっかり惑わされて手を出したりしないように」
 「何の話?」
 「え?ぼく何か言ったかい?」

 「まだ聞いてないような気がするな」
 無罪の腕の中で、漸く満足した有罪がぽつりと言う。
 「何が?」
 「いつ、俺に惚れた?」
 「そりゃあ・・・・」
 無罪は小さく笑って、有罪の黒髪を指で梳く。
 「大阪にいた頃、『茶髪の弁護士が来るらしい』と、なぜか警備員が呼びに来た、あの日からだよ。『そいつ、暴れるんじゃないか』とみんなが恐れ戦いた――、若かった君が、利かん気そうな顔して、ノーネクタイでふてぶてしくぼくの前に突っ立ってた、あの時」
 「・・・・なんか殺伐としてるな。もっとロマンティックな話はないんかいな」
 「ぼくならともかく、君にそういう言葉はあまり似合わないと思うけど」
 「やっぱりズルイわ。いっつも俺にばっかり汚れ役押しつけるんやから」
 ぼやく有罪の頭を、有無を言わさず引き寄せた。今度はどんな発言が飛び出すやらと、全府民、いや全国民がはらはらしながら見守るあの唇に、深く柔らかく、口づける。
 「色々と問題はあっても、君は熱い人だってわかってるよ。そうみんなの前でも言ったろ?」
 五本の指を絡めて繋いだ手を握りしめ、じっと顔を見つめてそう言った。
 有罪は頬を染め、恥ずかしそうに笑った。
 「もう、熱いだなんて、しかもそんなこと公共の電波使って言うなんて、やらしいなあ八代さん」
 「そういう意味じゃないったら!」

ども、ありがとうございましたー。

Edit

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

タイトルは、lover(恋人)とrubber(コンドryを引っ掛けています。日本語って便利ですね。

それにしても、意外と紆余曲折な人生を送っていたんだなあ。>無罪先生
何ごとも外から見る限りではわからないものです。

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