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Melt

お借りします。
夏戦争で健佳主です。携帯からなので改行など、見難い場所がありましたら申し訳ありません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「佳主馬くん、はい」
お兄さんの手にはソーダアイス。なにこれ、と目線で訴えると、おばさんからだよ、と彼は笑って、まるで当たり前のように僕の隣に座った。
「うわ、相変わらず凄い人気だね、キング・カズマ」
応援のコメントが次々と画面内に映し出されていく。これは僕に対するものじゃない。OZの中の僕、キング・カズマへのコメントだ。本当の僕を知ってるやつなんかほとんどいない。
そんなの、当たり前なのに、時々胃のあたりが少し重たくなった。
「ねえ、お兄さん」
「ん?」
「お兄さんは、僕の事、どう思ってる?」
何でそんな事をきいたのか、自分でもよく分からない。少し溶けかけたソーダの部分をかじって横にいるお兄さんを見上げると、案の定アイスを持ったまま、固まってしまっていた。
「え、っと、えとえと」
「……溶けてる」
「へ?あっ、はいっ」
駄目だ。かなりパニクってる。はあ、と溜め息をついて、僕はパソコンの電源を落とした。

なんとなく、少し居心地が悪くなった。しかしそんなのお構いなしに、お兄さんはアイスをパソコンの横にあった皿に置いて、意を決したように座り直して、真っ直ぐ僕を見つめてきた。……正座。
「そのっ、あの、佳主馬くんは僕なんかよりも、うんと大人だと思いますし、強いし、ただ、ちょっと恥ずかしがり屋さんで、その、生意気だなあとか、いつも偉そうだなあって思う時もたまにはありますよ?ありますけど、本当は優しいし、」
しどろもどろになりながら、お兄さんは必死に敬語で熱弁している。若干失礼な事言ってるって、わかってるのかな。
「でもほら、やっぱり夏希先輩は、可愛いなあとか思うんですよっ、ずっと憧れてたし…」
え、待って、なんの話。てかお兄さん大丈夫?なんか鼻血凄いんだけど。目線だけでティッシュを探したけど、あいにく手が届く場所にはなかった。
「でもっ、でも、佳主馬くんの事、僕は、僕はっ、す、す、すすす」
音のとんだラジオみたいに繰り返して、お兄さんはぐらりと後ろに傾いた。あ、やばい、壁にぶつかる。
「っ、お兄さ、…うわあっ」

襟を掴んで上半身だけ支えようとしたけど、無理だった。そのまま高校生男子の全体重が、中学生の僕にかかって、やはりというか何というか、下敷きになった。
「いっ……、ちょっと」
早くどいて、そう言おうとしたのに、
「佳主馬くん」
やけに落ち着いた声が頭に響いた。耳のところに息がかかる。僕は天井、お兄さんは床をみてるせいで、顔は全く、みえない。なに、この空気。
「……すき」
唐突に、お兄さんが呟いた。小さな声で。好き。誰を?
「佳主馬くんが、すき、です」
言葉の意味を理解した途端、身体中の熱がぐん、と顔にのぼるのがわかった。なんで。だって僕は、そんな意味できいたわけじゃない。ただ、ただ、……ああ!もう訳がわからない!
僕は足に力を込めて、お兄さんの腹付近に蹴りをいれた。ぐえっ、とかそんな声がしたような気もしたけど構ってられない。
ただ風邪の時みたいに頬が熱くて、ぼんやりとして、どうしたらいいかわからなくて、僕は納戸から飛び出していた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ページ数やらなにやら間違えまくっててすみません…。お付き合いありがとうございました。


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