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オリジナル 「チーム・オナホ」

オリジナル・現代もの。攻め×攻め。(保管庫42~44・48巻の余話・後編)

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

兜合わせ。そう呼べばペニスの扱き合いすらゆかしい。古雅なお遊びのようだ。
屋根を閉じた、ぬばたまの黒のグランドピアノのその上で、
三鷹と五代は全裸になり、股間を晒し合った。
五代は三鷹の下半身をエロい目で見た。
五代的NO.1は筋トレに命をかけている風なゴリマッチョだが、
三鷹の持つ、タフなスポーツで自然につくられた筋肉にもそそられる。超抱きたい。
五代はバリタチが快感に耐える切なげな表情が大好きだ。
三鷹が目を潤ませるのを見たい。半開きの口で喘がせたい。何より心の穴を塞いでやりたい。
五代は三鷹の股間に目を据えた。量感があり形が◎。異国的なペニスだ。
軽く扱きつつ、熱視線をそそいでいたら三鷹の尖端に先走りが滲んできた。
左手で根元を支え、濡れそぼった先端を右の指の腹で優しく擦る。
指を動かすたびに溢れるそれを、カリ高の先っぽにむらなくなじませると、
咥え煙草で五代のペニスをもてあそんでいた三鷹が咳き込んだ。
男前な顔に「やられたっ」と書いてあるのが嬉しい。
苦笑いをし、灰皿を引き寄せ、まだ長い煙草の火を消している三鷹を目で追う。
じっと見ていたら目と目がぶつかった。
勝ち誇った目で笑いかけてきた五代に、三鷹は含みのある笑顔でわらい返し、
間髪入れず、もてあそんでいた五代のそれを上下に扱いた。お遊びは終わりだ。
濡らしてやる!

股間がカッと熱くなり、余裕をかましていた五代は焦った。
手には五代の先走りぐらいしかつけていないのに、
三鷹の扱きはローションをつけているみたいになめらかで、
とにかく速かった。それが良かった。擦りあげられ血が騒ぐ。やばい……!!
股間が六月のつゆけき紫陽花みたいなありさまだ。
不敵に笑う三鷹と目が合う。負けねぇー。五代は狐狸臭い笑みを浮かべ、
傍らに放っていた鞄を引き寄せた。
愛用のフライターグのショルダーから、金色に透き通ったローションを取り出す。
「これ、仁科先生からのお土産。三鷹によろしくって言ってたよ」
片手で開閉できるワンアクションキャップを親指で開け、中身を三鷹の股間にたらたら垂らす。
「ダミアナの葉から抽出した、『生殖器官を刺激する要素のある成分』を混ぜてあるんだって。
ちなみにボトルのデザインは六六六、形成したのは俺。片手で開け閉めできるから性交時に超便利」
五代はローションを半分以上三鷹の股間にあけるとボトルを放り、ペニスのすみずみまで伸ばした。
ローションがあるのとないのではまったく滑りが違う。さっきより3倍は速く扱ける。
五代の左手は先端から付け根までなめらかに動き三鷹を悩ませた。
どう見てもかけすぎのローションは、三鷹のペニスを伝い会陰を流れ、
アナルを濡らしながら黒塗りのピアノにポタポタしたたり落ちている。
後が濡れる感触に呼吸が乱れた。呼気も吸気も熱くなる。やばい。
三鷹のそれを扱く五代の速度は上がる一方だ。
股間がほかーっとしてくる。認めたくないが気持ちいい。本気でやばい。
三鷹は歯を食いしばり、額の汗を手の甲で拭いながら切ない喘ぎ声を漏らした。

「いいねぇ~」
三鷹が漏らした微かな喘ぎ声に五代は眼を輝かせ、ローションまみれにした三鷹の陰嚢を転がした。
手の平で軽く弾ませ、さっと転がしたあとフェイクをひとつ入れ、やんわり握ってパッと離す。
仁科先生のローションは即効性の性的刺激剤に等しい。
だけど自分がこんなに汗ばんでいるのは、いかれたローションのせいだけじゃない。
五代の巧さが三鷹にはわかった。マジでタマの扱いがうまい。悔しいけれど息があがる。
下半身が燃える。
気持ちいい。このままじゃ先にいかされる。喘いでいる場合じゃない!
三鷹は粋な指使いで五代のペニスを刺激すると、自分のそれと重ね合わせた。
二人分のペニスに指を絡め、ぴたりと寄り添わせて、2本まとめて扱く。
何度も擦り合わせた。ローションも熱も先走りも何もかもを分かち合う。
硬くなった互いのものを強めに擦り合わされ五代は身悶えた。
三鷹の熱さが五代のそれに伝わってきて先走りが止まらない。
「気持ちいいだろ……」
はずむ息で三鷹に問われ、荒い息を吐きながら大きく頷く。
先端が熱い。やけに濡れる。腰が疼く。喉が渇く。
水分を求めて五代は三鷹の口に食らいつくようなキスをした。
股間を密着させ唇をむさぼる。五代は三鷹の舌をかっさらい、
エロい音を立てて吸いあげるとノーパンの股間をこまやかに揉んだ。

濃厚なキス中、股間を揉む。したことはあるが、されたのははじめてだ。
びっくりするほど良くて三鷹は下半身を火照らせた。
五代は数少ない友達だ。セフレにはなりたくない。扱き合い以上の事はいっさいするつもりはなかった。
キスも然りだ。なのに仕掛けられた深いキスはただ気持ちよくて、不覚にも流された。
陰嚢にやらしく絡みつく五代の指に快感が増す。三鷹は眉根を寄せ色気のある低音で喘いだ。
五代より先にはいきたくない。必死で快感に耐えた。でも、もう限界だ。
先波を越えて後波がやってくる。押さえきれない!
暴発した瞬間、全身の力が抜けた。やばいと思った時にはもう、ピアノの上に押し倒されていた。
一瞬の隙をつかれた。反撃する間もなく脚を掴まれオムツ替えのポーズをとらされる。
M字に開脚された恥ずかしさよりも焦りが勝った。五代は本気で挿入する気らしい。
いやな汗で体が濡れた。
五代は舐めるように三鷹の下半身に視線を走らせる。
土踏まずがはっきりわかる、ゆがみのない足の裏、褐色のふくらはぎ、引き締まった太腿。
今しがた放った白濁とローションで濡れそぼっている股間。エロいからだに興奮した。
「俺、アメフトやってたから括約筋ギチギチだぜ? 突っ込んでも気持ちよくねえぞ」
腹筋をつかって体を起こそうとした三鷹を、全身の力をつかって二つ折りにし、ピアノに縫いとめる。
「大丈夫、大丈夫。俺、鍛えたアナルの締まりに締まる感じ超好きだから」
五代は眼下の三鷹にニヤリと笑った。

「マジでやめろって、友達でいられなくなる」
五代を見上げ両腕で押し返しながら、三鷹は訴えた。
「なんで? セックスひとつで激変したりしないって」
五代は三鷹の目を見つめながら、内緒話をするように言った。
「俺、10年ぐらい前から孤独死する覚悟で遊んでた……」
勝手気ままに過ごすのと独りぼっちでいるのは抱き合わせだ。
「だけどあんたに会って、同じ穴の狢を見つけたって思った」
三鷹は五代だ。五代は三鷹だ。
友達や恋人をつくるのは得意でも、その関係性を持続させるのは苦手。
そんなところが二人は良く似ている。
「ヤリチン同士、話あうしジジイになっても酒のみたいって思った」
付き合う相手はとっかえひっかえしても、三鷹とは変わることなく友達でいられる気がする。
「一度セックスしたからってセックスだけの仲にはなんねーよ」
五代にとって三鷹はいろいろあっても一緒にいられる、面倒くさくても一緒にいたいと思える友達だ。
なんでも話せる。プライベートを晒せる。信頼し合える仲だからセックスだってできる。
何も聞かず何も話さずセックスだけを楽しむセフレとの
さっぱり感が気持ちいい付き合い方とは根幹が違う。
「逆は? からだ繋げて恋が芽生えたら? そんで別れたらどうなる? 友達に戻れるか?」
三鷹に切り返され五代は声を出して笑った。
「三鷹って意外とセックスにロマンス求めてるよなぁ」
五代は知っている。セックスは愛より速い。かつてはロマンティックなものだったかもしれない。
きっと、秘めたり忍んだりしていたんだろう。だけど今は違う。
恋愛をしていなくてもすぐできる。セックスはカジュアルダウンした。だから、大丈夫。
「一度セックスしたからって恋人になったりしねーよ」
キスしたって赤ちゃんができないのと同じだ。
だけどセックスは、ホイミ程度の癒しの力を持っている。焚き火ぐらいにはあたたかい。
独り身のヤリチン同士が暖をとるには充分だ。三鷹の股間を揉みながら五代は笑いかけた。
「俺だって惜しいからな。三鷹を失いたくねーよ。友達でいたい」
それからちょっとためらった後、意を決した五代は控えめな笑顔で一世一代の告白をした。
「何十年来の付き合いを経て、いつか、無二の親友って呼ばれたい」

友情の片思いは一等むなしい。五代はうすうす勘付いている。
三鷹はきっと、自分が三鷹を必要としているほど、自分を必要としていない。
たぶん自分は、「エロ話」と「飲み」専の連れだ。期待はあらかじかめ引いている。
だけど、本当は老年期まで一緒にいたい。親友同士になれたら超うれしい。
我ながら熱くるしい思いを、五代は全裸の三鷹の股間を揉みながら、赤裸々にぶつけた。
「ばぁーっか」
三鷹はいつになく弱気な目をしている五代に、お前は俺の最高の友達だと囁くと、
片頬でちょっと笑い、男の友情は一生もんだと男惚れしそうな表情で言い切った。
思いがけない言葉に五代の目がきらめく。
三鷹が自分を「一生ものの友達だ」と評してくれた! 三鷹と自分との間に永遠が見えた!!
たまらなく嬉しかった。パッと顔に笑みを浮かべた五代を三鷹は目を細めて見つめ、
のしかかってきた大型犬の頭を撫でるように五代の茶髪をぽんぽんと叩いた。
「……いいぜ。性欲と友情でさせてやる」
五代の手揉みにその気にさせられた。下半身が疼く。セックスがしたくてたまらない。
きっと仁科先生のえげつないローションも効いている。
無性に、男同士だからできる気軽でハッピーなカジュアルセックスがしたくなった。
大いに盛り上がろう。バリタチの自分が抱かれることに抵抗感がないといえば嘘になる。
だけど好奇心が勝った。突っ込まれるのもまた一興。お手並み拝見といこーか。
こいつとならきっと気持ちいい。
突然出たお許しに目をきらきらさせている五代を見つめながら、
面白くて笑うのと同時にほほえましくて笑みが浮かんだ。

五代はフライターグを引き寄せ志井商事の主力商品、コンドームのCを取り出した。
素早く指にはめ、Cをまとった指で三鷹の後孔に触れる。
Cにはなめらかな挿入のためにメントール配合の潤滑ゼリーが付いている。
エロいゼリーのクールな刺激に三鷹は息をのんだ。清涼感が生々しい。
五代の指がそこを押すたび心臓が跳ねる。手の平が汗ばむ。体が突っ張る。
初めての「されるエッチ」に震えているウブ男と、それを自分で面白がっている冷静さを感じた。
「固いなぁ」
なかなかトロトロにならないそこを、五代に指でつんつんつつかれ、
三鷹は羞恥に染まった顔を両腕で隠し、他人事のようにぼやいた。
「言っただろ。アメフトやってたって、喰いちぎられても知らねーぞ」
「えぇー。痛いのは勘弁。ローション足そう!」
最初に垂らしたローションと、さっき出した白濁とコンドームのゼリーで濡れている
三鷹のそこに、五代は仁科先生のローションを注いだ。
ローションと精液とゼリーを五代が丁寧に指でなじませていると、
固かったそこがとても柔らかくなった。コンドームをはめた指をグッと進める。
「あ…うっ…」
まざまざと指を感じ、三鷹は声を殺して喘いだ。
あられもないところが切れそうだ。きつい。痛い。熱い。
ペニスが痛みで萎えた。そう思った。
なのに五代は、「いいの? 超、反り返ってる」なんて言いながら、後孔とペニスを弄っている。
長い指を出し入れされながら前を扱かれる。その凄まじさを、きょう知った。

「あっ、あっ…」
たまらない。耐えられない。感じた事のない快感を覚え三鷹は息を弾ませた。
先走りが垂れる。下半身が切ない。もう、いきたい。いきたくてたまらない。
こんなに濡れるのは、きっと仁科先生のローションのせいだ。あるいは五代の巧さか。
「顔見せてよ」
五代にねだられ、三鷹は両腕で顔を隠したまま首を横に激しく振った。
アへ顔を見られるのはごめんだ。
「どけち~」
軽口を叩きながら五代はコンドームに包まれた指で三鷹の前立腺を激しく突いた。
「あ、あっ…!うッ…!」
そこばかりを16連打され、苛烈な攻めに追い上げられた三鷹は、涙ぐみながら身をのたうたせた。
はじめての快感が全身を駆け抜ける。前立腺を攻め立てられながら扱かれ、
三鷹は第二指の長い足の指をギュッとまるめて悶えた。
もうイクッ、もう、出るッ。もうダメだ!
中を強く擦られたその瞬間、足の指が反り返った。
ペニスがしゃくりあげ、熱いネバがふきこぼれる。止まらない。
激しい射精の最中、五代は三鷹の両脚を高く持ち上げV字に広げると、
吐精の快感にゆるんだそこにCをまとった勃起を押し当て、ひとおもいに挿入した。

頼む、いったん抜いてくれ! 喉元まで出かけた言葉を飲み込み、三鷹は深くゆっくり息をした。
痛みを受け止め、含まされた五代を飲み込む。
後孔の中の五代の事を一生懸命思いながら、熱い息を吐き体の強張りを逃がす。
痛いのは三鷹だけじゃない。経験上、三鷹はわかる。
締め付けられている五代だって痛いのだ。ペニスだって中に入ろうと全身で頑張っている。
先端が甘く痺れるきつい締め付けは、気持ちいいけれどとても痛い。それがわかるから、
三鷹は五代が動けるように開口部と体の力を抜くべくソフロ呼吸をこころみた。
「‥大…丈‥夫…か? 痛、かっ…たら、言え‥よ」
下から三鷹に濡れた声で労わられ、五代は萌えた。
「三鷹…、それ、俺のセリフ」
たまらなくキスがしたかった。だけど、三鷹は2本の腕で顔を覆っている。
隠された顔が見たい。超口付けたい。迷ったけれど、五代はあえて暴かず、
顔をガードしている三鷹の腕に小さなキスを落とすと「動くぜ、」と囁いた。
もう我慢できない。三鷹に煽られた。入れてるだけでいきそうだ。
……優しくしろよ、喘ぎ喘ぎ、そう伝えてきた三鷹にせっぱつまった五代はわびた。
「ごめん、無理!!」
バスドラを踏みまくるみたいに打ち込まれ、五代の激しさに引きずられるまま腰を振る。
誰にも見せられない惚けた顔を両腕で隠し、三鷹は息を弾ませつづけた。
火照った背中に黒塗りのピアノの冷たさが心地よい。
完全無欠のロックンロールみたいなテンポのセックス中、脳内でずっとラウドなギターが鳴っていた。
三鷹のきつい締め付けにやられたのか、五代は3分も持たずに果てた。
速いとか駆け抜けるとか突っ走るとかそんな言葉がぴったりな、汗だくのセックスだった。
アラサーらしからぬ、10代並みの激しい交合を追え、
肩で息を吐き、はずむ息で五代は言った。
「超気持ちかった~」

熱のこもった荒い息を吐きながら三鷹は恨みがましい目で五代を見た。
想定していたのは、もっとまったりした大人の男のセックスだ。
「いきなり前立腺16連打はねえんじゃねーの?」
「うわぁ~、嫌だな。あんたカウントしてたの? やらしい~」
「ひとがイッてる最中に挿入するやつに言われたくねえなぁ」
「だって限界だったから! あんたに2本まとめて扱かれてた時からずっと、
超いきたかったんだよ。よく持った方だって!!」
ケツを犯されてもなおバリタチ感が残っている三鷹にダメだしされ、
五代は悔しがりながらコンドームをはずした。
「いつもはもっとメロウでスロウだし、セックス中薀蓄も披露してんだけどなぁ」
全裸で煙草に火を着け、三鷹は目を細めて笑った。
「何だよ薀蓄って」
黒塗りのピアノをひと撫ぜし、五代は紫煙を燻らせている三鷹を見た。
「なんで日本のピアノは黒塗りか知ってる? ちなみに欧米の家庭用主流は木目調」
「むこうは光沢の黒塗りだと棺桶連想するからじゃねえの?」
「お、凄え! あたり!! あともうひとつあるんだけど、わかる? ヒントは伝統工芸」

「……あぁ、漆か!」
「さすが! 仕事で携わってるだけあるな。最初に国産ピアノつくった日本人が、
ニスじゃなくて漆をチョイスした流れで、国産ピアノは黒塗りが主流なんだって」
「そりゃそうだろうなぁ。日本人が木地になにか塗るとしたら漆だろ」
「美学だよな~」
五代は、三鷹の後をほぐしながらこういう話をしたかったんだけど
もう、全然、余裕がなかったと苦笑した。
「はじめてなのに散々だったぜ~」
三鷹に笑顔で揶揄された五代はリベンジを誓い、
「どーかもう一度させてください。お願いします!」と土下座した。
「これ吸い終わったらな」
五代を焦らすようにのんびりと紫煙を味わった後、三鷹はにやりと笑い股の間に五代を招いた。
2回目のセックスは、互いを堪能する余裕があった。
二人は親友同士だからできる、情を注ぎ誠を返すセックスをし、互いの技を盗みあった。
セックス後、ピアノの上でだらだら飲んだ。夜がほがらほがらと明けてゆく。

後朝、五代に卵かけごはんを食べたいとねだられ、
三鷹は完全無農薬のアイガモ米を炊いた。
熱々の飯に新鮮なたまごを美しく落とし、国産有機醤油を絶妙のかげんでさす。
三鷹は食の安全にこだわるタチだ。贅沢な卵かけごはんを二人で食べている最中、
唐突に五代に、「ごめんな」と謝られた。
一瞬、何のことだかわからず三鷹は五代を見た。
「常務に六六六をけしかけたの俺なんだ……」
「ばーか、気にしてねーよ。謝んな」
「けどあんた、常務のこと好きだろ? もろバレだぜ? 忘れ続けることをつづけんの?」
五代に問われ、三鷹は首を横に振った。忘れない。忘れられない。
「けど、二人を引き裂く気はねーよ」
卵かけごはんをかっ込んで三鷹は言った。
「俺はケツ軽いからな~。きっとまた志井を裏切る。もう振り回したりしねーよ……」
三鷹はハッピーエンドが大好きだ。当て馬の自覚はある。良い当て馬は笑顔で見送るもんだ。
それが当て馬の美学だろう。どうか六六六と幸せに! 

三鷹は自嘲し「ごちそうさま」と箸を置いた。大丈夫、愛には餓えていない。
きのうの夜、心に空いた穴を五代がペニスで塞いでくれた。
友愛の絆が強まった。裸で付き合える友達がいる。それだけで、おなかがいっぱいだ。
仕事がある。友がいる。当面、愛とか恋はなくてもいい。心からそう思えた。
にもかかわらず、ドイツに帰る五代を愛車のプリウスで小松空港まで送った際、
三鷹はダッシュで羽田行きのチケットを買いに走っていた。
色恋は別腹だ。飛行機を見たら、たまらなく乗りたくなった。飛びたい!
自分は駄目だと悟って、潔く身を引く当て馬は格好いい。格好いいから駄目なんだ。
唖然としている五代と一緒に小松空港を発ち、羽田で成田に向かう五代と別れたあと、
三鷹は勝手知ったる西麻布の志井のマンションに直行した。
性懲りもないまま突き進む。身勝手なのは性分だ。
マンションに向かうタクシーの中で志井にメールを送った。スルーされても文句は言えない。
だけど、志井が誰を好きでも三鷹が志井を好きだった。
今まで――ごめん。今度は絶対、離さない。
だからもう一度、俺と付き合って……。
携帯を握り締め祈る。マンションまであと1マイル。返信は、まだ来ない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
これでラストです。シリーズ完。長々と御免なさい。有り難う御座いました。

  • ジェットコースターみたいな疾走感に酔いしれました!全体に発揮される教養の無駄遣い感が -- 2014-07-20 (日) 09:05:54
  • たまりませんww一癖も二癖もあるキャラ達は皆ダメ人間なのに素晴らしく愛嬌があって、出来ることなら全員分スピンオフ読みたいです。お疲れさまでした! -- 2014-07-20 (日) 09:09:43
  • 話の中に出てくるブツの蘊蓄の凄さもさることながら出てくるキャラが皆魅力的でグイグイ引き込まれました 続編キボンヌ! -- 今年は2016年? 2016-05-06 (金) 14:04:35

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