ザ・モンキーズ
更新日: 2011-01-12 (水) 00:31:00
つい癖で当て字で書いてしまいました。気持ち悪いならごめんなさい。
需要があるのかも分からない、本国放送も30年以上も前、米国産擬似ロックバンドコメディドラマ捏造エピソード
にてお邪魔します。あらすじ・同じ屋根の下でバンドを組んだ4人は、今日も今日とてドタバタと走り回っているの
でした。てなわけで[捏造猿-ズTVショウ2009話]“Give me your peach!!”にて
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「“It’s been a Hard day~”♪」
マイ9と三ッキーがくたびれた気持ちで歌いながら彼らの家に帰ると、居間から楽しげな笑い声が
聞こえてきた。
二人は顔を見合わせると、疲れて帰ってきたにもかかわらず口元に笑みが浮かぶ。バンドの仕事を
探すのは容易ではないが、たまにこうして見つかることもあるし(なんと朝から歩き回って11件目に
してやっと見つけたのであった)、家に戻ればかわいい二人が、彼らを笑顔で待っている。「このために
生きてるなあ」と旦那のような感慨を持ちつつ、二人はほのぼのとした気持ちで他のバンドメイトの元へ
と向かった。
「どうしたんだ、Babe?」
三ッキーがいつもの口調で声をかける。するとその声にすばやくデイ美井が反応した。
「あ、おかえり三ッキー!」
振り返った彼のアーモンド色の目が三ッキーの愛嬌のある笑顔を見ると、嬉しそうに大きく輝いた。
「お疲れ様、マイ9!」
次に振り返ったピ一タ一は、マイ9の(普段からの)ちょっとだけ気難しい顔に優しい微笑を向けた。
迎えられた二人は、ほっと息をつきながら、「ただいま」と返事をした。
「ところで、なにかあったのかい?」 にこにこ笑いながら、三ッキーが二人の座るテーブルに近づいた。
「あれ、どうしたんだコレ?」 続いたマイ9の目も丸くなる。
テーブルの上には、ピンクに色づいた、おいしそうな桃が山と積まれていた。
「デイ美井がね、果物屋さんの近くをたまたま通りかかったらさ」 そう言い掛けて、いきなりピ一タ一が笑い出す。
「あ、やめてよピ一タ一! 言うなら僕がいうよ!!」 拗ねた声を上げて、デイ美井が赤くなる。なんだよ
じらすなよ、三ッキーが口をへの字に曲げた。
デイ美井は、ごめんごめんと謝りながらピ一タ一を軽くにらむと、
「いや…、僕、今日たまたま果物屋さんの前を通ったらさ」「それは聞いたよ」「マイ9、落ち着いて」
マイ9の肩をピ一タ一が「どうどう」と軽く叩く。
「うん、それでね、そしたら店のおばちゃんが僕をいきなり呼び止めるんだ……ロバートって」
「へ?」「ロバート? 誰?」
「僕」 思わず聞き返した三ッキーとマイ9に、デイ美井が自分を指差して話をまぜっかえす。
「いや、だって君はデイ美井だろ? あ、もしやホントはロバートなの?」「ううん、デイ美井」
「じゃあロバートってのはなんなんだよ」「あのね、そのおばちゃんの初めての」「お、いきなりロマンチッ
クだね?」
三ッキーが言葉尻を取って、冷やかす。
「つまり君は、そのおばちゃんの若かりし頃の恋の相手に似ていた。だからこんなに桃をプレゼントされた。
どうだい!?」 しかし、得意げな三ッキーとは対照的なデイ美井の声だった。
「ううん…近いけど、人じゃないんだ」「…え? 人、じゃない?」「君が?」 今度はマイ9がまぜっか
えす。「ううん、僕は人」 デイ美井がきょとんと首をふる。間髪入れずに三ッキーがマイ9の鳩尾に手刀を入れ
た。 思いっきり咳き込むマイ9をよそに、デイ美井が話す。
「おばちゃんが言うには、僕は彼女の」「あははははは!」「受けるの早いって、ピ一タ一!」 三ッキー
は今度は言葉で突っ込む。ごめん、とピ一タ一は首を引っ込めた。
「話していい?」「「「どうぞ」」」
桃をひとつ手に取ると、かしこまって座る3人を前にデイ美井は肩をすくめて話した。
「彼女が言うには、僕は彼女の初めて飼ったハツカネズミに似てたんだって」
「「はつかねずみ?」」
三ッキーとマイ9は声を合わせた。と、デイ美井の顔にハツカネズミが重なって、二人は笑って
しまった。「いいよ、絶対笑うと思ってたからさ」 デイ美井が、真っ赤な顔で頷いた。
「ごめんごめん」 マイ9が目じりをぬぐった。「でも、かわいいじゃないか。ハツカネズミだなんて」「そうだよ!
ちっちゃくってはしっこくって、目がくるんと丸くって」
「「まさしくデイ美井!!!!」」
そう言って二人はゲラゲラ笑った。ピ一タ一が苦笑いしながら、唇を突き出してむっとしたデイ美井の肩を抱く。
「二人とも! いい加減にしないと桃があたんないよ!」 ピ一タ一の注意に、二人はぴたっと笑いを止めた。
「そんなあ、こんなにあるのに!?」「ごめんよデイ美井! だから桃をおくれよ!?」「君に猫が近づいたら、
追い払ってあげるから!」
三ッキーの一言に、思わずピ一タ一も噴き出した。
「ピ一タ一まで!?」 デイ美井がショックを受けた顔で三人を睨んだが、それも長くは続かなかった。とう
とうからかわれた本人も笑い出す。
「じゃ、みんなで食べようか?」 デイ美井のお許しを得た3人は、声を上げて桃に手を伸ばした。いつ
もポケットの中はピーピーの若い胃は、久しぶりの食べ放題に音を鳴らして喜んだ。
小ぶりの桃だったが、一口齧ると甘い蜜を口からこぼれるほどにたっぷりと潤っていた。柔らかな皮の下では、
ねっとりとした身が彼らの口に絡まって、満足感と満腹感を与えてくれる。
「うわ、おいしいね」「こんなおいしい桃、初めて食ったよ!」「デイ美井とおばちゃんのハツカネズミに万歳!」
「だからやめてよ、ソレ!」 それぞれがワイワイ騒ぎながら、我先にと桃にかじりつく。
そして、5つ目の桃に齧り付いた時三ッキーはふと、デイ美井に目が留まった。
彼は、幼い顔で口いっぱいに桃を頬ばっていた。
そのふっくらとした唇は甘い蜜にぬれて光り、白くて滑らかな頬は、桃よりも色づいている。大きな瞳を輝かせて
嬉しそうに楽しそうに桃を食べている姿は、思わず三ッキーの腰に来るほどの艶っぽさだった。
「うっ!!!!!」
三ッキーの喉が一瞬ぐっとつまった。思いっきり前かがみになりそうなところをかろうじて堪えたが、一人で
そんな状態になっているのもなんか悔しかったので、彼はマイ9を道連れにしてやろうと、呑気に桃の皮をちまちま
剥いている、せいたかのっぽのバンドリーダーを、肘で突っついた。
「いやまったく、どれだけ食べても桃であることに変わりはないんだけど、つい食べちまうなあ…って、
なんだよ、三ッキー」 つまんないことをブツブツ呟いていた、今日は緑のウールハットを被ったマイ9が、ちょっと
前かがみになった三ッキーにつつかれて、振り返った。
三ッキーは何も言わないで、自分達の目の前を顎で指した。思わず、マイ9が顔を上げる。
そこには、おっとりとした顔に満面の笑みを浮かべたピ一タ一が、両手に桃を持って、自分の口を挟んで、右と左を
いったりきたりさせていた。シルクのような金の髪がそのたびに揺れて、濃く色付いた桃にかする。琥珀色に澄んだ
目は、食べることへの原始的な喜びに濡れて光っていた。
その薄い唇が桃の身にむしゃぶりつく姿は、マイ9の腰を直撃した。
「うっ!!!!!!」
マイ9の喉が一瞬ぐっとつまった。思いっきり前かがみになりそうなところをテキサス魂で堪えて(莫迦)彼は
三ッキーに小声で「この野郎! なんてもん見せるんだ!!!!」 と咎めたが、三ッキーは視線を前に向けたまま
「だってさあ…!?」 と、こりもしないでマイ9に続ける。
つい、マイ9の目も前に向いた。見なけりゃいいのについ見てしまう、そんなお莫迦さんな二人の前で、デイ美井と
ピ一タ一は他愛のないおしゃべりをしながら桃を食べていた。
その口の周りを、甘い香りでべたべたに濡らしながら。
口元から、蜜をこぼしながら。
「あ、いけない。喉まで流れちゃった」 とデイ美井がぼやいた。
白い首に、ぬらりと桃の液が滴り落ちる。
「んんっ! ごめんマイク、借りてる君のシャツ汚しちゃった!」 と、ピ一タ一が口に桃をほおばったまま、
蜜で濡らしたシャツをつまみあげる。
『ああ、あの口が、ピ一タ一のあの薄い唇に包まれた口があんなにいっぱい桃を入れちゃってしゃべるのも大変
そうにモゴモゴさせて…』と、もう桃どころじゃないマイ9に三ッキーが「なっ!?」と、声をかける。
「…あ、ああ、そうだな」 と、なんだか訳もなくマイ9が真剣に頷いた。
二人はそれから、顔を寄せてひそひそと話し合った。
「どうしたの、二人とも」「桃なくなっちゃうよ?」
そんな邪(よこしま)なお兄ちゃんズにまったく気付かぬかわいこちゃんズがケロリとして声をかける。
真剣な表情で話し合う二人が、なぜか顔を赤くしながらテーブルを振り返る。
「?」 かわいこちゃんズの頭に大きな「はてなマーク」を浮かべさせていることになんの躊躇もなく、
お兄ちゃんズはなぜかむっつりとしたまま寄ってくると、黙ったまま、テーブルの桃を片付け始めた。
「え?」 ピ一タ一が声を上げた。マイ9は何にも言わないで、桃を手際よく紙袋につめると、そのまま
冷蔵庫の中にしまった。
「三ッキー?」 デイ美井が声をかけてもミッキーは顔を赤くして黙ったまま、テーブルにある桃の残骸を綺麗に
集めて、ゴミ箱にいれた。
そしてマイ9がテーブルの上をふいて、すべてが元通りになる。
「なにするの? 僕達が食べてたのに」「おなかでも痛くなったの? ちょっと前かがみだよ二人とも」
そんなピーターとデイ美井に、マイ9と三ッキーはいやその、と歯切れ悪くむにゃむにゃ呟いていたが、最初に
意を決したのは三ッキーだった。
「あのさ、デイ美井。…ちょっ、ちょっと話しがあるんだよね」
いつもの三ッキーとは思えぬ歯切れの悪さにデイ美井が首をかしげる。その、ピンクのくちばしを持った白い
小鳥のようなしぐさに、三ッキーが歯を食いしばって己の中の色々に耐えている。ソレを知っているのはマイ9
だけだ。『がんばれ、三ッキー!! 男として、俺は応援してるぞ!』 と、彼は心の中で拳を握ってその様子を
見守った。『だから早く、デイ美井を部屋に連れて行け! 俺のターンを早くよこせ!』
―――まあ、マイ9の本音はこんなところなのだが。
マイ9の刺さりこんでくる視線に、『無言でせかすなよ! こっちだってあせってるんだ!! てめえ
いつか殴るぞ!!』と思いながら三ッキーは、デイ美井に歯切れの悪い言葉を続けた。
「だって桃が」「桃は、えーと、後で俺の分もあげるから」
ぐずるデイ美井に、三ッキーが業を煮やして適当なことを言った。しかし「だから、俺には君の桃を」と、つい
口が滑ると、デイ美井が眉を尖らせた。
「僕のを? やだよあげないよ!」「ああ、違うんだその桃じゃなくて」 ああもう、と三ッキーが頭を抱えると、
とうとうデイ美井の腕を取った。
「とにかく、君じゃないと話せないことなんだよ。お願い!」 三ッキーが男らしく、しかし女々しく話の
論点をぼやかして話した。デイ美井は、そんなに大変なことなの? と尋ねると「そう、すんごく大変!」と、
三ッキーが男らしくきっぱりと…泣きついた。
「…うん、わかったよ」 デイ美井がやっと頷いた。「その代わり、君の桃は」「いくらでもあげる」 君が望むなら
世界中の桃を、とまたも三ッキーが適当なことを言う。
そして、二人はやっと三ッキーとマイ9の寝室に消えた。
「…三ッキーの奴、どうしたの?」 今までのやり取りを呆然と眺めていたピ一タ一が、彼の後ろでその肩をつかむ
マイ9を振り返って尋ねてきた。
「いや、まあ色々とね」 マイ9も歯切れ悪く彼に答える。「なんだよどうしたの、二人とも?」
「いやまあ、なんだなー」 ウールハットを脱いでマイ9は、いぶかしむピ一タ一に提案した。
「えーと、君の部屋で新曲の話をしたいんだけど、どうかなピ一タ一?」
「今? こないだ作ったばっかりなのに?」「ああ、えー、そうだったねえ(ちっ!)。うん、でも、い、インスピレー
ションがね」
きちゃったの? ピ一タ一がきょとんと尋ねる。髪がさらりと横に流れる。
桃の香りのする彼の息に、自分の色々を刺激されて声も絶え絶えになりそうなマイ9は、
「そう、…きちゃったの」 と、消え入るように答えた。
ちょっと考えて、ピ一タ一が「うん、分かったよ」とにっこり笑った。「インスピレーションは、いつくるか分から
ないものね」、と答えるピ一タ一に「そうなんだよ!」と必要以上に声を上げてマイ9は頷いた。
そして、ピ一タ一を抱えるようにして、彼はいそいそとピ一タ一とデイ美井の部屋にお邪魔した。
ここにきて、お猿さん達のお兄ちゃんチームは、やっと、世界中で彼らが一番食べたい桃にありついたのだった。
めでたし、めでたし。
「本日の一曲 「甘くて若い、なにか(要英訳)」 By 猿-ズ(マイ9・作)」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ちょっと下品ですいません…。つい最近いきなり萌えてしまった猿-ズですが、しかし書いた本人まだドラマをちゃんと
見たことがないのでした(酷い)。でも…偏屈なウールハットとパツ金天使のバンジョー弾きに超絶萌え……。
ではお邪魔しましたーノシ
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