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野球 27→32

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「ケンタ!」

俺が密かに思いを寄せているとも知らず、童顔の先輩は満面の笑みで抱きついてきた。
インタビューの真っ最中。カメラのシャッターを切る音が絶え間なく聞こえているというのに。

「こんな格好で撮られんくてもえぇのに…」
「えぇやん、俺、ケンタ大好きやねんから」
「……」

『大好き』というフレーズに体が反応する。
その言葉は冗談というか、いじり甲斐のある後輩だから、という意味で言っていると分かっているのに。
上手い具合に脳内変換して、勝手な妄想して、そしたら何か元気になっちゃって。

「サトルさん、えぇ加減にせぇやー」
「あれ、俺のこと嫌いになった?」
「や、そんなんちゃいますけど…」

昨日の晩に抜いたばっかりなのに。
目の前数センチのところにある顔が、悲しそうな表情になるのを見たら、ますます元気になってしまう。
いくら天然な先輩でも気付くだろうと思うと、死にたいくらい恥ずかしくなってくる。

「ケンタ」
「すいません!ちょっとトイレ行ってきます!」

サトルさんに背中を向けたまま、ロッカールームを出て、前屈みの小走りでトイレへ駆け込む。
これ以上抱きつかれていたら、あの場所で達しかねなかった…
俺、何でこんなに早いんだろう…

「サトルさんのアホ…」

あの天然の笑顔を思い出し、俺はひとりごちながら達した。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
球団誌にあんなの載せるから書いた。
でも反省している。


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