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ななまがりようちえん

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  └──────│ …パラレル幼稚園児ネタだってさ…ナンダヨソレ
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上を読んで引いた方は今すぐ逃げて超逃げて。

ここ、ななまがりようちえんは、きょうもげんきなえんじたちのこえでにぎわっています。
「こらー!はじめ!くつのままへやにあがってはいかんといっとるだろうが!」
おおきなこえのべてらんほいくしさん、いしづかさんはつうしょう「ごりせんせい」
おいかけっこをしていたはじめくんとじゅんじくんを、ふたりまとめてつまみあげました。
「おれがわるいんじゃない!じゅんじがおれのぼーるをとりやがったんだ!」
「はじめくんがぼくのくれよん、かえしてくれないからだろ!」
「ああもうおまえらは!けんかりょうせいばいだ。ふたりとものざきさんのてつだいをしてこい」
こんなえねるぎっしゅなまいにちがつづいています。
「あ、ぼすせんせーだ!」
えんちょうのとうどうせんせいは、こどもたちから「ぼすせんせい」とよばれています。
むかし、そつぎょうしたえんじがつけたよびかたで、だいだいうけつがれています。
「おはよう、みんなそろってるな。きょうは、あたらしいともだちがふえるぞ」
とうどうせんせいのうしろに、おとこのこがひっそりとたっています。
くりくりくせっけのくろかみの、おおきなめがいんしょうてきなこです。
「えんちょう、はらくんでしたね?」
「ああ、そうだ。ちょうどいい、ここでおひろめだ。みんなあつまってくれ」
こどもたちがぱたぱたとかけてきます。とうどうせんせいは、おとこのこをまえにたたせ
にこやかにいいました。
「はら まさゆきくんだ。きょうからみんなのなかまだ。なかよくな」
はーい、とげんきながっしょうがかえりました。
が、まさゆきくんはひょうじょうをかえず、ただたっています。
「まさゆきくん?」
いしづかせんせいがのぞきこむと、まさゆきくんはだまったまま、
ぺこりとあたまをさげました。
「よ、よし、みんなわかったな。まさゆきくんはこっちにおいで。
 ろっかーとくつばこのばしょをおしえよう」

まさゆきくんは、とてもむくちなおとこのこでした。
そしてだれともなかよくしようとせず、そっけないたいどをとるので、
よくほかのえんじとけんかになりました。けんかといっても、かたほうがいっぽうてきに
くってかかっているだけで、まさゆきくんはかおいろもかえずにだまっていることがほとんどでした。

いちど、みんなのりーだーかくのあきらくんが、せっとくしたことがありました。
「ようちえんじだってなー、きょうちょうせいってもんがだいじなんだぞ?」
こしにてをあてて、とうとうととくあきらくんを、まさゆきくんはじっとみつめていました。
「もっとななまがりのえんじとしてのじかくをだなあ…」
「それで?」
しずかなひとことで、あきらくんのえんぜつをすっぱりたちきると、まさゆきくんは、
くちをぱくぱくさせるあきらくんをおいて、さっさといってしまいました。
「あいつ、かわいくない!」
あきらくんはふんがいしたようすで、こいしをけっとばしました。

「うーん、あきらでもしっぱいか。こりゃてごわいな」
かーてんごしにいちぶしじゅうをみていたとうどうせんせいは、かたをすくめました。
「どうもうまくとけこめんようでしてなあ。いや、とけこもうとしないというべきか」
いしづかせんせいもためいきをついています。
「りょうしんも、いちどもむかえにきたことがないんです。まさゆきも、はじめから
 まっているようすもなくて、じかんになるとひとりでしたくをしてかえっていくんです」
「ふむ、しょうしょうかていにもんだいありなのかもな」
「ですが、ほんとうはこころやさしいこだとおもうんですよ」
そういっておちゃをすすっているのは、ようむいんののざきさんです。もうずっとまえから、
ななまがりようちえんではたらいていて、えんじたちのおじいちゃんのようなそんざいです。
「わたしがうさぎごやのそうじをしにいくと、よくいるんですよ。うさぎやことりには、
 とてもやさしいかおをしています。わたしとも、すこしははなしらしいこともしてくれるんですが」
「わたしのところにも、なんかいかきましたな。もっとも、あきらがひっぱってきたようですが」
はくいのやまむらせんせいは、ようごのせんせいです。げんきなこどもたちはけががたえないので、いつもおおいそがしです。
「ころんだりけんかをしたものではないあざが、いくつかありましたよ。
 まさゆきにきいても、かたくなにこたえようとしませんでしたがね」

「いろいろわけありのようですね。うちにくるまえはあちこちたらいまわしにされたとか」
「どんなじじょうがあるにせよ、ここにきたいじょう、せきにんをもってめんどうみようじゃないか。
 それがおとなのやくめってもんだ」
とうどうせんせいのことばに、おとなたちはおおきくうなずきました。

あるひのかえりみち、あきらくん・じゅんじくん・はじめくんは、かわらのくさむらで、
すうにんのしょうがくせいがあつまっているのをみかけました。
だれかをかこんでつきとばしたり、たたいたりしています。
さんにんは、かこまれているこのふくにみおぼえがありました。
「あー!まさゆき!」
あきらくんがとめるまもなく、はじめくんのおおごえに、しょうがくせいがふりむきました。
そのあしもとにうずくまっているのは、やっぱりまさゆきくんです。
「なんだよおまえら。やんのかよ」
しょうがくせいは、ごねんせいくらいでしょうか。からだもおおきく、かないそうにありません。
まさゆきくんも、ちらりとこちらをみましたが、すぐにめをそらし、なにもいいません。
ですが、さんにんはそのばからうごきませんでした。ともだちをおいてにげるなど、おもいもしませんでした。
どうやったらまさゆきくんをたすけられるか、ひっしにそれだけをかんがえていました。
「はじめ、おまえしょうめんからつっこめ」
「えー!? なんだよおればっか、ずるいぞあきら」
「おまえがおおごえだしたんだからな。それにな、「とっこうたいちょう」だぞ。かっこいいじゃないか」
「た、「たいちょう」か…。よし、おれがいく!」
あきらくんは、たんじゅんなはじめくんをうまくおとすと、つぎにじゅんじくんを
「まさゆきとなかよくなれるかもしれない」とせっとくしました。
(じゅんじくんは、いっしょにうさぎのせわをしていらい、まさゆきくんとともだちになりたいとおもっていました)
「おい、なんだよおまえらこそこそと」
「べつにー。だけどそこのやつ、ぼくたちのところのだから、かえしてよ」

こわがりもせず、しれっといってくるあきらくんに、しょうがくせいはあっけにとられたようすでたちつくしました。
そのうしろで、まさゆきくんもびっくりしてこちらをみています。
「このちび!ようちえんじのくせになまいきだぞ!」
「そっちだってまだしょうがくせいだろ。こっちがようちえんじなのは、ぼくたちのせいじゃないもんな」
けしきばんでむかってくるしょうがくせいに、あきらくんは「いやだねえ、あたまのわるいのは」と
かたをすくめ、さけびました。
「はじめ、いけっ!」
はじめくんが、だんがんのようにとびだしました。さんにんのなかでいちばんちいさいはじめくんが、
ひくいしせいでつっこんだので、しょうがくせいはたまらずせいだいにころびました。
そのすきに、あきらくんとじゅんじくんは、まさゆきくんのところへかけよりました。
「まさゆき、だいじょうぶか?」
びっくりしたまますわりこんでいるまさゆきくんは、ぽかんとあきらくんをみています。
そのりょうてには、ちいさなこいぬをしっかりとだいていました。
「いぬ?おまえ、こいつのために…」
「ぎゃー、いでででで!」
「はじめくん!」
はじめくんのひめいとじゅんじくんのさけびに、あきらくんがわれにかえると、
はじめくんがしょうがくせいにつかみあげられています。
「やばい、はじめ!」
あわててかけよろうとしたあきらくんに、あったかいものがおしつけられました。
「へ?」
それはまさゆきくんがだいていたこいぬでした。こいぬをあきらくんにわたすとどうじに、
まさゆきくんはしょうがくせいに、いっちょくせんにつっこんでいきました。
「うわ、なんだこいつ!」
ふいをつかれてたおれたひょうしに、はじめくんはほうりだされ、
まさゆきくんはそのあいてにしっかりとしがみつきました。
「まさゆき!」
「にげて!はやくっ!」
まさゆきくんは、あきらくんをまっすぐみつめてさけびました。
「まさゆき…」
「まさゆきくん…」

ぼうぜんとたちつくすさんにんのまえで、ほかのしょうがくせいもそうがかりで、
まさゆきくんをひきはがそうとします。
「くそお!このちび!」
それでもまさゆきくんは、はをくいしばってはなれようとしません。
「あきらくん!たすけなきゃ!」
じゅんじくんのこえでわれにかえったあきらくんは、たまらずさけびました。
「まさゆききゅうしゅつがさいゆうせんだ、そうりょくせんでいくぞー!」
「「おー!!」」

そのあとはもうらんせんです。からだがちいさいとはいえ「まさゆきくんをたすける」の
いちねんのようちえんじはてごわく、しょうがくせいたちはだんだんこわくなって、
およびごしになりはじめました。
「よし、いまだ、たいきゃく!ななまがりであおう!」
あきらくんはすきをみてまさゆきくんのてをひき、さんほうこうへばらばらににげだしました。

どれくらいはしったでしょうか。しょうがくせいたちがおいかけてくるようすはありません。
あきらくんは、こうえんのくさむらでほっといきをつきました。
かかえたこいぬがほほをぺろぺろなめてきます。
「わはは、くすぐったい」
てをつないだままのまさゆきくんは、だまってうつむいたまま、なにもいおうとしません。
あきらくんはなかばあきらめて、それでもこえをかけました。
「ようちえんにもどろうぜ。こいつ、のざきさんにみてもらおう」
こいぬはげんきなようすですが、あちこちよごれてしまっています。
「やまむらせんせいもいるかもしれないから、おれたちもてあてしてもらおうぜ」
まさゆきくんのてに、ぎゅっとちからがはいりました。
「まさゆき?」
「…どうして?」
「ほえ?」
まさゆきくんはかおをあげ、じっとあきらくんをみつめていました。
「あのままいけば、よかったのに…」
「は?」
「ぼくが、なぐられてたんだから、かんけい、なかったのに」

「おまえ、そんないいかた…!」
いいかけて、あきらくんははっとしました。まさゆきくんのおおきなめがゆれています。
いまにもなきだしそうでした。
「けが、してる」
あきらくんのほっぺたに、まさゆきくんがそっとふれました。すこしちがにじんでいます。
「あー、へいきへいき。おれんちいしゃだけどさー、こんなのなめてなおせっていわれるぜ」
「…おいしゃさんなんだ」
「おう。おやじがいしゃやっててさ、むすこなんかほったらかしだぜー」
けらけらとわらうあきらくんを、まさゆきくんはおだやかなかおでみています。
「おまえんちさー、いそがしいみたいだな。いつもむかえにこれないし」
あきらくんがなにげなくいったことばに、まさゆきくんのかおがくもりました。
(やばっ)
あたふたするあきらくんにきづかないまま、まさゆきくんはぽつりといいました。
「ぼくは…ぼくは、いらないこ、だから」
あきらくんはぽかんとしたままかたまりました。
「ばっか、そんなわけないだろー!」
おもわずおおきなこえがでていました。
びっくりしているまさゆきくんに、なおもあきらくんはつづけます。
「あまえは、ななまがりようちえんにきたんだぞ?もう、なかまなんだぞ?」
「なかま…」
「そうだ。なかまだ、ともだちだ」
あきらくんはひとことずつ、いいきかせるようにはっきりいいました。
まさゆきくんはなきたいような、うれしいようなきもちで、よくわからなくなりました。
こんなことは、いままでなかったからです。
「ともだち…?」
「そう。…いやか?」
まさゆきくんはふるふるとくびをふりました。そして、とてもぎこちなくですが、ほほえみました。
(あ、わらった…)
あきらくんは、しんぞうがどきっとしました。あわててまさゆきくんのてをひいてたちあがります。
「ほ、ほら、もどろうぜ。あいつらももうかえってるだろ」
てれかくしのようにぐいぐいてをひっぱるあきらくんに、まさゆきくんはすなおについていきました。

そのご、ふたりはこいぬをのざきさんにあずけ、やまむらせんせいにてあてをしてもらいました。
「どんなぶゆうでんだったんだ?」
そうきかれ、さきについていたはじめくんとじゅんじくんが、とくいげにはなしてきかせました。
とうどうせんせいもまじって、なごやかにはなしははずみます。
「でもなあ、としうえがあいてでもけんかはかんしんしないぞ」
「だってぼすせんせー、さきにまさゆきいじめたのはあっちなんだぜ。せいとうぼうえいだよ」
「まったくあきらは、どこでそんなことばをおぼえてくるんだか…」
やれやれとかたをすくめながら、とうどうせんせいはあたたかなきもちで、こどもたちをみつめていました。

つぎのひ、とうどうせんせいはえんちょうしつから、かけまわるえんじたちをみまもっていました。
ふと、あるこうけいがめにはいり、せんせいはへやをでて、にわのかしのきのしたへあるいていきました。
「まさゆき」
こえをかけられて、びくっとふりかえったまさゆきくんは、きまりわるそうにめをそらしました。
きのかげから、ひっそりとまさゆきくんがみていたさきには、あきらくんたちさんにんぐみが
げんきにあそんでいます。
とうどうせんせいは、えがおでまさゆきくんをだきあげました。
「のざきのおじさんも、ごりせんせいも、みーんなまさゆきがすきだぞ。
 まさゆきがきてくれて、すごくうれしいんだ」
しずかなことばを、まさゆきくんはじっときいています。
「まさゆきは、ここがすきか?」
「…はい」
ちいさなこえでしたが、まさゆきくんははっきりとそういいました。
「そうか、よかった。うんうん」
せんせいは、まさゆきくんのかみをやさしくなでました。
「はじめもじゅんじも、あきらもみんなまってるぞ」
そのなまえがでると、まさゆきくんはほほをそめてもじもじとうつむきました。
「あいつらもすきか?」
「……すき」
もっとちいさなこえで、まさゆきくんはこたえました。

(ごじつだん)
まさゆきくんがたすけたこいぬは、きちんとびょういんでちりょうをしてもらったあと、
ようちえんでかうことになりました。なまえは『じぷしー』。
「いろんなばしょをたびしてここにきたんだから、ぴったりだろ」
と、なづけおやのあきらくんはとくいげです。
(まさゆきとおなじだしな、なんていえないけどな)
じぷしーとえがおであそぶまさゆきくんを、あきらくんはちょっとくすぐったいきもちでみていました。

「すっかりほごしゃのかおですな」
「あきらには、てんせいのりーだーしっぷがありますね」
「うむ、しょうらいゆうぼうだ」

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                           ソシテ ダレモイナクナッタ 

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アンザイ先生…楽しいです…_| ̄|○

  • 4人はどんな顔をしているのでしょうか?体は幼稚園児で顔が今の顔だったらめっちゃおもろ~?かな?次の更新楽しみにしています!! -- キムチ!? 2009-10-22 (木) 20:31:39

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