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嵐の誕生日

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ナマモノ現存在モナ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 解散したけど萌えだよな
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ コピペズレテソウ
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10月**日――りっきの誕生日。今年の彼のバースデーは、台風と共に訪れた。

「あのさ、こんな天気の中、ケーキを買いに行くって言ってくれるのは嬉しいけど、
危ないからやめといてね。わかった?じょう」
「うん、わかった」
こくんと素直に頷くじょうを、りっきが胡散臭そうに見る。どうにも、この台風好きな
恋人の言葉を信頼するのは難しい。そう思ってこっそり観察していると、彼は、新聞を
読んでいてもテレビを見ていてもコーヒーを飲んでいても、外が気になるようでそわそわと
落ち着かない。せっかく久し振りにふたりで過ごせる筈(しかも、自分の誕生日)なのに、
じょうが目の前の恋人より、台風の方ばかりに意識を向けているようで面白くないりっきは、
台風に嫉妬する自分を情けなく思いつつ、上目遣いで彼を見た。
「じょうさぁ……」
「んー?」
「俺とふたりで家に居るの、嫌……?」
鼻にかかる甘えた声にじょうの目が丸くなり、すぐにりっきだけに向けられる優しい
眼差しに変わる。
「ばっかじゃねーのお前。そんなわけ無いだろーが」
低く、けれども、やはりこちらも甘く囁くと、りっきを引き寄せ、口付けた。
――それから数分後。
納得のいかない顔をしているのはじょうである。
「なんだよお前、誘っておいてダメって」
「何言ってんのさ!こんな昼間っからエッチしようなんて言ってないじゃん!」
「いや、あれは言ってただろー」
「言ってないっつーの!勝手に決めないでよ、もう!」
キスを繰り返しながら、恋人のシャツの中に手を忍び込ませようとしたところを阻止
されてしまったじょうが顔を顰めたが、りっきは相手にしない。じょうはすっくと立ち上がった。

「わかった。もういい。その代わり、俺、ケーキ買って来るわ」
「は?わけわかんない!前後が全然繋がってないでしょ!」
驚くりっきに構わずさっさと玄関に行きサンダル(おそらく濡れてもいいように)を突っかける。
「やっぱり台風で外に出たかったんじゃん!」
「おー!外はすっげーぞ、りっき!」
りっきの言葉には耳を貸さず、ドアを開けたじょうが言った。風が吹き込み、部屋の
空気を荒々しく攪拌する。
「じょうってば、危ないからやめときなよ――あっ!」
引き止めようと伸ばした手は、間一髪で間に合わず、じょうは台風に飛び込んでいった。
激しい雨の中を遠ざかっていく背中。呆れたりっきがぽかんと見ていたのは束の間で、
すぐにハッと正気に返る。
「何がケーキだよ。財布どころか傘も持ってないじゃん!ちょっと待ってよ、じょう!」
慌てて靴を履き、傘を手に取る。
「じょう!風邪ひくよ!待ってってば!」
風と雨に負けぬよう、大声で叫んで傘を開いた瞬間――
轟!と吹いた風で、傘が瞬殺された。それを見ていたらしいじょうの楽しそうな高笑いが
聞こえてくる。バカうけである。
「もう!」
傘を投げ捨て(これは後できちんと拾って帰った)、じょうを追って駆け出す。気づいた
じょうが、既に奇声のレベルに達した笑い声をあげながら逃げる。
「何逃げてんのさ!もう帰ろうよ!」
対照的に、必死の形相で追うりっき。
通りには他に人影は無く、ふたりきりの嵐の中での追いかけっこは、その真剣さの差が
出て、たちまちりっきがじょうに追いついた。
「捕まえた――わっ!」
掴んだ腕を強く引き過ぎ、バランスを崩したりっきがじょうを巻き込んでひっくり返った。

「いて……。あっ!じょう、大丈夫?俺、強く引っ張りすぎちゃって……ごめんね、どこも
痛くない?……じょう?」
声をかけ、どう倒れたのか自分の横でうつ伏せになったまま動かないじょうを、不安げに
覗き込む。
「ん……」
くぐもった声が聞こえたと思ったら、ごろりとじょうが仰向けになった。
「じょう!ねえ、どっか痛いの?だいじょ――」
す、と上がった手が頬に添えられ、りっきの科白は風に攫われるように途中で消えて
しまった。共にずぶ濡れのまま、瞳を見つめ合う。
「誕生日おめでとう、りっき」
「……あ、ありがと、じょう」
じょうの手に促され、りっきから唇を重ねる。触れるだけのキスをして離れようとすると、
じょうがりっきの頭に回した手に力を込め、再び唇が重なった。角度を変え、何度も
啄むように口付けてからようやくりっきを解放し、ゆっくり立ち上がる。その様子をぼーっ
と見ていたりっきに手を貸して立たせると、今度はそっと彼を抱きしめた。
「今年も、お前の誕生日を祝えて良かった」
お前と一緒にいられて良かった――言葉に出されなくても解る。りっきも、同じ気持ち
だから。
「うん……俺も嬉しい。有難う、じょう」
言って、じょうの背に腕を回す。
風雨に体温を奪われ、冷えた身体に僅かに残った温もりを、互いに分け与えるように
抱き合う。心だけが、じんわりと温かかった。

「もう、ホント信じらんない!パンツまでびしょ濡れじゃん!」
「ひゃはははは!お前、髪がぺったりひっついてて頭の形がいちもくりょうぜん!」
「……鏡見なよ、アナタもそうだから」
「マジでー?――ホントだ!すげー!おかしいだろこれはー!」
鏡で自分の顔を見て爆笑しているじょうに、早くシャワーを浴びるよう、怒ったように
急き立てる。しかし、そんなりっきの口元も緩んでいるのは、先程のキスの余韻の
せいだ。あんなことをしてくれる恋人を、そうそう怒れる彼ではない。
「着替え、適当に用意するから、さっさとお風呂場に行って!あ、今、お湯を溜めてるとこ
だから、湯船に浸かるといいよ」
白金の髪から雫をポタポタと落としながら言ったりっきが、くしゃみをする。と、じょうが
りっきの腕を掴んだ。
「……何?」
「何?じゃねーよ。お前も風呂入るんだよ!風邪ひくだろーが!」
「そりゃ入るけどさ、じょうの後でいいよ、俺」
「待ってる間に風邪ひくって、お前ー」
「大丈夫だから、ね?」
「……お前、ヘンなこと考えてるだろ」
「ヘ、ヘンなことって?」
タオルを出して頭や顔を拭っていたりっきが、口元をタオルで覆ったまま、上目遣いで
じょうを見る。張り付いた髪の隙間から覗く頬が赤いのは、彼の指摘が正しかったことを
証明している。
「ばかじゃねーのお前。まずは風邪ひかないことが先決だろうが。さっさと風呂入ろうぜ。
俺もお前も風邪ひいてる暇なんて無いんだから」
「うん……そうだよね。じゃあ、着替え用意してすぐ行くから」
「おう。早くしろよ」
「わかってるって!」

そうと決まればお風呂大好きなりっきのことである。てきぱきと二人分の着替えを
揃えると、バスルームに急いだ。
扉を開けると、じょうはすでに湯に肩まで浸かり、鼻歌を歌っていたが、りっきが入って
くると鼻歌をやめ怪訝な顔で見上げてきた。
「……お前、何タオル巻いてんだよ」
「え?だってなんか恥ずかしいじゃん」
「恥ずかしいってお前、もう飽きるくらい見てるだろ、お互い」
「そうだけど……てゆうかさ、じょう……もう飽きちゃった?」
首を傾げて尋ねるりっきに、にんまりと笑う。
「飽きてねえよ。だからタオル取れってー」
「だめ!」
「ケチだなお前ー」
「そういう問題かよ!」
りっきが叫ぶと、じょうの笑い声がバスルームにこだました。
シャワーを浴びたりっきが、じょうの隣に座る。
「はー、生き返ったー。やっぱいいねー、お風呂。ちょっと窮屈だけど」
頬を上気させ、気持ち良さそうに目を細める彼に、じょうが何言ってんのと笑う。
「お前、なんで無理して端に寄ろうとしてんだよ。こっちにくっつけばもっと広く感じるって」
そう言って、りっきの腰に腕を回し、引き寄せようとする。
「わわっ!ちょっと、いきなり何すんのよ!」
「何?感じちゃった?」
「……」
よりいっそうじょうから離れようと、小さいバスタブの許す限りの距離をとり(つまりは、
殆ど離れていないわけだが)顔を真っ赤に染めながら上目遣いで睨む。それでもここ
から出て行かないところが、彼の可愛いところだなどと考えて、じょうのにやけた笑みが
大きくなった。

「ヘンなことしないんじゃなかったの?」
「してねえだろーが」
「しようとしてたじゃん!」
「してねえって!あれは別にへんなことじゃないだろー?」
「……そう、かな?」
強固に言われ、少し自信がなくなってきたりっきの呟きに頷くじょう。
「そうだって。――ヘンなことって言うのはな、」
「へ?」
「こういうことだろ?」
「あっ、ちょっ……じょう!」
口調の変化を敏感に感じ取ったはいいが、バスタブ内で思うように動けず、脱出に
失敗したりっきの、未だ腰に巻いたままだったタオルの上から、彼自身にじょうの手が
触れてきた。
「やっ、やめてって……あ……ぁ」
暴れる程のスペースが無い為、辛うじてじょうの腕を掴み、引き剥がそうとするの
だが、いつの間にかタオルの中に潜り込んできた手に握られ、緩く刺激を与えられると、
体中の力が抜けてしまった。
「んぅ……」
「溺れっから口じゃ無理だなー」
楽しそうに、さらりとそんな科白を口にするじょうに、りっきが耳まで赤くなる。
じょうは力の抜けたりっきの足を開かせると間を詰め、逃げられないりっきの唇を
啄んだ。
「じょ……待っ、て……。やだ……あっ」
「やだ?なんでだよ?」
そう言って、空いてる方の手を胸に滑らせる。

「あ、あ……っ」
掌で少し刺激しただけですぐに反応を見せる、彼も、彼の身体も可愛くて堪らない。
胸の突起と、彼自身を弄られて全身をビクビクと震わせているりっきに、拗ねるような
口調で尋ねる。
「俺とやるの、そんなに嫌なわけ?お前」
「ちがっ……!」
「じゃあ、なんだよ」
「ん……だっ、て、ここ……狭いし……」
顔を俯かせたまま、ちらりとじょうを見てから恥ずかしそうに伏せられる、潤んだ瞳。
それがじょうを更に煽っているなどとは、少しも気づいていない彼に苦笑する。
「狭いし、何?」
「……声……響くから……ここじゃ、や……ぁ」
場所の問題なのだと、行為そのものを拒否しているわけではない彼に、じょうが
嬉しそうに笑った。
「ははっ!重なっちゃえば一人分のスペースしか必要ねえじゃん!それに、外は台風
だから、声なんて聞こえやしねえって」
だから、とりっきの耳に唇を寄せる。
「遠慮なく聞かせろよ、お前の声。いっぱい……な?」
「だめだって……は、あぁ……っ!」
急に強く扱かれて、それでも身を捩って抵抗を試みるりっきをものともせず、彼の
片方の足をじょうが抱えた、その時――
「ちょっと!待っ……わっ!!」
バスタブの底に、身体を支えるようについていたりっきの手が滑り、片足を取られて
いる彼はバランスを崩し――
湯の中に沈んだ。

「りっき!」
湯の中で暴れる彼を起こそうとするが、うまい具合に出来ないのは、自分が彼の
足を持ったままだからだと、ようやく気づいて手を放したじょうが、今度はりっきの
腕を掴み、引き揚げた。
「おい、大丈夫か?」
バスタブのふちに凭れ、気管に湯が入ってしまったのであろう、苦しそうに咳を
繰り返すりっきの背を軽く叩きながら声をかけると、恨めしそうな目をした彼がじょうを
振り返った。
「じょう……お、俺を、殺す気?」
咳の合間に言う彼に、彼が無事だったことに安堵したじょうは――爆笑してしまった。
「!!何笑ってんのさ、じょう!」
死ぬような目にあったりっきが、今度は怒りで頬を染める。むきになって怒る彼に、
こんな元気があるなら心配ないだろうと思うと、ますます笑いを止めることが出来ない。
りっきが勢いよく立ち上がり、それによって生じた波がじょうの顔を直撃した。
両手で拭った顔を上げると、りっきがバスルームから出て行くところだった。
「じょうのばかっ!そうやって一人で笑ってなよ!」
「あっ、おい、りっ――」
じょうの呼びかけも空しく、ドアは乱暴に閉じられた。
とりあえず笑いの発作を抑えようと、ゆっくり湯船に浸かって落ち着いたじょうが
リビングに戻ると、可愛い恋人は膝を抱えてソファに座り、つまらなそうな表情で
テレビを見ていた。
「りっき」
声をかけても、一瞬チラリと目線を寄越したきりで、微動だにしないりっきに苦笑する。
「おい、りっきちゃん。さっきは悪かったってー。機嫌直せよ、なー?」
「……もう少しで誕生日と命日が同じ日になるとこだったのに、あんなに笑うこと
ないじゃん」
「だーかーらー、悪かったって謝ってるだろ?誕生日プレゼントやるから許せってー」

「……プレゼント?」
一緒に過ごせるというだけで、それが最高のプレゼントだと思っていたりっきは、
驚いてじょうを見た。じょうが差し伸べた手を取ると、こっちだと寝室に連れて行かれた。
ベッドに座らせられる。
「俺、なんか貰えるなんて思ってなかったから、ビックリ――」
言い終わらないうちに唇が重ねられ、そのまま押し倒される。
「!?ちょっと……んんっ」
抗議しようと開いた唇から、じょうの舌が侵入してくる。情熱的に口内を犯されて、
りっきの抵抗が止むと、じょうは唇を解放した。
「プレゼント……くれるんじゃ、なかったの?」
「あげるよー。キスして“あげる”し、セックスもして“あげる”。気持ちよくして“あげる”
し、愛して“あげる”。それから――」
下からぽかんと呆れたように見つめてくるりっきに気づき、黙る。しばし見つめ合った
後に、ニヤリと口角を上げた。
「嫌か?」
「……なんか俺、騙されてる?」
眉を顰め、首を傾げたりっきの言葉に笑うと、じょうは再び恋人に口付けた。

「キスもセックスも気持ちよくするのも愛するのも、俺だってやってるんだから、
あれじゃプレゼント交換じゃん」
とは、後のりっきの言葉である。しかしあの後、かなり長い時間、寝室から彼の甘い
声が聞こえていたことや、先の科白をじょうに言った後に(対するじょうは「なるほどー」
と笑っただけだった)、こっそりと胸の内で
(でも、すっごくいっぱい幸せも貰ったから、いっか)
と呟いたことを考えると、どうやらそれは抗議ではなかったようだった。
じょうからプレゼントを貰っている間に台風は通り過ぎ、りっきはライバル(?)に
邪魔されること無く、その後もふたりきりの甘い誕生日を過ごしたのだった。

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                    |  王道カプ萌え~
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| てゆうか無意味に長かったな
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  スミマセン・・・
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・l|l)(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ__
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