Top/49-528

レイトン教授シリーズ レイトン×ルーク

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
※時間旅行の数年後設定です。
※無理やりな部分があります。
※かなり想像部分があります。ご注意ください

「先生…あんまりです…」
外国に引っ越していたハズのルークがなぜか目の前にいる。いや、落ち着くんだ私。
昼間から寝ぼけるとは随分だな。英国紳士失格ではないか…。
「で、なぜ私の夢にルークが居るんだい?」
「何をとぼけてるんです?そんなことより、僕がいない間に随分と部屋が散らかりましたね…」
目の前のルークはため息をつきながら、やれやれといったふうに首を振る。
「君は部屋の汚さを指摘しに、出てきたのかい?」
「…あーもーなんでもいいです。とにかく、この散らかり様は酷いです。片付けをしましょう、先生」
そう言って、ルークは床に散乱する紙を拾い始めた。
私はというと、苦手な掃除を夢に見るほどだから、現実はもっと凄いのだろうと想像するだけ。
やれやれ、起きたら片付けでもするかな。
私は椅子に腰掛けると、せっせと紙を拾い、まとめていくルークを見つめる。
「おや、ルーク。君は少し身長が伸びたかい?」
そういえば、トレードマークの水色の帽子はそのままだが、着ている服もどことなくシャープなラインになっている。
夢なのに、随分と現実的じゃないか。
ぼんやりとそんなことを考えていると、ルークは照れたような怒ったような顔をする。これは照れているな。
「そ、そりゃあ…身長も伸びますよ。成長期でしたから」
ルークは片付けの手を休めると、ゆっくりと私に近づいてくる。
目の前で立ち止まる姿は、確かに以前よりも見上げる角度が大きい。
「…どうかしたのかい?」
「……」
「…ルーク?」
しばらく沈黙が続くのは、ルークが言葉を探しているからだろう。
「…先生は…なぜ僕に会いに来てくれなかったんですか?」
今にも泣きそうな顔だ。あの日、ルークが船に乗り込む数十分前の顔と重なる。
しかし、似ているもののそれは確かに違うもので、別れてからの彼は身心ともに様々な経験をし、成長したことが分かる。

「行けなかったんだ、仕事が忙しくてね。申し訳ない」
とは言うものの、ルークの表情を見ていると、信じてはいないようだ。
確かに、忙しさが100%の理由ではない。負い目…というものを感じてもいるんだ。
「先生にとっては…子どもの遊びにつきあっていただけですか?」
「そんなことはないよ、ルーク。言ったじゃないか、『君との旅は、いつも楽しかった』とね」
「…でも、手紙だって、僕が出す物に返事を書いていただけでしょう?」
「おや、そうだったかな?君はとてもこまめに手紙をくれていたね」
「誤魔化さないでくださいっ」
仕方ない。観念しようじゃないか。
「私はね、自分がもしかしたら間違いを犯したかもしれないと、思うことがあるんだ」
そう切り出すと、私は彼と過ごした3年間を振り返った。

△ △ △

ソファに座るルークは、神妙な顔で私の話を聞いている。
私自身も自分を振り返りながら話しているためか、時間が随分経過した。空の色が赤くなっているのだ。
「私と違って、若い君の貴重な3年間のほとんどを、君は私と過ごしてしまった。私自身、その状況を利用していた部分もあるんだ。君はとても優秀だったからね」
ルークの表情は変わらずで、話を先に促す。私は苦笑いを返すしかなかった。
「本来なら、もっと違った、例えば友人なんかもできていたと思うんだ。年相応のね」
「僕が自分から選んで、先生の傍にいたんです。先生に言われたわけじゃありません」
間、髪いれずに返すルークの拳には力が入り、微かに震えているようだ。
怒りだろうか、それとも軽蔑だろうか?どちらにせよ、私は受け止めなければいけない。
「子どもだった君から、選択肢の多くを奪ったことには変わりないさ」
ルークがやって来る前に入れた紅茶は冷え切り、香りも飛んでいるが、かまわず口にすると、大きく深呼吸をした。
相手のことを思いやり、自分の気持ちを押さえつけることもまた、愛情の一つだと思っていいだろうか。
さあ、これで終わりにしなければいけない。
「すまなかった、もう、私にかまうことはないんだよ、ルーク」
私は座るルークの横に立つと、彼の頭を撫でた。
「君との時間は、本当に楽しかった」
これは本当だ、紛れもない真実だ。この気持ちは今も変わらない。

ただ、これ以上私の我侭でルークを縛りつけることは出来ない、してはいけない。
私を見上げるルークはどこかぼんやりしている。そろそろ夢が覚める頃だろうか?
夢でここまで、気持ちを伝えることが出来るんだ。こんどは現実でも伝えなければ…。
「…先生は、僕が嫌いですか?」
「そんなことはないさ、大好きだよ」
出来ることなら、愛していると伝えたいが。
「それでもっ、あの時みたいに、僕に何も言わずにどこかに行ってしまうんでしょう?」
「…ルーク…」
「…先生、いつまで僕を子ども扱いするんですか?ここへだって、一人で来たんですよ」
「子ども扱いしているわけではないんだがね…」
「し、して…してるじゃないですか!!」
声を荒げるルークは私の腕を勢いよく振り払った。
「おっと」
「先生はそうやって、結局は何も教えてくれませんでしたね。先生のことだって、ほとんど僕知りませんでした!」
「それは誤解だよ、ルーっぅわっ!!」
何を考えているのか、興奮したルークは勢いのままに私を床に押し倒した。
あと少しずれていたら、机の角に頭を強打していたかもしれない。シルクハットが脱げてしまったよ。ルークはまだまだ英国紳士には遠いようだ。
「痛いじゃないか、ルーク…悪ふざけはいけない」
「…先生…聞いて、ください。…僕、本当に先生が…好きなんです」
「ルーク…?」
ルークの目に溜まった涙が今にも零れ落ちそうになる。人前では泣いてはいけないと、言ったはずなんだが。
「もう…何も知らない子どもではいたくないんです…」
言うが早いか、ルークは私の頬に手を添えると、そのまま顔を近づけてきた。
触れたルークの唇は熱く、私よりも高い体温だと実感させられる。
「なにを、馬鹿な…」
私の唇に指で触れると、ルークの目からぽたりと雫がこぼれた。
「もう、ここには来ませんから、…今日…今だけ…許してください」
そう呟くルークの表情には悲嘆や欲情が表れて、かつての少年との違いを痛感させられる。
「…やめなさい、ルーク。君はどうかしてっ…」
馬乗りになった今のルークを避けるのはどうにも難しいようだ。正気に戻そうにも、そもそもこれは私の夢だ…。
…私の願望か…、これは…!?

「先生は、夢だと思っていればいいですよ。こんな最低な助手なんて、そもそも居なかったんだ」
再度ルークは私の唇に自分のを重ねた。その繰り返される稚拙な口付けに、ルーク自身が息を弾ませて真っ赤になっている。
「…っはぁ…、っ…」
見兼ねた私は、彼の隙をついて上半身を起こす。その反動で今度はルークが後ろへ倒れてしまう。
「…わっ…!!」
「ああ、すまない。ルーク、大丈夫かい?」
私が起こそうとルークの腕に触れると、彼の腕がビクリと震えるのが分かった。
「ぁ…、ご、ごめんなさいっ。すみませんっ、ぅ…っ…ふぇ…」
ルークの目からは洪水のように涙が溢れ、羞恥で真っ赤にした顔を、もう片方の腕で必死に隠している。
謝罪の言葉ばかりを繰り返しているために、まるで私がルークをいじめているようではないか。
「すみませっ…、っん…」
今度は私から唇に触れる。求められたからには、それなりにお相手しなければなるまい。
英国紳士としてはね。
しかしルークはと言うと、その行為に強張った腕で私の胸をなんとか押し返そうとするだけ。
「…ん、や…め…」
何を止めろと言うんだ。そもそもルークが望んでいたことではないのか?
嫌々と首を振るのを顎を掴んで押さえると、微かに開いた口に自分の舌を滑り込ませた。
角度を変えては、より深く舌を絡めていると、ピリリと痛みが走る。どうやらルークに噛まれてしまったようだ。
「痛た…」
「…せ、先生は、僕みたいな気持ちじゃっないのに…」
気が動転しているのか、泣きすぎて引付を起こしているにも関わらず、言葉を続ける。
「なんで…っこ、こんな…」
「君が、そう望んだのではないのかい?」
ルークのネクタイを引き抜くと、それをソファの上に無造作に置く。
最後に会ったときまでは、ネクタイはしていなかった気がする。
そこからもルークの成長を感じ、場に相応しくないが微笑ましくなってしまう。
涙が止まることはないようだが、急に青ざめ、大人しくなったルークのジャケットとベストの前を開ける。
そのまま躊躇いなく、シャツのボタンも外して胸元を肌蹴る。
そんなに泣いていたら、いつか干からびてしまいそうだよ。

キメの細かい肌を舌で這い、時折、痕を残しては震えるルークの反応を楽しむ。
「サスペンダーは、もう使わないんだね」
「……」
視線は逸らしたまま、反応すら返ってこない。まあ、期待はしていなかったが。
私は、ふっとため息を吐くと、どうしたものかと思案する。
「ルーク、君ね。泣くほど嫌なら、ちゃんと抵抗したらどうだい?それとも容認している?」
私としては、このまま進めてしまってもいいのだがね。
しばらくの沈黙後、涙も枯れ果てぐったりしたルークが呟いた。
「…先生が、こんなことをする理由が…分かりません…」
それはそうだろう。そもそも君は私の気持ちを聞いたこともないじゃないか、そこだよ。
「なぜだろうね。さっきの君の行為に腹を立てて、仕返しのつもりでやっていると?それとも慰め?」
「…ちが…うんですか…?」
「…君は私をそんな男だと思っていたのか…」
これはとんだ誤解だ。
「そもそも君は、私に気持ちを尋ねもしないで、早合点しているだけじゃないか」
「……」
「ルーク、私を見なさい」
涙に濡れたルークの頬をそっと撫でると、先ほどから逸らしていた視線が、やっとこちらを向く。
「はは、ウサギみたいに目が真っ赤じゃないか」
こんな状況でも茶化してしまう私を、ルークはウサギの目で睨みつけてくる。
「これは失礼。ちゃんと、全てを君には話すよ」

△ △ △

「さっきの言葉は本心だ。現実問題、君は私といたことで年相応の経験は出来なかった」
「だから…っ!」
「まあ、聞きなさい。…一方で、大人社会に居るために、随分と背伸びを強いていたことも確かなんだ」
そうだ、当時は会う人間の多くは大人で、彼の子どもらしさを必要とする者はほとんど居なかった、一番近くで、彼を知る私でさえ。
「だから、まだ間に合うんじゃないか、そう思って私は君から離れようとしたんだ。手紙のこともね」
「…それは…先生のエゴです…」
「そうかもしれない」

私は肩の力を抜いた。伝えたいのはここじゃない。ここからなんだ。
「その反面、私は君を離したくないとも思っている。だから求められるままに、こうして、君を抱こうとしているわけさ」
「…そんなの…嘘だ…」
「…そう思うかい?…君の気持ちもね、実は、随分前から気づいていたよ」
「なっ…んで…!」
「君には…分かるかな。この年になるとね、恋愛というものに臆病になるのさ。ましてや君とは年が離れている。君が心変わりしたとき、私は割り切る自身がないんだよ」
なんと自己中心的な考え方なんだ、これでは英国紳士失格だ。
「私はもう、失うのが嫌なんだ」
「…そうやって、今度は子どもでいろと言うんですか。僕がどれだけの間、先生を好きだったのか、知っているんでしょう?」
「ルーク…」
ルークは私の腕をしっかりと握り、けっして離そうとはしない。
「先生が怖いなら、僕は先生がいなくなるまで傍に居ます。先生の最期だって見届けます。これならどうですか?」
その瞳からは彼の真剣さが伝わってくる。よくよく考えれば、相手の気持ちをしつこく疑うなんて、私らしくない。
「君には負けたよ…ルーク…。これからは、私の、恋人でいてくれるかい?」
「もちろんです、先生」
ルークの唇に再び触れると、目じりに溜まった涙を指で拭う。
抱え込んでしまっていた彼の足を降ろすと、その扇情的な姿から視線を逸らした。
「ルーク、君は紅茶2杯分は泣いているんじゃないか?紅茶を淹れてこよう」
立ち上がろうとする私の袖を引く腕は、当たり前だがルークしか居ない。
おや、ルーク、顔が真っ赤になっているがどうかしたのかい。
「先生…あの、もし…僕の我侭を聞いてもらえるなら、この先を…」
ルークはその先を言おうとはしないが、ここは大人の余裕で察するべきだろう。
いつもの癖で、シルクハットを直そうとするが、空振り。…私も相当、動揺しているようだ。
「仕方のない子だね」
代わりとでも言うように、私はルークの脱げかけた帽子を傍のテーブルへ静かに置いた。

△ △ △
△ △ △

「ところで先生、まだ夢だと思っていますか?」

「まさか、それにしても、君はどうしてここへ?」
「あれ、先生に手紙でお伝えしましたよ、留学するって」
「…どこへだい?」
「ここへ」
「こことは?」
「先生の大学へ」
思わず紅茶を吹いた私。
「うわっ!先生、汚いじゃないですか…」
「すまない…、で、初耳なんだが…私の大学へ?」
「だから手紙で伝えましたよ」
「せ、専攻は…」
「もちろん、考古学ですよ、だから先生の恋人、兼、助手です」
その晴れ晴れとした表情に私は言葉を失う。なんと計画的な…、とんだ英国紳士だ。
まあ、彼がいいのなら、それでいいのだろう。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP