MW 結城×賀来 「妄執」
更新日: 2011-01-12 (水) 00:29:30
・映画版 無宇
・銀行員X神父 前提ですが、反対でもオケーww
・神父視点。からみは有りませんが女性が出ます。注意。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「神の御前に全ての罪を告白し、懺悔なさい。」
私は今日もこの懺悔室に縋り流れ着いた、
罪に震え戦く子羊の、か弱き言葉に耳を傾ける。
朝から降り続く雨と、普段この教会内に響き渡っている
庭で遊ぶ子供達の笑い声が聞こえないせいか、
部屋の中は薄暗く、空気はじっとりと肌にまとわり付き、
私はそっと顳?を押さえた。酷く頭が痛む。
「…どうしましたか?恐れる事は有りません。神に全てを告白なさい。」
柵の向うの人影は俯いたまま一向に言葉を発しない。
顳?に添えた指越しに、相手を見遣る。
ベールを被っている、肩のラインから推測するに女性の様だ。
「…さぁ、」
囁く様に促すと、柵越しに唾を飲み込む音が聞こえ、
吐息まじりに子羊は小さく頷いた。
「私は、彼を殺してしまうかもしれません。」
「私には彼しかいないのです、彼だけいればいいんです。
彼は私を愛してくれました。何も無い私を。
私の頬をなで、微笑んでくれました。
私の体を何度も何度も、触って、口付けて、抱いてくれました。
私の中は彼で満たされ、彼だけしか見る事が出来なくなりました。
彼は私のすべて、私の命、私の神になりました。
…だけど、彼は違う。彼の中心に私は居ない事に気付きました。」
先程より雨音が激しくなったみたいだ、女性の声が聞き取れない。
顳?が痛い。吐き気がする。
「彼は私といても時々遠い目で
何かを考えている事が多くなりました。
私を抱いている最中でさえ、
心が何処かに彷徨っているのが分かるのです。
私は彼に気に入られる様に、何でもしました。
彼は喜んだ様に微笑みます。愛していると囁いてくれます。
でも、彼の中は私だけじゃない。私だけを見ている訳じゃない。」
啜り泣く女性の声が鼓膜に張り付き、脳を浸食する。
だけど、彼女の言葉の意味が理解出来ない。
耳鳴りがして、頭がぐらつく。きもちがわるい。
「…あの女。」
子羊が呪詛を吐く。
「あの女がいるから!彼は私の物にならない!
私だけの物にならないなら、いっそ…いっそ、」
じっとり粘つく湿気が首筋に絡み付く様が不快で、
緩めた詰め襟の間に、冷たい水気を含んだ空気が流れ込み
やわやわと喉元を締め付ける。昨日の夜の彼の様に。
「殺してしまいたい。彼を殺して私も死にたい。
あの女の目の届かない所へ隠してしまいたい。
でも殺したくない。彼に触れられなくなるのは嫌。
でも殺したい。私から心が離れる前に。」
耐えきれない吐き気にうめきながら、懺悔室の壁に頭を擦り付ける。
胸に下げたロザリオを握りしめ、空いた左手で片耳を塞ぐ。
彼女の言葉が理解できないんじゃ無い。理解したくないんだ。
だって彼女の懺悔は私の…俺の
「すてないで。」
やめてくれ。
「すてないで。愛して。私だけを見て。」
もう、やめてくれ。これ以上俺の中を暴かないで。
「すてないで!すてないで!すてないで!すてないで!すてないで」
この世で一番罪深い子羊は俺だ。彼女は俺の鏡だ。
両手で顔を覆い罪の満ちた小部屋の中で俺は泣いていた。
「俺だけを見て。すてないで。ユ…キ…」
初日みて堪らなくなってやった。
初投稿なのでつたなくて申し訳ない。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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