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オリジナル 「秘密」

お借りします。 オリジナルです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

まだ震えが止まらない。
キャスは痩せているし、唇や眉にピアスをしていて、たまにアイラインなんて引いているから
エモだとか、ゲイだとか言われてからかわれていた。
そして、そうやって一番いじめているのがカイルだった。
カイルは女の子にモテるし、スポーツも勉強もできるという典型的な人気者だから、
皆カイルのマネをしてキャスをからかってた。
キャスはどう思ってたか知らない。彼はいつも、どうでもいいって感じで無視してた。
それが僕には何となく大人っぽく、かっこよく思えた。もちろんそんなことカイル達には言わないけど。

夕方の暗くなった校内。
レポートのコピーを安くあげようと、誰もいない司書室に忍び込んだことを後悔する。止めとけばよかった。
奥の準備室で物音がしたからといって、見にいかなければよかった。
隙間から見えたのはカイルとキャスの姿。二人っきりでいるなんてあり得ない。

最初は何してるのか分からなかった。ケンカして縺れ合ってるのかと思った。
キャスは辛そうで、ピアスが光る唇からは溜息がこぼれていたし。
大きな手がキャスの顔を掴んで引き寄せ、細い身体を抱きしめている。
椅子に座ったカイルにキャスが抱きかかえられている。キスしてる!?

僕はとっさにばれないように身を潜めた。気づかれてはいないみたいだ。
というか、二人とも夢中でお互いしか見ていない。

後ろにまわされたカイルの手は、Tシャツの中に滑り込み、キャスの背中をゆっくりとさすっていた。
キャスの身体が、それに反応するようにしなやかにくねる。
時折キャスがかすれたような声を漏らすと、すぐにカイルが唇を塞ぎ、静かになる。
部屋に響くのは、普段聞こえないような衣擦れの音、そして舌が絡みつく音だけ。

心臓の音が聞こえてしまいそうな気がした。
結局僕はコピーも出来ずに、こっそりと司書室を出て行くはめになってしまった。

なんなんだ? あの二人。震えが止まらない。頭の中がぐちゃぐちゃだ。
誰に言っても、信じてもらえないだろうな。
そう思ったら何だかほくそ笑んでしまった。

ありがとうございました。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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