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ヘタリア アメリカ→←イギリス

下手
米→←英
悲恋風味です
極短尻切れとんぼ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「俺を愛せよ…!」
米の上に馬乗りになって米の首を絞めながら(といっても全く力は入っていないけれど)、英は喉の奥から絞り出すように言った。
米がただそれを眺めていると、顔に水が降ってきた。米が英の緑の美しい瞳(米は昔からこの色がとても好きだった)を見れば、涙がいっぱいにたたえられていた。
それに光が反射して、緑はきらきらと輝いていた。米は素直にきれいだと思った。
英は溢れるそれを拭おうともせず、しかし米の首を絞める手も強めず、ただ語気だけを荒くして言った。
「なぁ、何か言えよ…っ、ちくしょう、なんで誰も俺を愛してくれないんだよ!?」
そんなことは米の知ったことではない。
英の兄たちのことはよく知らないし、仏や西は米が生まれたときにはもう取り返しのつかないレベルには英を嫌っていた。
ただひとつ米が知っていることといえば、米は英を愛しているということだけだ。
昔そう言ってみた(そのときも確か英は泣いていた)ことがあったけれど、英はひどく傷ついた顔をして、簡単に愛してるだなんて言うんじゃねえよ、と美しい瞳をもっと美しくさせて泣いた。
とどのつまり、米はどうしたらいいのかわからないのだった。

とりあえず自分に雨を降らせている美しい緑の瞳に、手を伸ばしてみると、彼の顔はひどく暖かかった。
下瞼に溜まる涙をそっと拭ってやると、臆病な愛しい兄はびくりとその身を震わせた。
「なぁ英、俺が何回君を愛してるって言えば、君は泣き止んでくれるんだい?」
英はまた傷ついたふうな顔をして、そして米の首から手を離した。
「ごめん、ごめんな米。無理させてごめん。お前は昔から優しい子だったもんな。」
そして両手で顔を覆って、また泣いた。
米は起き上がって自分より大分小さくなってしまった兄を抱き締めた。
「ねえお願いだから泣き止んでよ。俺は君を愛してるんだ。信じてよ。君の兄や腐れ縁たちが君をどんなに嫌っても、俺は君を愛しているんだ。」
米の腕の中の英がびくりと動いた。
そして顔を覆っていた手をゆっくりと外すと、にっこりと美しい(けれども痛々しい)笑みをつくって言った。
「ありがとう、俺の可愛い米。お前はいつまでも俺の自慢の弟だよ。」
そして米の胸をゆっくりと押し退けると、ごめんな急に、またスコーンでも持ってお詫びに来るから、と言って、ふらふらと米の家から出ていった。

米はそれを見送ることもできずにそのままの姿勢でしばらくの時を過ごした。
ふと頬に手をやると、英のものではない涙が伝っていた。ああ何度目だろうかさっきのやりとりは、と心のどこかでぼんやりと思った。
今ごろ愛しい兄はどこで泣いているのだろうか、俺以外に味方なんていやしないのに。
誰に言うともなしに米は呟くと、そのままベッドに倒れ込んだ。
羽毛の柔らかさが心地よかった。いつかに英と寝たベッドも、柔らかかったと思った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

お粗末さまでした!


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