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428 ~封鎖された渋谷で~ 片山→御法川

スレお借りします
ゲーム「4/2/8」のライター編、本編終了後の捏造話です
途中で出てくるTIPは素人のにわか知識ですので信用しないで下さい…

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ほんのちょっとだけ印刷屋→ライター風味だモナー
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  未プレイの人は本編ネタバレ注意だからな!
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「…ふう」

御i法i川は発売されたばかりの「噂iのi大i将」最新号のページを満足げに閉じた。
それをテーブルに置くと、応接ソファに体を沈めて静かに目を伏せる。

よし。
それなりにいい出来だ。
もっと時間があれば突き詰めていけたであろう箇所もちらほらと目に付き、
甘かったかと歯噛みしたが、それは今後の号で形にしていけばいい。
なにより、事件が発覚した直後に発行された雑誌で「噂iのi大i将」ほど
詳細に真実を記したものはない。文字通りのスクープ記事。
テレビと新聞にはスピードでは叶わなかったが内容で負けたとは思えなかった。
大手マスコミではこの記事を書けない。この俺の記事は他人には書けない。
さあ、ここからが勝負だ。
閉じていた瞳を開き、視線を手元のメモ帳に一直線に叩きつけた。
次号のための企画案を愛用の万年筆で書き込んでいく。

「精が出るな、御i法i川」

頭i山が御i法i川の手元を覗き込む。

「なんだ、いたのか。頭i山さん」

「なんだはないだろう。ここは俺の会社だ」

頭i山は御i法i川の前に置かれた「噂iのi大i将」を手に取り、パラパラとめくった。

「…いい出来だな」

「当然だ。俺が書いた」

自信満々の御i法i川に頭山が苦笑する。

「それに頭i山さん、あんたのも、流石だ。
昔取った杵柄って言うにはまだ早いんじゃないか?」

からかうような口調で褒めた。

「それに、千i晶の記事だっていいだろ?」

あたかもついでのように後輩の仕事を褒めてみた。
嘘じゃない。今までの千i晶には出来なかった仕事だ。あいつもこれからまた、成長していくだろう。
今も、最近はやりののコンセプトカフェとやらへ取材に行っているはずだ。頑張って欲しい。

頭i山も御i法i川の言葉に口元を綻ばせた。

「ああ、そうだな。他の内容が重い中、磯の記事のおかげでいいバランスがとれてる」

いい雑誌だ。

そう言って頭i山は向かいのソファに腰を下ろすと、もう一度誌面に目を通す。

「誤字脱字もまったく見当たらん。外に出しても恥ずかしくない雑誌だ」

「…それくらい、当たり前のことだろう」

記事の誤字脱字は無くて当然、あったら恥だ。ミスとはそういうものだ。
御i法i川はちょっと不機嫌になった。持論に水をかけられた気がしたからではない。
あの男の話題が出てくるであろう嫌な予感がしたからだ。

「まあ、そうだが。しかしあの短い時間でいきなり書き上げて発行したんだ、
出来て当たり前のことが出来ない可能性だってあった」

頭i山は閉じた雑誌の表紙を手の甲でパシッと叩く。その満足そうな表情に御i法i川は身構えた。

「これは、片i山くんのおかげだな」

きた!
俺の前でその名を出すな!
なんか苦手だ!

と御i法i川は思ったが、顔に出すだけにした。
言葉にしたら奴を呼び出してしまうような気がする。言霊の力というやつで。
それに御i法i川も、彼に恩を感じていた。だからむやみに突っぱねるのは気が引けた。

「この調子で、次の号もいいものを作ろう。いい雑誌ばんばん売って、借金なくして、また一からやり直しだ!」

頭i山は上機嫌で自分のデスクにつくと、自分の仕事に没頭し始めた。
花のために、生活のためにと妥協の連続で発行してきた雑誌で、やっと誇らしいと思える仕事ができた。
いや、これが第一歩なんだ。情熱を取り戻した頭i山の心の声が、御i法i川には聞こえてくるように感じた。

あの日、日付が変わり輪転機を回すにも限界だという時刻まで、印刷屋はヘiブiンi出i版を待った。
それだけでなく、校正役を自ら買って出た。規定や常識に厳しそうな男が、あきらかに業務外の作業を、
それも本来他社の仕事である労働をわざわざ引き受けようとしたのは少々意外だった。

「待っていたってどうせ暇ですから。それに、赤だらけの原稿を手直しするのは結局こちらですからね」

キザったらしく眼鏡の位置を直しながらそう言う片山の姿は憎たらしかったが頼もしかった。
御i法i川、千i晶、頭i山が原稿を書き上げていくそばから、片i山は記事に目を通し訂正箇所をチェックしていく。
誤字脱字の指摘から、これでは段組がどうのとか、句読点の位置が美しくないとか、
基本的なことから神経質ともいえるレベルのことまで片i山は突っ込んできた。
その度に千i晶はテンパり、頭i山は台割り片手に共にああでもないこうでもないと話を進めた。
そんな様子の向かいで、御i法i川はひたすら記事を書き続けた。
書き続けながら、時折聞こえてくる片i山の言葉に、こいつもプロだ。そう思った。
苦手な相手を認めるのは悔しいが、嘘はつけない。

「そういえば片i山くんにも今度、お礼をしなくちゃあいけないな。」

頭i山がふと思い出したように顔を上げ、御i法i川に向かって呟いた。

御i法i川は聞いていないフリをした。

「近いうちに酒でも奢るか?なあ」

御i法i川は聞こえなかったフリをした。

[うそ臭いTIP]----------------------------------------------------------------------------

●赤

赤というのは、編集部が最終的に出す原稿の訂正部分のことを指す。(訂正することを「赤入れ」という)
原稿に誤りや変更がある場合、赤字で「ここをこういう風に直してくださいね!」と指示を入れ、
印刷する前に印刷所で直してもらう。赤だらけの原稿を納品すると印刷所のオペレーターが泣くらしい。

●台割り

出版する本・雑誌のページ内容の振り分けを決めたもの。
本は8の倍数のページでしか印刷できないため、1ページ余ったり足りなかったりすると大変なことになる。
なので、はじめに台割りを作って混乱のないようにする。


ふと時計を見ると、11時を回っていた。12時から取材の予定を入れてある。
少し長話をし過ぎたかもしれない。
御i法i川はメモ帳と万年筆を鞄にしまうと、コートを羽織った。

「じゃあ、俺はこれから取材に行ってくる」

頭i山に向かって声をかける。

「ああ、いい記事を頼むぞ!」

片手を挙げてこちらを向いた頭i山に、

「…その台詞、誰に言ってるんだ?俺を誰だと思ってる?」

「わかってるさ」

ビシッと突き出した御i法i川の人差し指と、頭i山の視線が交差する。共にニヤリと笑う。
御i法i川は颯爽と身を翻し、編集部のドアを開けて出て行った。
そしてビルを出て、

数歩めでずっこけた。

「…何をしているんだ、君は」

「それはこっちの台詞だ!」

アスファルトの地面に尻餅をついた御i法i川を、呆れ顔の片i山が見下ろしている。

「何しにきた!」

「…仕事だ。補足しておくと、今日はへiブiンi出i版に用があってここを通ったわけではない。
今は取引先から弊社へ帰社する途中。以上」

はぁ、と溜息をつきながら説明する片i山は相変わらず感情の読み取りにくい無表情だったが、
すました顔に「やれやれ」と書いてあるのがはっきり見えるようだった。
御i法i川はコートの尻についた埃を払って立ち上がる。
意気揚々と飛び出した先に片i山がいて、びっくりしすぎてすっ転んだことが
今更ちょっとだけ恥ずかしくなってきた。

「そうか。…呼び止めてすまん」

いちおう謝っておくことにする。

「…別に、急ぎの用はないので。お得意様との雑談も仕事のうち。これ、社会の常識」

今のはもしかして片i山なりに気を遣ったのだろうか。
厳密には自分は「お得意様」の出版社の人間ではないのだが、
そこは突っ込むのをやめた。話題を発展させたくない。

「……」

「……」

言葉が続かなかった。物書きともあろう者が、なんたることだ。
やはりこの男を相手にすると調子が狂う。

「…君は?」

声と共に、片i山が強い視線を投げかけてくる。

「ああ、……これから取材だ」

そうだった。急いでいるのだ、自分は。
腕時計を見ると、刻々と約束の時間が近づいてきていた。

「それじゃ、失礼する」

返事を聞くより先に、御i法i川は片i山に背を向けて走り出した。
スーパーカブはまだ修理中で、君i塚のタクシーも見当たらない今は走るしかなかった。
いや、歩いても取材には間に合うのだが、一秒でも早くここから立ち去りたかった。
背中に片i山の視線を感じる。じっと見られている気がする。
気になったが振り返れなかった。じわじわと額に汗が滲んだ。

なんだこの状況は!
ホラー映画か!

自分で自分にツッコミを入れながら、御i法i川は走った。

逃げるように走り去る御i法i川の背中を、片i山は立ち止まったまま見つめていた。
曲がり角を曲がってその姿が見えなくなるまで見送った。
…見ていて飽きない人だ。
片i山は、御i法i川を見送る自分を楽しんでいることに気付いた。
もう少し話をしてみればよかったかもしれない。
追いかけるほどの必要性は見当たらないが、少しの好奇心は接触するのに充分すぎる理由だと思った。

「…それではまたいずれ、近いうちに」

誰に言うでもなく呟くと、自然と口元が微笑のかたちになる。
欲しいおもちゃを見つけた子どものような、そんな笑顔だった。

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                   ...to be continued...?
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※これで終わりです

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) …鬼畜攻めフラグ?
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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  • これは(・∀・)イイ! -- まさ? 2009-10-08 (木) 15:57:27

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