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VOCALOID KAITO×がくぽ 「捨て犬のように2」

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                     |感想ありがとうございます、これで半月は生きていける!
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|十三話まで最低あるので、付き合っていただけると嬉しいです。 
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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ある夜だった。
KAITOはリビングにあるソファでいつものように寝ていた。
和室には、がくぽとマスターが寝ている。
マスターの寝息が聞こえる中、外に浮かぶ月をじっと見ていた。
寝れなかった。
なんとなく、何があったとかでもなく、今日一日も、一緒にがくぽやマスターと散歩したし、がくぽと歌の練習をした。
拾われてからいつもと同じ。とても充実した毎日、がくぽに甘えられて、がくぽと取っ組み合いの真似事をしてごろごろと狭いリビングを転げまわった。
それをくすくすと笑みを漏らして眺める優しいマスター。
拾われてよかったと思う。
と、ふ、と影が自分の頭の上をよぎった。
驚いて起き上がると、ゴン!という音とともに誰かの額とぶつかった。
額がズキズキと痛い。地味に痛い。
痛さに団子虫のごとく丸まっていると、相手が口を開いた。
暗くてよく分からなかったが、どうやらその声の主は。
「何じゃ、急に起き上がるな。額が痛いではないか…」
「あっ、がくぽさん」
「…」
がくぽは黙って枕を持っていた。
その枕をKAITOの胸の上に投げ、毛布をはぐと、ぐいぐいと押して寝転がってきた。KAITOの上に収まると、毛布を上からかける。
一人しか寝られないソファだ。二人寝るには無理に等しい。
 その分、がくぽはKAITOにしがみつくと、体を重ねるようにして眠りにつこうとする。
(おっ…重い…)
だががくぽは、KAITOの辛さにはおかまいなしのようだ。
「がくぽさん、どうしたの?」
「がくぽでよい。なんとなく、眠れないからかいとの所に来た」
眠れないのは一緒か。
でもそれすら一緒だったことがなんとなくくすぐったく嬉しい。
落ちそうながくぽの肩に手を添えると、KAITOも目を閉じた。
しばらくすると眠気もやってきて、眠りに落ちかける。
そんな時、声が小さく響いた。
「かいと、寝てしまったか」
「…ん、寝そうになってた所、どうした?」

「それはすまない。なんでもない」
また沈黙が続く。どうしたのだろう。
何かあったのだろうか。そもそも、ここに来たのだってマスターと何かあったのかもしれない。
ただの深読みにすぎなかったが、なんとなく心配になって、KAITOはがくぽに尋ねた。
「マスターとなんかあった?」
「なにもない。ちょっと…かいとが気になっただけじゃ」
ぎゅ、と、KAITOの服を握り締める。足を絡めて、ソファから落ちないようにしがみついた。
「気になった?」
「お前は今幸せか。元のマスターといたいとは思ったことはないか」
その言葉に、ぼんやりしていた頭が少しさえた。
確かに前のマスターのことは忘れたわけじゃない。
だが、忘れそうになるほど楽しい日常がある。今、手にしている。
新しいマスターの優しさ、がくぽとの遊び。
がくぽとこうしてるだけでも嬉しい。
「幸せだよ、元のマスターのことも思い出すけど、今が楽しい。がくぽさん…じゃなかった、がくぽと一緒にいれて幸せだよ」
「…そうか」
「?どして?」
「なんでもない、寝るぞ」
心底不思議そうに問いかけたKAITOを振り切る。
複雑な表情はKAITOには見えなかったけれど、なんとなくいつもと違うことは分かった。
何かあったのだろうか。
朝がきたらちゃんと聞いてみよう、と決めて、KAITOは眠りに落ちた。

「あー、がくぽいないと思ったらここに来てたのか」
「うむ、たまにはかいとの所で寝てみようと思ってな」
そんな会話が頭の上で繰り広げられてるのに気づいて、KAITOは目を覚ました。
朝の光がまぶしい。
「今日は月曜じゃ、マスターは仕事じゃろう」
「うん、そうなんだ。そろそろ出るから二人仲良くね」
「あ…おはようございます」
起き上がると、胸の上に枕が乗っかっていた。昨夜がくぽが持ってきた枕だ。
がくぽの朝は早い。

マスターとKAITOのためにお茶を入れて、待機していることが多い。
「おはよう、二人で歌の練習でもしててね。じゃ行って来る~」
マスターは普段と同じ格好で、バッグを持って出かけていった。時間は九時だ。そういえば前のマスターはスーツを着て、七時ごろに会社に向かっていた。
職業が違うのだろうが、今のマスターは何の仕事をしているのだろうか。
手をひらひらと振ってみて、ドアが閉まると、がくぽはいつもの無表情で、マスターの仕事について述べた。
どうやらKAITOが不思議がっている様子から、察したらしい。
「げーむのさうんど何とかとか言っていたぞ。意味はわからぬが」
「ああ、音楽作ってるんだ。ゲーム会社だから普段着なんだ」
「ふむ。かいとは詳しいな、我にはさっぱり説明されてもわからなかったが」
ぱっと扇子を広げて、仰ぎながら冷えてきたお茶をのむ。
「そうだ…あのさ、なんでがくぽは僕のところに来たの?なんかあったみたいだけど?」
なんでもないとかたくなに言い張っていたが、何かを気にしていたのは分かった。
がくぽはその言葉に、お茶をテーブルの上に置くと、扇子で口元を隠した。
「…気になっただけじゃ…」
「何を?」
「おぬしが我に拾われて本当に良かったのかとな」
ああ、だからあんなことを聞いてきたのか。
何度でも言うよ、僕は後悔してない。
そう思って、がくぽの頬に手を添えた。その行動に若干驚いて目を見開くがくぽ。
「後悔なんてしてないよ。ありがとうがくぽ。僕は君のペットでいいんだよ」
「…!そうか」
目を伏せる。ああ、その仕草も綺麗だな、がくぽは本当に綺麗だな、と思う。
「ご主人様、何しますか?」
冗談交じりでそんなことを聞くと、がくぽは頬を染めた。
「天気が良い、散歩でもするか。お主はぺっとじゃ、温かくて居心地の良い場所へ連れて行け」
確かに外はすがすがしいほどの天気の良さだ。晴れた日の下でがくぽと話すのもいいだろう。
がくぽは棚から鍵を取り出すと、KAITOの手を引いて外へ出た。

朝の空気がぴんと張り詰めて、冷たい空気が頬を撫でる。
その一方で、太陽が控えめにがくぽとKAITOを照らし出す。
 今の季節、もう少し何か羽織たくなるような寒さだ。

やがてなんと無しに歩くと、がくぽとはじめてであった公園が見えた。正直引き換えしたかったけれど、他に行く宛も知らなかったので、公園に入っていった。
晴れた日の下で見ると、雨の日だったあのときの公園の陰鬱さは影を潜め、鳥の鳴き声の聞こえる穏やかな公園が姿を見せていた。
がくぽがあの時のKAITOのように、ブランコに座る。
少しうつむいて、寂しそうな。
「寒くない?」
「うむ、少し、寒い」
えいっと言葉に出して、後ろからがくぽに抱きつく。
「!」
思いもかけない行動に、がくぽは慌てた。とはいっても特にリアクションをしたわけではなく、心の中で驚くだけだった。
「がくぽ?」
少し頬を染める。
KAITOは長いマフラーを半分がくぽにまいてやり、自分はがくぽの背中にぴったりくっついた。
「結構こうしてると、日差しがあったかいね~。がくぽ、これで少しは寒くないでしょ?」
「…うむ。だが、恥ずかしい」
巻かれたマフラーを握る。あたたかい。
とくとくと、がくぽの心臓がなる。
なんだろうかこの感情は。不思議と、胸が熱くなる。KAITOといて楽しい。
嬉しい。
「かいとは不思議だな。お主といると、…あたたかい」
KAITOは驚いて目を丸くした。
がくぽが素直に感情を表してくるのは初めてのような気がする。
そしてわずかに、張り詰めた空気が和らぐような笑顔を見せた。
「かいとを拾ってよかった。かいとも、拾われて良かったか?」
「うん、よかった。僕はずっとがくぽのものだよ」
その言葉に安心したように、また笑う。
溜まらずがくぽを更に抱きしめた。
可愛いなあ、可愛いなあ。
がくぽが溜まらず可愛く見える。
「少し苦しいぞ」
俯いているがくぽのあごを軽く引かせる。
「がくぽってさ、笑うと可愛いね。最初無表情だったから分からなかったけどさ」
「可愛い?…気のせいじゃ」

ふいっと手を逃れて、がくぽが俯く。頬が赤いことにくすくす笑いながら、抱きしめている手を離すと、がくぽの目の前に立つ。
KAITOはまじまじとがくぽの顔を見た。
「?」
「がくぽの唇もーらいー」
ちゅ、と軽く押し当てられた唇の感触に。がくぽは驚いて目を見開いた。
機能停止してしまったかのように微動だにしない。
かと思ったら、急に暴れだした。
「お、お主、せっ、接吻…!×○△×□!!」
「ごめんね、初めてだった?」
「~~、当たり前じゃ!馬鹿者!お主と違って我は…」
その言葉に、KAITOはにっこりと人のいい笑みを浮かべて、ぽりぽりと頬をかいた。
「僕も初めてだよ」
KAITOの言葉に、今度はがくぽがぴたりととまる。なんとなく見詰め合って、恥ずかしくて目をそらした。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ やっぱり駄目だ、五回以上書き込めません
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )途中携帯から失礼します
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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