Top/47-309

ポルノグラフィティ Gt×Vo 「ねむい、しんどい、だらだら」

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                     |  ナマ注意 某春画バンドのGt×Vo Vo視点
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ライヌ翌日のホテルでいちゃこいてるだけのぬるい話です
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 初投下ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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ふ、と息をつく。
柔らかいベッドにまた意識を持っていかれそうになって思わず唸る。
けれど起き上がるような気力はなく、かけたまま寝てしまっていた眼鏡を押し上げて、
差し込む光の眩しさに二度ほどゆっくりと瞬きをした。
昨日のライブは、すごかった。とにかく、お客さんの盛り上がり具合が尋常じゃなかった。
わしもそれに煽られるように、負けないようにステージ上ではしゃぎまくって、暴れまくって、歌いまくった。
そのあと疲れた体に鞭を打って、というかそのテンションをそのままに向かった打ち上げでも散々盛り上がって。
とにかく昨日のわしらは、その翌日の体への負担なんてことは微塵も考えもせずに、朝まで楽しい時間を過ごしていた。
「うー」
打ち上げの記憶はあまりないけれど、きっと相当飲んだんだろう。体は重いし、頭も少し痛い。
重たい体を動かせずにずっと暖かい布団の中なんかに居るから、意識は睡眠と起床の間で揺れたまま、もう一時間近く経とうとしている。
もちろんこんな事態はとうに予測されていたことで、集合時間は昨日のそれより随分遅く設定してあった。
だからわしは、昼十二時を回ったこの時間にもこうしてまどろんでいられるのだ。
それにしても、しんどい。
「きついよー」
がらがらに掠れた声で呟く。あまりの喉の痛みっぷりに、思わず眉を潜めた。
次の公演までには、何とかしないと。
ああそうだラジオ、心配されるかもしれないな。あさってには少しでも回復しているだろうか。
こんなとき、一日目の夜の打ち上げに参加できないからといって二日目の時やたらはしゃぐくせのある自分をちょっとだけ恨む。
けれど楽しかったという感覚は確かに残っているから、多分わしは次の公演後にもこんな風になっていることだろう。
そんな風に思っていると、ドアの開く音がした。
ふわふわ浮いていた意識が、覚醒のほうへぐいと引っ張られる。
何事かと一瞬身構えたけれど、近づいてくる聞き慣れた足音に持ち上げていた首をまた枕に沈めた。
「おう、まだ寝とったんか」
舌足らずな声とともに、やはりこちらもいくらかやつれた、相方の呆れ顔に見下ろされた。

「鳥の巣に言われたあないわー」
顔は洗ってきたらしいが、進堂だって髪はぼさぼさだ。どうせ彼も、隣の部屋でついさっきまで寝ていたんだろう。
「鳥の巣て……。こういうのは起こしにきたほうが勝ちなんよ、丘野君」
「なんじゃあそりゃ」
どうでもいいことをやたら自慢げに言う進堂が可笑しくて、掠れた声で笑った。
「で、何の用ですか、しんどうさん」
「いや、別に何もないんじゃけどさ」
ただお前とだらだらしたいなと思っただけよ。そう言って、進堂はベッドの上、わしの頭の横辺りに腰を下ろした。
「まだ時間あるし、集合3時じゃし、一人じゃ暇じゃけえの」
「今何時?」
「12時半」
斜め下から進堂を見上げる。髭を剃ったばかりの顎が、ちょっと柔らかそうだった。
突付いてやろうかと思ったけれど、ぐわぐわ騒ぎそうなのでやめておいた。間違えて、喉突いちゃったらまずいしね。
すると、なにやら指折り数えていた進堂が、ポツリと呟いた。
「2時間半ありゃ、2・3回はいけるな」
お前そんな事数えよったんか、とすばやく切り返すとどうやら期待通りの反応だったようで、進堂は楽しそうに笑った。
「まあ、無理じゃのお、その様子じゃ」
「あー、ちょっと今は喘げんわ、死ぬ」
「わしもちょっと、無理」
甘くもなんともない下ネタで少し盛り上がって、また間の抜けた沈黙が流れた。
張り詰めてなどいない、ただだらしないだけの沈黙だ。
くぁ、と進堂が欠伸をする。それにつられて、わしも大口開けて欠伸をした。
「うつった?」
「へへ」
進堂が、微笑みながら見下ろしてくる。と、突然顔の両脇に手が置かれて、その顔がぐっと近づいてきた。
「……うお」
キスでもされるのかと、思わず眼を瞑った。
けれど感じたのは前髪を指先でかき上げられる感覚で、眼を開けると顔は十数センチほどの距離のところにあった。

「……なんですか」
「丘野さん」
「はい」
「ちょっとおでこが広くなられたんじゃございませんか」
「……黙れアヒルが」
「否定はせんのね」
意外そうに眉を吊り上げる進堂。なんかその顔腹立つぞ、このやろう。
「うるさい、お前だって人のこと言えんじゃろーがあー」
言いながら鳥の巣頭をわっしゃわっしゃと乱してやると、進堂は苦笑いしてやめえや、とわしの手を退けようとする。
わしも負けじとじたばたと動いて、しばらく子供のようにじゃれあった。
それが一通り落ち着いたあと、気づけば向き合う形でベッドに沈んでいた。
「まあ、年取ったよな」
「そりゃあ」
ずっと一緒にいるから、老いみたいに徐々に変わっていく変化にはあまり気づかない。
でも、時々実感するんよね。こんな朝とか、こんなときとか。
「ちょっとなんか、寂しいよーな悲しいよーな」
わしがそう言うと、進堂はんん、と曖昧な返事を返した。
寝返りを打って仰向けになり、手探りで細い指先を探して触れた。
十本の指はすぐに絡んで、いわゆる恋人つなぎの形で落ち着いた。
「そんだけ一緒におるってことよ」
「そうね」
成長も挫折も、変化も、ずっと共有してきたんだなあ、と思う。
進堂のほうに少し寄ると、肩口辺りに柔らかい肉体が触れた。
その先だけが少し固い指先が、自分の髪に優しく絡んできて、つい意識がとろけてしまう。
「昔みたいに何回も出来んようなったしな」
「ねえ」
「そのうち起たんくなったら、どうしよ……」
そんなことを少し真剣そうに言うもんだから可笑しくて、小さく噴出してしまった。
それが癪だったらしい進堂が何わろとるん、大事なことじゃんかあ、と五月蝿く言うので、一応答えてやる。

「まあ……そん時は……こけしとか」
「ちょ、何それ! わし要らず!?」
「いやいやあなたにはそれを動かすという重大な役目が」
「いやいやいや、そういう問題じゃ」
声をひっくり返して騒ぐこいつの必死な顔といったら、ずうっと前から変わらなくて。
「はははは! じょーだんに決まっとるじゃんか、おっかしー」
わしがそれに声を立てて笑ったときの、少し眉を下げた呆けた顔だって。
こんなやりとりも、何回繰り返してきたかわからないほど。
「こんの、やろー、減らず口にはちゅーしちゃるわ!」
「ちょっ、おま、やめえー!」
そうして覆いかぶさられて、形勢が逆転してしまうのも、よくある話。
だけどそう簡単には屈してやらない、わしにもプライドがあるからね。
「こら、あきっと、じっとせえ!」
「いーやーじゃあー」
なんて大層なことを言ったけど、別にこいつとキスするのがそんなに嫌という訳じゃない。
ただ単に、抵抗したほうがこのおふざけが面白くなるから、それだけだ。
そうやって互いに子供じみた攻防を繰り返していると、進堂の動きが不意に止まった。
どうしたのか、と顔を上げてみて、思わず息が詰まった。
進堂は、さっきまでと同じ人物とは思えないほど鋭くて強い眼で、わしをじっと見下ろしていた。
逆光の中でよく輝くブラウンの瞳が、その奥の真っ直ぐな気持ちと、僅かな欲情を伝えてくる。
今までふざけていた気持ちがそっくりその瞳に吸い込まれて、鼓動が跳ね上がるように高まる。
しばらく何も考えられずに、その視線一つで簡単に変えられていく心情に身を任せることしか出来なかった。
――ああ、だめだな。
ようやく頭の片隅でぼんやりそう思ったときには、すでに唇は触れ合っていた。
最初のうちは柔らかかったキスは、彼のペースでだんだんと深く変わっていく。
その途中、熱い舌にぬるりと絡めとられると、いちいち背筋に甘い刺激が走った。
「ん、ん……! っ、んん」
しばらくして、ゆっくりと唇が離される。
その時少し口を開いて軽く舌を出すくせのある進堂のそれから、細い糸が引いているのが見えた。

「っ、は、はあ、っ」
薄い唇が、嬉しそうに、卑猥に歪む。
それに理性を持って行かれそうになった自分が、悔しかった。
いやいやでもそれはいけん。何より労わらなくちゃいけないのは自分の体だ。
「無理なんじゃ、なかったんですか、」
「丘野君こそ、喘げないんじゃなかったんですか」
「……まあ、でもヤれんよ、体力的に無理」
そりゃあね、あんたのキスはいつも気持ちいいし、声だって反射的に出ちゃうけども。
でもね、無理なもんは無理なんよ、キスだけで息が上がるような状態じゃ身が持ちません。
しかもしばらくやってないし、そんなん絶対激しいじゃないか。無理無理。
恥ずかしいから声に出しては言わないが、そんな事を数回心の中で繰り返して、気持ちを押し留めた。
「別にヤりたいんじゃないて、ちょっと深ぁーくしたかっただけよ」
そんなに嬉しそうにするんじゃない。もう。
見慣れたはずのその表情だけれど、見るたびに本当に馬鹿みたいに、どうしても嬉しくなってしまって。
なんだかなあ、と自分で呆れてしまった。
「くそー疲れた、こうなったら寝てやる」
「まだ時間あるもんなあ、寝ようか」
ふてくされたような声を出しても、進堂は飄々としていて、余裕たっぷりにわしの頭を撫でてくる。
ベッドの下に落ちていた布団を引っ張りあげてきて、向きも整えないまま乱暴に被った。
「寝るぞ、こら」
「はい、おやすみ」
なんじゃそれ、お前はわしのお母さんか。
馬乗りになっていた進堂がごろりと隣に寝転んでくる。仰向けのわしに寄り添うように、こちら向きで。
ちょっとした恥ずかしさを覚えつつも、わしはわしでいつの間にか離していた指先をもう一度探って絡ませた。

ふふ、と僅かに進堂が笑ったのが耳元で聞こえる。
優しい手つきで髪を撫でられると、意識はすぐに浮き足立った。さらさら、と細い指先に髪を梳かされる。
それはまるで親が子供を寝かしつける時のようで、なんだかやたらに甘えたくなった。
「しんどう」
「ん……?」
聞き返された声が暖かくて、口元が緩む。
「……ずっと、」
暖められた心からつい、ぽろりと言葉が零れそうになった。
けれど言いかけて一気に恥ずかしくなって、とっさに口を噤んだ。
「うん?」
その声が小さかったからか、進堂は聞き取れなかったらしく、軽く首をかしげていた。
「……おやすみっ」
慌てているのがばれないように、進堂の胸板に顔を押し付けた。進堂はそれ以上言及することなく、黙って抱き返してくれた。
暖かい体温でちょうどいい具合に気持ちよくなって、わしはゆっくり眼を閉じた。

「そんなん、言わんでもわかっちょる、て」

「ずっといっしょにいて、じゃろ?」

だって、今までだって、ずっとずっと。
そりゃあ、これからだって、ずっと、ね。

春一はすっかり寝付いた恋人の広くなったと言った額にキスを落とすと、嬉しそうに微笑みながら、自分も意識を手放した。

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