Top/46-66

戦国BASARA忠家

バサラスレ見てたら、手が勝手に動いてた。
時代考証とかゲームとの矛盾点は見逃してね。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

忠勝は無口だ。そして、比類なく優れた武将でもある。
そう、徳川に過ぎたるものとして語られるほどに。

―――――

「……はあ~…」

徳川が居城、その中庭。
縁側に腰掛けた徳川家康は大きくため息をつき、先の戦、三方ヶ原の戦いの前に濃姫から言われた言葉を思い出していた。

『……簡単な事よ。戦国最強……徳川に過ぎたるもの、本多忠勝を出せばいいの』

濃姫とは、家康が人質となっていた頃からの長い付き合いになる。
元より歯に衣きせない発言をする女傑ではあったが、あのような局面で、あそこまでズバリと言われた事はなかった。

戦国最強、本多忠勝。

家康は己の器を知っている。己が信長や信玄のような、武力を持っているとは思わない。
自分がまだ年若く、謀略でも敵わない相手がいる事も知っている。

だからこそ、歯がゆい。

家臣は皆、己を敬い、慕ってくれる。それを己の才だと誉め、こんな自分に命を預けてくれる。
徳川十万の兵力は、こうして生まれた。
だが、家康にはまだ、確固たる自信が無いのだった。

政宗のような決意も、秀吉のような野望も、家康の中で形作られていないのだ。

「……は、」

家康がもうひとつため息をはきかけた時、庭の奥から音がした。

重厚な機械音、地が揺れる感覚。
身に染み付いたそれは、家康を飛び上がらせるに十分だった。

「タダカーツ!!」

家康は走りかける。樹の後ろから現れたのは、見慣れたキャノン砲だ。
だが、その動きは歪だ。

「何故格納庫にいない!お前はまだ本調子ではないのだ、無理をすると体が熱を放散しきれずに中枢まで……!」

駆け寄った家康の手のひらが忠勝の体に触れかけると、そこは焼けた鉄板のように熱を放っていた。
反射的に手を戻す家康へ顔を向けた忠勝は、何かを訴えるように目を向けた。

「忠勝……お前…」

その目がすっと細められ、忠勝は足元に咲いた花を一輪手折った。
可憐な野菊だ。
城の庭は庭師によって整えられていて、このような雑草が植えられるはずもない。
おそらく、風にのって種が運ばれてきたのだろう。
だが、その柔らかで優しい美しさは、家康の心に響いた。

忠勝はそれを、そっと家康の両手にのせた。
その美しい花は、茎や葉までぴんと生命力に満ちあふれている。

家康は花を見、そして笑みを浮かべた。

「そうだ……そうだな忠勝!!ワシは魔王になる男ではない、ワシはこの野菊の美しさを忘れはしない。お前の事を、ただの兵器のように扱ったりはしない」

顔を上げて視線を合わせ、家康は一番の笑顔をみせた。

「この日の本を正すのは、ワシだ。民を救い、国を富ませ、安寧な世を作るのは、皆の希望を背負った、この徳川家康よ!のう、忠勝!!」

忠勝の目は限り無い優しさをたたえ、確かに、嬉しそうに微笑んだのだった。

―――――

おまけ

「……そうだ忠勝、さっそく次の戦の……」

ガガガガッジャーン

「そうだ!格納庫から無理してきたから熱が……タダカツ、タダカーツ!!!」
おわり

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

某巨〇兵からオマージュされて、こんな話になりました。
エロもカプ要素も無くてごめんなさい。


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP