洋楽 The Beatles "Gear 4-Moptops!"
更新日: 2011-01-12 (水) 00:22:12
今では教科書にまで載ってる英国産ビックグループの若い頃って
ワリと可愛かったのですよ。といいたかっただけです。すんません。
Hもナイ。需要も不明。ちょっと通りますよw。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
<Fan-Fan Fabulous Four Mop-tops! >
その日は珍しく、取材もコンサートも、なにもない日だった。
とはいえ、新しいアルバム制作も控えていたのでオフにもならず、午後の一番つまらない時間に、いつものスタジオで
レコーディング前の打ち合わせをしなきゃならなかった。
ウィンストンとジェームズの作詞作曲組が、先にスタジオに入ってはいたが、さして作曲が進んでいるわけでもなく、
顔でも合わせたらなんかネタくらいは見つかるべえかと、お互い思っていたらしいので、ほんとにまったくお話にならなかった。
なんとなくギターを掻き鳴らしたり、ピアノをデタラメに弾いては見たけれど、どーにもなんにも浮かばない。
ま、こんな日もあるさと二人はお気楽モードに入った。今日はもう打ち合わせにもならないが、二人ともジョジーやリチーに
連絡を入れようとはしない。これはつまり「俺らがこの寒い中、スタジオに出張ってきたんだからお前らも道連れだ!」ってことで(笑)。 オトナって、なんだろう。
アコギをべんべら弾いてるウィンストンの横顔を、ぼーっと見ていたジェームズは、その髪にきらりと光る一本を見つけた。
ん? と顔を寄せて確かめる。こ、これは、確かに…!
「ちょ、ちょっとまった。ウィンストン」
「んあ? なんだよジム」
おにゃのこみたいなかわいい顔をいぶかしげにしかめ、ジェームズはウィンストンの髪に指を突っ込んだ。思わずびっくりして、
ギターを取り落とすウィンストンでしたw。
「なにすんだいきなり!」
「いや、あのね」
ジェームズはそういいながら件のウィンストンの髪の毛を指先につまんで、ピッと引っ張る。
「いてっ!」
プツッと音がして、頭に小さい痛みが走る。ほら、とジェームズがウィンストンに見せたのは…。
「白髪?」
「だね」
ちょっと涙目のウィンストンが意外そうに言うと、ジェームズが笑いながら頷いた。ウィンストンはかなり
ショックだったようだ。
「ええ、うそだろ!? 俺まだ24だぜ!!」
「いやあ、苦労してんですねえw。まあ、いつか出るものですから気にしないキニシナイ」
なぜか上機嫌に見えるジェームズをウィンストンはじとっと見た。
「…そういうお前はどうなんだよ」
「え、僕?」
キョトンとジェームズは自分を指差した(このブリ野郎ww!)。大きな目に楽しそうな光を浮かべて、彼はケラケラっと笑った。
「僕はそんな心配ないよ。今日だってちゃんと鏡見てきたし」
「ホントか?」
「大体、僕はウィンストンより2歳下だしね。この歳で2年違うって大きいよ」
この歳ったって、まだ20代じゃねえかお前ら、と突っ込みたいのも山々だがここは押さえて。ウィンストンもこの言い方には
カチンときた。ぐいっとジェームズを引っ張ると、彼の頭を抱え込んで、ぐしゃぐしゃとかき回し始めた。
「なにすんだよ、ウィン!!!!」
「うるせえ! お前も白髪がないかどうか、見てやってんだ感謝しろ!」
「うあああ止めて止めて、せっかくのセットが台無しだああああ!!!」
「ナニがセットだ、気取るな小僧!!」
「これからジェーソと会うんだってば!」
「ならば『新しい髪形です』とでも言っとけ!」
ゲラゲラ笑いながら手を止めないウィンストンに、彼の膝の上で横になっている状態のまま、ジェームズも手を伸ばした。
そして『この野郎』とばかりにウィンストンの髪に両手を突っ込み、ばっさばっさと引っかきまわす。
「やるかコラ!」
「やったがどうした!」
そんなジェームズに、ウィンストンは「オラア!」と床に彼を押さえつけると、髪の毛も服装もごっちゃごちゃにしてしまう。
ジェームズも「もー、どーでもえーわ」と思ったのか、床の上で手足をバタバタさせながら、ウィンストンと激しく揉み合う。椅子は
倒れるテーブルの上のお茶はこぼれる、ギターもベースも脇にすっとぶ、じゃれっぷりだった。
その時
「ちゃーっす…て、なにしてんの? 二人とも」
マフラーを取りながら、ジョジーが入ってきた。そして部屋の様子に気付くと、コートを脱ぐ手を止めて
床に転がる二人に声をかけた。
その声に、二人の動きがピタっと止まった。そしてまるで示し合わせたように、同時に顔をジョジーに向ける。
「な、なに?」
4つの目線をまともに受けて、ジョジーは思わずたじろいだ。イヤンな予感が背中に走る。
ウィンストンとジェームズの顔付きが、ねずみを見つけた猫みたいになった。
「ジョジー」二人同時に、呼びかける。
「へ?」逃げたらいいかと、身構える。
しかし、半瞬遅かった。
「お前も「リバプール若白髪同盟」に入りくされ!!!!!」
勝手な言い草は、ウィンストン。
光りより早く、腕を伸ばしたのはジェームズ。
「うわわわわわっ!!!!!」
たちまちジョジーも引っ張り込まれて、今度は二人からごちゃごちゃにされるハメに陥った。
仕立てのいいコートからボタンが飛び、セーターが延ばされ、髪の毛もぐしゃぐしゃにされる。
「なんなんだよお!?」
「なんだもヘチマもねえ! オラオラオラア!!!」
「アハハハハ、もおどーにも楽しいねえ!」
コンチクショー! と泣き笑いのジェームズに、毒っ気たっぷりに笑うウィンストン。ワケも分からず巻き込まれて
半殺し状態のジョジー。そんな3人入り乱れてのてんやわんやの最中、今度はリチーが「うぃーっす」とやってきた。
しかし、3人が打ち合わせもせずドタバタ仲良く喧嘩しな状態であるのを見ると、挿し入れでもってきた
フィッシュ&チップスをつまみながら、のんびりとコーラをすすりつつ観戦モードに突入した。
椅子にゆったり腰掛け、タバコをくゆらすリチーの前で、ウィンストンがジェームズの胸倉をつかみ、
ジョジーがウィンストンの足を取り、ジェームズがジョジーの足を引っ張り上げる。
ジェームズの手がウィンストンの顔を押さえつけウィンストンがジョジーの髪を引っ張り、ジョジーが
ジェームズの腕に噛み付く。
時に2対1、1対1対1、3体同時に展開する戦線にリチーは「見事だなあ」と感嘆をもらすのだった。
「いやあお前ら、仲いいなあw」
他人事のように笑いながら声をかけてきたリチーを振り返り、
「来てたんなら見てないでどーにかしてよ!!」
などといいながらさりげなく戦線離脱を試みるジョジーだったが、あっさりと襟首をつかまれてしまう。
「おう、リチー! てめえも「若白髪同盟」に入れてやろうか!!!!」
もはや「世界のアイドルグループの一員」とは思えぬ態のリーダー青年が呼びかけてきたのを
「いや、オレ、染めてるから」とあっさりスルーできるのは苦労人ゆえの機転なのか?
「ああズルイよ、リチー!!」
「なるほど、今度はそう答えるわ」
「うわはははは、今度があるかい、こんなもん!!!!!」
誰がどの台詞をいったか知らないが、とにかく騒ぎは収まることはなく、それを生暖かい目で見守るリチーは、
時に拍手を、時に野次を飛ばしつつも「これで金貰ってんだから、世間に申し訳ないなあ」と、一人まともなことを
思っているのだった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
4人の名前は、ウィンストン=ジョソ、ジェームズ=ポーノレ、ジョジー=ジョーヅ、リチー=リソゴ、ってことで。
世間では「ヒゲボーボーのおっさんたち」としか認識されてないのがまったくもったいないと
思うのだよ! では。
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