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ふゆの、ふたり

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

手に入れてきたものと失ったものを引き比べれば明らかに失ったものの方が多い。
誰かの命を賭けてまで失うまいとした事もあったが、
自分の命を懸けて守り通そうと、初めて誓った。

一番最初に見えてきたのが自分の掌だと気がついた時、一気に目が覚めた。
体中の総てが凍り付いてしまうような恐怖。
考えるより先に体が跳ね起きベットを飛び出す。

一体全体なんで今更? 一体どこへ行こうと?
腕の中にいたはずのあの寝顔はどこへ行った?
疑問と恐怖に捕まらぬ内に身体だけを動かす。
一足飛びに上着を掴み、ケータイと財布を確認しながら半ば体当たりでドアを開けかけた時、ベランダに肌着姿の背中が見えた。

「……んだよっ…クソッ」
どうしょうもねぇな、オレ。
もうどうしょうもねぇんじゃないの、オレ。
ゆるゆると息をはきだし、ソファに上着を投げ出してもう一度溜め息をつくと、自分の指先が冷え切ってる事に驚いた。
さっきまで寝床にいた身体は冷え切って堅くなっている。

サッシを開ける音で北さんは振り返った。
「なーにしてんの?」

隣に並んで、北さんが今までしてたように空を見上げてみる。
冬の、うす曇の空。
「えへ、お天気悪いから、今日こそは降らないかなーって思って。」
そう言う北さんの口の端から白い息の塊が、薄くこぼれて消えた。

「…?」
「ゆき」
「ああ…雪。」
「あんまり寒くもないしなー」

寒いよ。
あんたが隣に居ないってだけでこんなに寒くなったよ。

後ろから腕を回して抱きしめる。
北さんはゆったりと背中越しに体重を預けてくれる。
冷えて固まった体が、重みと温かさでゆっくりとほぐれて行く。
北さんのこの身体を受け止めるだけの為の存在になりたい。

今まで、手に入れたものも多い。 その分手の中から零れ落ちていったものも多い。
なくしたものの中には、大事なものも、二度と手に入らないものも、多分あっただろう。
でも、一番大事なものは今この腕の中にある。
もしかしたら、なくしたものの幾つかは取り戻せるのかもしれない。

ふいに鼻の奥にこみ上げてきた熱いかたまりを無理やり飲み込んで、北さんのちょっと…結構広い額に鼻を押し付けてひとつ鼻をすする。
こうやって寄り添うだけの為に生まれてこれればよかったのに。

「寒いの、好き?」
「嫌いじゃないですけど・・・」

くつくつと腕の中で声を抑えて北さんは笑う。

「寒くなるとへーたさん鼻の頭赤くなるでしょ? あれ可愛いんだよなー」

振り仰ぐ北さんの目は相変わらず子供のようにきらきらしている。

「また見たいなーと、思ってたんですよ。」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
               イツニナッタラモウソウッテトマルンダロウネ!

へーちゃんの鼻が赤くなるのは、寒いからじゃなくて泣くのを堪えてるからなんだけど、
それを北サンはわかってなくて~、と言う事で書きたかったんですが・・・
上手く書けなくてすみません。

あと、北さんの寝巻き?はアンダーシャツでも下着でもなく肌着!だと思う。

_  ∩                   _ ∩
( ゜∀゜)彡 肌着! 肌着!        ( ゜∀゜)彡 肌着!  肌着!
 ⊂彡                   ⊂彡


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