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ソニック・ザ・ヘッジホッグ 銀+影

音速の針鼠から銀と影。
ちゅーもないし手も繋がないというとんだほのぼのですがご勘弁ください。あと、二匹の名前が一切出てないのでご了承ください。
影は寒がりだといい、というレスを見たときに閃いた話です。銀視点でお送りします。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

さて、クリスマスまでようやっと数日を切ったんだけれど、こうして買い出しに駆り出されて思ったのがどうして世の中は何ヶ月前だとかに早く用意を始めるのだろうか。
ケーキの予約、飾りの買い出し、プレゼントの用意だなんだと。確かに早いに越したことは無いけれど、なんというか、気が早すぎる気もする。

「んー、こんなもんでいいのかな」
渡されたメモ用紙と紙袋に入っている物を見比べながら確認をする。
とりあえず物を取る際にもそれを見ながら買ったから間違いは無いはずだけど。

「うん、大丈夫だな」
「なら帰るぞ」
一緒に買い出しに駆り出された相方はというと、それだけ言ってこっちが返事を返す暇すら寄越さずにさっさと帰ろうと足を早める。
当然そんな事思いもよらなかったオレからすれば、それは慌てて同じようにした瞬間に荷物の中身を零しかねない動作でしかなかった。
「おい、ちょ…あ、待てよ!」

「ったくさぁ、先に行くなよ。危うく荷物落とすとこだったんだぞ」
「それは君の責任だ」
後ろから少し早歩きで付いてくるオレを尻目にしながら、何を急いでいるのだろうか言葉少なく先にどんどん進んで行ってしまう。
ただ後ろから見ていて分かるのは、なにか不機嫌であるという事だけ。

「…、なんか怒ってんのか?」
「いいや」
…それだけ?
なんというか、たったその一言だけで返されると非常に心が痛む。
別段そこまで繊細な心ではないけど、そうかといって頑丈でもない。傷つくときは傷つく。
けどこいつがこうやって機嫌悪く口数が減るには絶対に訳があるはず。世の中理由無しにそうなる奴などいるわけがない。

「…」
「…」
暫く歩いてはいるが、明ける事の無さそうなひたすらの沈黙が痛い。
こんなに痛いものだっただろうか、あああもう初めてだこんな体験。
なんとか不機嫌の心当たりを探してはみるけど、如何せんそいつは何一つ浮かんできやしない。
帰り着くまでこの痛い沈黙を守ってなければならないと思うと、自分のテンションが一気に下がっていく。

手が荷物で塞がっているからこそ出来ないが、出来るんなら両手で頭を抱えて思い切り叫びたい。

どうしろってんだ!!と。

しかしやれないものはどうしようもないので、仕方なしに頭の中でそれをやって一応満足しておく。

(しっかし寒いな…)
流石真冬に近い時期ともなるっ身に堪える寒さが続く。
彩度が低くなって灰に近くなった空を見上げながら歩いていると、思わず身震いしたくなるような空っ風が一吹き、地を駆け抜けていった。

「っ、さ、寒ィ…!」
ただそうは言ったけど極端な話、寒さのあまり道端で立ち止まってしまう程でもなかった。
が、不意に足を止めてしまった。
何故って?

目の前にいた奴が足を止めたからだ。
ただ、止めるにも早歩きだったからか勢い余ってさっきみたく荷物を零しかける。
「うっ、ぉっ、お」
「…」
うまくバランスを取り直して惨事は逃れたものの、何故急に足を止めてしまったのだろ
うか。

「どうした?」
「…」

一言呼びかけてみたが一切反応がない。まるで凍ったみたいに固まってしまっている。
ちょっと心配になって、どうしたのだろうと思い隣に並んでその様子を窺う。

「…?」
「……!」
暫く突っ立っている内にやっと解凍したのだろうか、様子を窺われたからか驚いた表情をしながらオレの顔を見る。

…あぁ…

「もしかしてさ」
「…」
「寒い?」
ぴく、とそれはもう分かりやすいくらいに顔がひきつる。そうか寒いのかやっぱり。
だったらそう言ってくれればいいものを…。とは思ったけど、こいつの性格を考えてみればそう言いそうにもない。
なんていうべきか、他の誰かに弱みを見られたくないタイプというのか。そういう類の奴だ。

「だから不機嫌だったのか?」
「…いや…」と、また口ごもる。
そんなに言うのが嫌なのか?
なんとまあプライドの高いこと。とちょっとした尊敬の念が混じる。
多分オレにそんな才はないだろうから。そうなったら恐らく潔く認めているのがオチだ。

しかしどうしたものだろうか。
寒いなら何か羽織るのが一番良いと思うけど。

「うーん…」
「?」


「そうだ!ちょっと此処で待ってろ!」
「は?」
「寒くてもだぞ、すぐ戻るから!先帰ったら本気で殴るからな!」
「おい、待っ…」

「た…っ、ただ、いま…」
「あ、あぁ」
行き帰り、終始全力で休みなく走ったもんだから言葉が途切れ途切れになって出てくる。
流石にこれの疲れ様には驚いたのだろう、少しばかり怪訝そうな表情をしてオレを眺めていた。
「うー…、はい、これ」
「?」
またさっきみたいに空っ風が吹いて凍ってしまう前にさっさと物を手渡す。

「寒いんなら首もと暖めるのがいいって、言うだろ?」
「…」
手渡したのは端に鮮やかな緑色のラインが引いてある白いマフラー。わざと嫌がらせでどぎつい柄物にしようかとも考えたが、そうしたら確実に機嫌を損ねる。そうなった後の様子が手に取るように分かってしまう。
結果、気まずい雰囲気が永遠に続く…。それだけは心の底から避けたかった。

別に羽織るものでもよかったかなと思ったが、それにするとなるとサイズとか…はオレに合わせればいいんだろうけど、好みとかあるだろうし、値段が高くなる。
多少、まあ大体3桁の出費ならまだしも、それが4桁ともなると…。
多分怒られる。

「色とか文句言うなよ?合わせたんだから」

「?、何にだ」
「それ」

とりあえず胸元を指す。それに黒と黒じゃ真っ暗すぎるし、かといって他の色はどうにも似合わない。
それなら、何にでも合う白かな、と。

「君はいいのか?」
「アンタよりかは寒くないと思う」

首もとふっさふさだから…。
正直これくすぐったいんだけど、マフラーぐらいの代わりにはなる…だろう。

「少し早いプレゼントって事でさ」

「…有り難う」
「どういたしまして」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
なんか区切りがもの凄いぶつ切り感・・・もっとまとめて投稿した方がよかった(´Д`;)
それではお邪魔しました。


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