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天地人 兼続×景勝

09年鯛賀ドラマ「展恥人」に萌えを誘発されて書いてしまった………。
鐘次×影活様です。
初投稿なんでお手柔らかにお願いします。

もともと影活様中受スキーなので日本史や戦国時代に詳しい方、本当にすみません。
突発的に書いたし、間違っているところ沢山あるかと思います(´;ω;`)
そしてまだ二話しか放送してないんで、完全に展恥人でもないし、ちょっと創作戦国儀気味です。
もう一回すみません。って言っときます。

半ナマにお気を付けください。
苦手な方はスルーお願いします。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

雪国生まれで、雪には、寒さには慣れている、
……はずだった。
でも今夜は本当にどうしようもない寒さで。
身体の末端が痺れるような感覚に、身を縮める。
越後の国の国主・上椙影活は、布団の中で目をぎゅっと瞑った。
眠れない。
昨日も寒かったではないか。一人で眠れたではないか。
幼いころからこんな夜は何度も経験しているではないか。
「…っ、」
真っ暗で見えるはずはないのだが、自分の呼吸が冷たい空気に触れ、白く濁るように感じた。
あぁ、もう。
少し布団の中で身じろぐと、足の指先が体温の届いていない部分に触って、慌ててもっと体勢が丸まる。

鐘次―――――――――――――………

影活が大阪に自分の代理として行かせたのだった。
雪の冷える夜でなかったらこんなことは考えなかった、と影活は言い聞かせる。
会いたい。鐘次の体温が欲しい。何より寂しいのだ。
欲求が満たされないことは明らかで、せめて夢だけでもと思うのだが、寒くて目が冴える。
「儂を寝かせないつもりか。」
ふと呟いた。
しん、とした部屋の闇に言葉は消えた。
この情けない状況に我ながら嫌気がさし、子供のように拗ねるのはやめて、寝ようと思う。
鐘次は悪くないのだから。
悪いのは冬だ。
影活は大人しく瞼を閉じた。
と同時に遠くが騒がしい。
目を閉じたまま耳を澄ます。
どうせ開けても暗闇ならば、無駄に目を使うよりも耳に集中したほうがよい。

「猶江殿!お早いお戻りですな!」
「あぁ!!雪で多少手古摺ったが。殿はもうお休みか?」

勝手に両目が開く。 鐘次がいる。
屋敷に家臣が誰もいないのであれば布団から大声で彼を呼ぶのだが、そんなわけもいかず。
屋敷には家臣が大勢いるし、影活は上椙家当主なのだ。
「今夜は冷えるな!」
どたどたという男くさい足音と共に鐘次の声が段々大きくなる。
声も足音も大きい。
主が寝ていると思うのならもう少し配慮をしたらいいものを、と思い影活は心中笑った。
鐘次らしい。
「まさかこんな大雪になろうとはな。」
「猶江殿、大丈夫でしたか?」
「あぁ、俺は大丈夫だが馬と和泉澤がどうだったか。」
「そうですか。」
「それより御館様は寒がりだからお休みになられたかどうか気になっていた。」
鐘次の声に影活はどきりとする。
もしかしたらあの襖を開けて、彼が入ってくるかもしれない。
寒さだけでない、どこか甘い痺れが体に走る。
期待している。
だが響く声と足音は影活から遠ざかった。 手前の角を曲がったか。
期待は期待のまま終わった。
よく考えればわかること。
不義を何よりも嫌う彼が主君の休んでいる部屋にずかずか入ってくるわけがない。
大声を上げればよかった。

音もなく、鐘次を悩ませたという雪が降り続いているようだ。
静かだが、雪国で育った影活にはわかる。
板戸と障子を開けたら、雪囲いの向こうには障子の紙よりも白い雪が全てを覆っているはずだ。
こういう日は徹底的に籠るか、徹底的に体を動かすかに限る。
鐘次が来てくれないのならば、眠れない今、一人で積極的に体を動かすしかないじゃないか。

厠だ、となぜか自分に言い訳をつけて布団から出ようとしたとき、襖が開いた。
「影活様、」
襖の隙間から洩れる光りと共に、小さく呟くような鐘次の声がした。
「か、ねつぐ、」
光が眩しくて、影活は目を細めた。
「あ、すみません、」
彼はすぐ襖を閉めた。そして先程の足音とは打って変わっての忍び足で、静かに影活の枕もとまで来た。
「眠れませぬか。」
「ああ。」
「でしたら鐘次が此処に居りますゆえ、火鉢を持ってきましょう。」
鐘次はひらめいたとばかりに立ち上がろうとした。

「鐘次。」
影活が言った。無口な影活が己の名前を呼ぶとき、大抵何か要求がある。
「影活様?」
「火鉢はいらぬ。」
「殿?」
立ち上がりかけた鐘次はそのままの姿勢で。
何を自分の主君を欲しているのか。さすがにもう暗闇に目が慣れて、鐘次は主を見つめた。
「影活様、布団に入ってもよろしいですか。」
どうしてこの人は自分に言わせるのだろうか。いじらしい。恥ずかしいのだろう。本当に可愛らしい。
自分は家臣なのだが。下手をすれば不義なのだが。
影活は何も答えなかったが、少し身体をずらした。
鐘次はその主君の姿に微笑むと、「失礼いたします」と布団に入った。
雪の中を馬で駆けていたという鐘次は、少し汗ばんでいて温かだった。
「外におりました私よりも、影活様のお身体のほうが冷たいですよ。」
鐘次は笑顔のまま縮こまっていた影活の身体を抱きしめた。
「お前は馬に乗っていたのであろう…。」
「あ、そうでした!だから私の体温のほうが高いのですかね?」
鐘次が帰って来た、と影活は実感した。

雪が屋敷に重く降る。
「今戻りました。ものすごい大雪でございますよ、影活様。」
「…。」
「きっと影活様がお寒い思いをしていらっしゃるだろうと思いまして、もしお休みでしたらこうしようと思っておりました。」
「…。」
「あ、…あ、すみません。大阪におりましたら急に影活様に会いたくなりまして。予定より早く馬を駆ってまいりました。下心大有りですな。ですがお休みになってらっしゃらなかったので…。」
「鐘次。」
「すみません、こんなに喋って。お休みください。」
「鐘次、構わん。」
「影活様?」
「儂もお前を待っていた。」
影活は抱きしめてくる鐘次の胸に言葉を吐いた。
「お前の子供のような体温を欲していた。」
「私の体温………。」
今日の影活はよく喋るとか、その身体が冷たくよほど寒かったのだろうとか。
些細なことがどうでもよくなって。
かわりに、この乱世でこうして抱き合えるという広大なことが切ないほど嬉しくて。
あぁ、俺は欲に流されるのだ、と鐘次は思った。浅はかな人間だ。

「影活様、」
「…。」
「申し訳ございません。鐘次は、殿を抱きとうございます。」
丁度、喋る鐘次の唇が影活の額に当たる。
「影活様…。」
熱い唇が押し付けられる。ぐっと鐘次の腕に力が入って、影活は彼の体温をこれ以上ないほど感じた。
「どうして謝るのだ。」
影活は鐘次の胸からついと顔を上げ、鐘次を見た。
「影活はすでにお前のものであろう。」
今夜の彼は喋りすぎだ。悪いのはこの主と雪だ、と鐘次は思い、主君を組み敷いた。

――――――――――――――――――――――…………………

眩しくて目が覚めた。
「ン…っ……、」
鐘次が布団の中で身じろぐと影活はいなくなっていた。はっと覚醒し、身体を起す。
「影活様!!!」
「どうした、五月蠅い。」
「あ、あ…、はぁ。」
板戸を開ける影活の声を聞いて鐘次は肩の力を抜いた。目を瞑り、ほうと息を吐く。
「殿が見当たりませんと鐘次は――――
「慌てるな。お前が儂から離れぬのと同じよう、儂も離れぬ。」
自分の言葉を封じた主君の声に、兼続は主を見つめる。
驚いた。こんな言葉を今無口な主から聞けようとは。
幼少の折にした約束……。
あの日もひどい雪で―――――――――

影活は呆けた家臣の顔を見て、すぐに窓の外へと目線を移した。
長い睫毛がぱさりと動いた。
「雪じゃ、鐘次。」
「はい。」
冷たい凛とした空気の中だったが、不思議と寒さを感じなかった。
まだ身体の芯は冷めていなかった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
鐘次の体温が高いのはワンコだからだよ………。

度胸と技量がなくてエロ書けなかった。全然801じゃない…orz
ドラマ毎週見たほうが801だ…( iдi )
無口「…。」の殿のせいで改行大杉エラーが出まくって、読みにくい長い文章になってしまい、すいません。
お目汚し失礼いたしました!
勢いだけでほんとすみません!ちょっと逝ってきます…。

  • この主従、可愛くてよかったよ! もっと書いて欲しいです。 -- 2009-08-23 (日) 22:09:33

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