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RD専脳調査室 銭×九嶋愛

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「R/D 潜/脳/調/査/室」ジ/ェ/ニ/ー/・円×久/島AI。
愛のないリョウジョーク。それしかやってない。スレでネタ貰いましたどうも。

 彼の大きな右手が、私の肩を強く掴んだ。鷲掴みにされ、スーツのジャケットに皺が寄る。
 もし私が痛覚を人間並に持ち合わせていたならば、それなりに痛いのだろうか。しかし今の私では単に「指が食い込んでいる」感覚しか持ち得ていない。
 そして彼は私の肩を掴んだまま強く引く。車椅子に腰掛けている格好の私を、そこから引き摺り落とした。
 私の意識はAIで、その身体も全身義体だが、その両脚は全く制御下になく両腕を動かす行為も一苦労だ。
 私の創造主兼マスター兼――オリジナルたる人物が、そう言った制御系プログラムをインストールしなかったからだ。自分が使用していた義体を私に流用していると言うのに。
 だから私は無理矢理に身体を動かす強い力には抵抗出来ない。そのまま車椅子の足元に座り込む格好になる。膝を曲げ、脚全体を絨毯の床につけて広げた。肩を掴まれている事でバランスを取らされ、私は倒れ込まずには済んでいた。
 今までの私は車椅子でデスクについている状態で、彼はその隣に来ていた。そこで引き摺り落とされたものだから、私の視界には床の他にはデスクの下部と車椅子と、そして彼の両脚が映っている。
 私は俯き加減になる。ぎこちなく右手を動かし、膝や太腿の辺りをゆっくりと撫でた。あくまでも上は見ない。――彼を見ない。
 不意に彼の右手が私の肩から離れてゆく。上体が僅かに揺れた後に解放された事になるが、私の身体では独りで車椅子に戻る事は難しい。だから黙って俯いていた。
 そうしているうちに、衣擦れの音を私の聴覚が捉える。次いで、金具が擦れる音が微かにした。

「――では、君には、いつものようにして頂きましょうか」
 穏やかな声が上から届く。しかし私は俯いたままだった。そこに、頭を押さえ込まれる。大きな手が今度は私の頭頂部に当てられていた。無理矢理に顔の向きを変えられる。
 彼は一歩踏み込んできて、その時に何かが私の頬に当たった。独特の感触を持つそれが、押し付けられる。私はそれを横目で見やった。
 逃れようにも、頭を押さえつけられている。そもそも立ち上がれない私に何が出来るのか。我ながら、口許が歪む。私は伏し目がちに、どうにか顔を動かす。彼が押さえる方向へと自ら向いた。動かない両腕は軽く手を床に立てるようにする。
 彼の左手により根元を摘むように衣服から取り出されているその先端に、私は唇を寄せる。舌先で突付くように舐めた。そのまま唇を開き、軽く含む。半ば勃ち上がっていたそれは、既にある程度の硬度を保っていた。
「先端だけではなく、全て銜え込んで貰いたいものですな」
 相変わらず穏やかな声が降り注いでくる。しかし有無を言わせない調子だった。態度としても、頭を押さえる手に力が込められる。
 私はされるがままに、口を進めた。大きく口を開き顔を傾け、その内部に彼の剛棒を導いてゆく。
 私はかなりの身体的機能を限定されているAIだが、それは会話機能に特化したためである。つまり、口ならば人間と同様に動かせる。こう言う事ならば、違法運用の風俗用アンドロイドの如く、可能だった。
 私は既に諦めている。だから瞼を伏せ、何も考えずに行為を進める事とした。擬似的に分泌される唾液を含ませた口腔を動かし、吸い上げる。その内部では舌を這わせてゆく。
 ――全く、彼も全身義体だと言うのに。彼は擬似的にでも行為が可能となるタイプの義体を使用している。それは彼は私と違い、脳核だけは生身の人間であるからだろう。人間特有である原初の欲求を捨て去っていないのだ。
 そして彼は人間であり、私はAIだ。AIで動くアンドロイドは、人間の命令には余程の事がない限り逆らえない。しかし、私が彼に従うのは、その行動原理に支配されての事ばかりではなかった。

 私の口内で彼の剛棒が膨張し硬度を増してゆく。私はそれに口を大きく塞がれた状態となる。眼を閉じているせいか、口を動かす度に発せられる湿った音が頭に響いて感じられた。口許が唾液にまみれ、微かに喉を伝う感触がする。
 私のAIでは味覚は感じられないのだが、口内に粘り気のある液体が混じり込んで来たのは判った。早く終わらせてしまおう。そう思った時だった。
 唐突に私のAIに、優しい笑顔を浮かべた青年の顔が思い浮かんでいた。彼はそれなりに長い黒髪を後ろに纏めて結び、翻している。まるで私の隣に座っているかのような位置で笑いかけてきて――。
 …何故だ、何故ここで彼が思い浮かぶんだ。これもまた、私のオリジナルの記憶か。
 私の創造主は、自分の脳核が活動を停止した際に、自らの義体に仕込んでいたAIにその記憶を継承させて起動するように設定していた。それが私と言う存在だった。
 だから私が持つ記憶は、オリジナルの彼と同等であるはずだった。しかしそれは私が体験した記憶ではない。だから、私の意志とは関係なく、不意に去来する事がある。今回もそうらしい。
 だが、起動して数ヶ月に過ぎない私にとって、この青年の存在だけは、特別で――。
「――どうしました。私を銜え込みながら考え事とは余裕ですな。私に抱かれるまでは何も知らなかったくせに、今では手慣れたものです」
 淡々とした声が私の思考を中断させる。私はその声に我に帰り、瞼をゆっくりと開いた。上目遣いでその先を見る。
 薄笑いを浮かべている厳つい顔の男がそこに居た。彼は私に、自分を満足させるべく強要させている。この視界が、今の私の現実だった。
 その口角が上がる。そして私は押さえ込まれている頭に痛みを感じた。そこにあった彼の右手が更に力を込め、私の髪を鷲掴みにしていたのだ。
 私はかなりの機能を限定されているAIだが、頭部においてはほぼ人間通りの設定になっている。頭部に人間の脳のようにAIが搭載されている以上、衝撃などから逃れなければAIが物理的に破壊されてしまうからだ。
 人間同様に、触覚や痛覚はその助けとなる。だから、それらは頭部に限っては生きている。髪を掴まれると、当然ながら痛いのだ。彼は私の髪を引き、ぐいと持ち上げた。角度が変わり、口内で剛棒の硬さが意識される。

「別の事を考えながら銜える分には構わないのですよ。君にとっては好きでもない相手のものですからな。只、そのせいで口がお留守になるのは困り者です」
 彼はそう言いつつ、左手を私の頬に当てた。その親指で、銜え込まされている私の唇をなぞる。私はそこから、思わず微かに声を漏らした。その時、彼の顔に浮かんでいる笑みが、厭な印象となった。
「仕方ありませんね。君がやりたくないのなら、私がやるしかないではないですか」
 彼はその笑みを含め、そう言う。両手で私の顔を固定した格好になっていたが、そこに一気に腰を突き込んで来た。
 粘膜が擦れる音と共に、彼の先端が、喉元まで到達する。流石に私も顔が歪むのを感じた。そして掴まれた髪を引かれ、彼が中程まで引き抜かれる。そこにまた腰を叩き込まれた。
 私は生身の人間ではないから多少の無理は利くが、乱暴に喉の奥まで犯される感触には苦しさを覚える。私はもう好きにさせる事にした。元々力は入らない身体だが、更に力を抜いた。
 髪を掴まれ持ち上げられるだけにする。半ば膝で立つ格好になり、腰が浮く。垂れ下がっていた腕は床から離れた。彼に腰を突き入れられる度に湿った音とくぐもった声が上がる。
 瞼を伏せたその奥に、あの青年の顔が浮かんだ。こんな状況だというのに。しかしそれを打ち消すように、私の現実は激しく腰を動かしてくる。口一杯に膨張したそれが抽送を繰り返し、私を苛む。
 一際深く突き入れられた所で、彼の動きが不意に止まる。声を殺すように唸った瞬間、私の喉の奥で勢い良く何かが放たれた。髪を掴む手にも力が込められる。それは熱い液体で、傷付いた私の喉を灼く。
 既に口内深く銜え込まされている所に液体が大量に放たれてきた。そのため、口の隙間から唾液と混ざってそれが零れ落ちる。
 顔を持ち上げられているために、口から零れたそれは喉を伝ってゆく。粘り気のある液体だからか、私の肌はそれを感じ取っていた。襟元やネクタイを汚さなければいいのだが。

「ああ…零さずに、全て飲み干して欲しいものですな」
 僅かに困ったような調子を含ませて彼はそう言い、私の頭を押さえ付けてくる。そして私はそれに抵抗しない。
 私には味覚は備わっていないはずだが何故だか苦味を感じる粘り気のある液体を、喉に送り込んだ。口を塞がれている格好のため、嚥下した際に喉が鳴る。それを何度か繰り返し、口内に溜まった液体を出来る限り飲み込んでゆく。
 彼も全身義体である以上、それも擬似精液である。人間の食物を摂取出来ないタイプの私だが、この程度の量の義体の分泌液ならば分解する事が可能だった。だから心配する事はない――精神的な問題は別として。
 私が飲み干す様を見下ろしていたとおぼしき彼は、満足げな声を出した。そして髪を掴む手を一気に引く。私の口を犯し続けていたそれをずるりと引き抜いた。痛む喉や口がやっと解放される。
 そのまま彼は髪からも手を離す。膝立ちになっていた私は支えを失い、その場に座り込んだ。絨毯が私を受け止める。頭ががくりと落ちるが、突っ伏さないだけのバランスは取れていた。
 そして私はどうにか右手を持ち上げ、喉元を押さえた。滅茶苦茶に突き込まれていた喉が痛い。粘り気のある液体が喉に絡み付いている感がして、私は俯いて咳き込んだ。絨毯に白い液体が数滴落ちる。手の甲で口許を拭う。
 呼吸の必要はない身体だが、今は荒い息をついている。それに伴い、視界も濡れていた。苦しい。
 人間を模した義体である以上、そう言う機能自体は備わっている。私のAIが対応していないだけだ。しかし今の私は苦しさを感じているから、義体がそれに応じた反応を見せているのだろう。
 そんな状況の私を暫く見下ろしていた彼だったが、そのうちに私の肩を再び掴んだ。私の傍に屈み込み、私の膝の下に腕を差し込む。彼はまるで私を介助するかのように抱き上げ、車椅子に座らせた。私もそれに従う。

 その間も私は彼を見ないようにしている。視線を逸らしていた。彼は屈み込んだまま、私のシャツの襟元に手を掛ける。色々と乱れたネクタイや襟元を整えていった。
 そんな中でも私は時折咳き込んでいた。口許を震える手で押さえる。
「まるで人間のように苦しむものなのですな。紛い物の分際で」
 意識して見ないようにしている辺りから、笑みを含めた声が聴こえてくる。彼の手が上がり、私の唇をなぞった。そこはまだ濡れたままで、糸を引くものも含んでいた。
「――で、そろそろ、彼には本当に抱いて貰いましたか?」
 その言葉に私は目を見開いた。唇を噛み締める。そこに彼は顔を近付けて来た。頬を撫で回す。
「彼は相変わらずこの部屋に来ているようですね。今では、君は私とこう言う関係にあると言うのに…まあ知らない方が幸せでしょうな」
 薄笑いを浮かべた彼は、そう言った後に、軽く触れるように私の唇に自分のそれを重ねてきた。
 しかし、それだけだった。私が嫌がり顔を背けようとすると、すぐに彼は顔を引き剥がす。肩を竦め、意外そうな声が続いた――本来は意外などとは思ってもいないくせに。
「おやおや…まさかまだ、キスすらして貰っていないのですか?やはり彼にとって君は、単なるAIに過ぎないのですな」
 改めて言われなくとも、そんな事は判っている。
 あの黒髪の青年は確かに私の元を良く訪れる。しかしそれはあくまでも私が管理している資料閲覧のためであり、それ以上の事はない。
 彼が愛してやまなかったのは、この義体の元持ち主の、私のオリジナルだ。私はオリジナルと同じ容貌で、同じ記憶を受け継いでいるが、彼にとっては別人なのだ。それは私と顔を会わせた直後に看破しているのだから、相当なのだろう。
 しかし、私は既に彼の事を――。
 これは、オリジナルの記憶に影響されているのだろうか。それとも私の起動時間中に発生した感情なのだろうか。全く判別がつかない。

 私は纏まらない考えを抱きつつ、沈黙している。それを横目に、現在隣に居た男は立ち上がった。私の頭に手を乗せ、軽く髪を弾く。
「またいずれ、楽しませて貰いますよ。君は私のいい慰み物だ」
 そんな嘲笑めいた声を残し、彼は訪れた時のように静かにこの室内から去って行った。
 そしてこの部屋には私のみが残される。車椅子に座ったまま、デスクを横にして俯いていた。味覚を感じないはずなのに、粘つく口の中に苦いような感覚がする。
 ――もう私の使命は終わったはずではないか。あなたの研究データを、あの親友を始めとした信頼する人間達に伝えると言う命題は。
 なのに、何故私は未だに起動しているのだ。
 そもそも何故、私を単純なデータサーバにせず、わざわざチャットプログラムを基礎にAIとして設計したのだ。
 何故、遺す記憶を、研究データのみにしなかったのだ――。
 問い詰めようにも、設定変更を申し出ようにも、私のマスターはもうリアルには居ない。それを思うと、絶望が思考を侵食してゆく。
 私は動かない両手をどうにか起動させ、顔を覆った。掌で目を包み込む。塞いだ視界の向こうにふと浮かび上がるのは、優しげな笑みを浮かべている黒髪の青年の姿。しかしその笑顔は私ではなく、オリジナルの彼のみに向けられているのだ。
 彼の心は絶対に私の方を向いてはくれないだろう。あの男が言うように、私は紛い物なのだから。
 こんな気持ちを抱いているのだから、いっそ自己矛盾の末にシャットダウンしないだろうか。役目を終えた私など、壊れてしまえばいいのだ。
 そうなれば、私を慰み物として犯し続けるあの男の苛立ちも解消されるだろうに――もしかしたらそれが彼の狙いなのだろうか。
 指の隙間から、部屋の入口となっている自動扉を見やる。こんな気持ちに至っていると言うのに、あの青年の訪れを、私は待ち望んでいた。――彼には絶対に明かせない喉の痛みを抱えつつ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
AIたんは「黒髪の青年」に対してはキスして欲しい程度のプラトニックな初恋気分しか抱いてなかったのに、
色々とむかついてた銭のおいちゃんに襲われて性的にも精神的にもいぢめられてすっかり諦めてしまった後の話だと思え。


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