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ケータイ捜査官7 三×霧

水曜夕方七時から携帯が喋ったり踊ったりな番組で
3×霧 今週ネタです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「許さん、許さん…」
霧腹は憧れの『ひとみちゃん』が7にキスをしたことをまだ根に持っている様子で、
ぶつぶつと呟きながら椅子に座って、貧乏揺すりを隠そうともしない。
本部にはいつものメンバー。ジャックの一件が片付いてひと段落というところである。
しかしほのぼのムードの中でも、啓太は詰め寄るご隠居から逃げるように隅でぐったりしているし、
塔子と千種はこれまた隅の方で、独り言の激しい霧腹を避けるように見守っている。
(霧腹さんってネチネチタイプなんだよねえ)
(…まあ放っておいたほうが良いでしょう)
などと、半分呆れを含ませた言葉を交わしながら。
携帯組はというと、7はキスをされたことを思い出しながら
ふらふらとデスクの上をよろめき、3は…霧腹の手の中で、愚痴を聞かされている。
支蔵たちは3かわいそうなどと思いつつも、そんなことはおくびにも出さず仕事、仕事だ。
「…はあ…」
響いたのは霧腹の溜息。たっぷりの羨望と恨みのこもったそれに、また女性二人が眉を顰める。
サードは文句ひとつ言わず、霧腹を慰めてやっている。元気を出して下さいだの、
きっといつかよいことがありますだの、おざなりの言葉で。
当然そんなもので霧腹が癒されるわけもなく、それどころか今の霧腹にとっては
慰めなどただの社交辞令の同情にしか聞こえない。つまり3の行動は逆効果。
「…お前はいいだろうな、別にファンじゃあないんだからなあ」
いつものハキハキとした言葉とは全く印象の違う、間延びした文句に3は困ってしまう。

霧腹はうつろな目を3に向けたかと思うと、いきなり睨みつけ、まくし立てた。
「俺だって確かに頑張ったんだ、ひとみちゃんのために!それなのにこの扱いの違い、許せん!
見ろっ、あの7の有頂天ぶりを!それだけよかったってことだ、あのキスがっ」
3はますます困ったように、バディ、と呟く。
すると霧腹は次の瞬間――ありえない、あってはいけないことをした。
『…っ!?』
3から声にならない悲鳴があがる。塔子と千種はバッチリ現場を見てしまい、
塔子はどこか楽しげな、千種は複雑な表情を浮かべた。
「…わかったか、3、これをひとみちゃんにやられるってことだ。それがどんなに――
…3、どうかしたか?」
3は目を回して、そのままぶっつりとブラックアウトしてしまった。
霧腹は首を傾げる。充電切れにはまだまだならない筈なのに――と。
(うわあー…霧腹さんって時々よくわかんないんだよねえ)
(……もう私は何も言いません)
二人は対照的な表情をした後、それぞれの業務に戻ることにした。
ようやくご隠居から開放された啓太も、7と共に帰路につこうというところだ。
皆がそれぞれ動く中、霧腹は一人怪訝そうな顔をしながらも
整理業務に取り掛かるためポケットにそっと3をしまった。
(バディは迂闊すぎます!こ、こんな、こんな破廉恥な…!わたくし、わたくしは…!)
ポケットの中での3の呟きは、勿論霧腹に聞こえることはなかった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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