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チーム・バチスタの栄光 第一×第二

1さん乙です!

ドラマばち☆6話ED中の助手コンビを妄想して書き殴り
えろもなければちゅーもない、よ

|> PLAY ピッ ◇⊂ (・∀・ )ジサクジエンガオオクリシマス

中庭に面した薄暗い廊下でひとりソファに座り込み、坂井は茫然と虚空を見つめていた。
黒埼達の怒号は聞こえていたが、だからといって体は全く何の反応もしようとはしなかった。
この場から逃げ出して、それでどうしようというのか。
樋室の魂胆を推察しようと試みて、すぐに無駄な事だと放棄する。
オペ室で最後にすれ違った時、万に一つでも坂井へ向けられた感情があったとすれば
それは酷く鋭利な棘を含んだ絶対零度の拒絶だった。
あれは見たこともない恐ろしく暗い闇だ。ともすれば飲み込まれてしまいそうな恐怖に
足が竦んで、坂井はその深淵に近付く事さえ出来きなかった。

それからどうしてこの場所へやって来たのかよく憶えていない。
気が付くと、許容しきれない現実から逃れるようにオペ室を離れ、ここに居た。
未だ薄い手術衣のままいるせいで体は冷えきっていたが、そんな事を気にする余裕もない。

ふいに、こつん、とリノリウムの床が硬い音を響かせた。
坂井は反射的に息を呑む。
瞬間頭に浮かんだあり得ない可能性を振り払って顔を上げると、そこには柿谷の姿があった。
「あいつだと思ったか?」
呟いて、苦く笑う。すっかり白衣に着替え終えて表面上は平静を装いながら。
それでも、いつも通りの表情を作ることには少しばかり失敗している。
そのまま何もいえないでいる坂井の隣へ柿谷も腰を下ろした。
会話はない。互いに沈黙したまま、時間だけが過ぎる。

「…どうして」
やがて、坂井の口から掠れた声が漏れた。
「どうして、こんな、」 こんな事になってしまったのか。なぜ樋室はこんな大罪を犯したのか。
言葉をうまく紡ごうとすればするほど頭の中は混乱して、何を言おうとしているのか
坂井自身にもよく分からない。柿谷も、何も応えない。

樋室の裏切りが許せなかった。でもそれ以上に、白取の忠告にも多口の切実な訴えにも
頑として耳を貸さず、そればかりか外科医になれなかった人間の妬みだと蔑んでさえいた
自身の幼稚な慢心が愚かしくて、羞恥に押し潰されそうだ。

二度目の沈黙。それきり口を閉ざして俯いた坂井の背に、骨ばった掌が添えられた。
布越しにじわりと伝わる熱の優しさに唇が震え、眼の奥がつんと痛む。
ややあって、唐突に柿谷が坂井の体を強く引き寄せた。
柿谷の体は温かかった。崩壊寸前だった坂井の堰が、緩やかに解放されてゆく。

喉の奥から嗚咽が込み上げた。
鼻先に水滴のつたう感触があって、坂井は自分が泣いている事を知る。
震えるその背に回した両腕に力を込めていっそう強く、柿谷は坂井を掻き抱いた。

サイレンの音が聞こえ始め、騒ぎを知った部外の医師達が何人か慌しく横を通り過ぎる。
途中、尋常でない二人の様子に足を止め、好奇混じりの訝しい視線を向けてくる者もあったが
それらは柿谷に鋭く睨み付けられ、そそくさと立ち去るより他になかった。

「…いいんですか」
情けなく鼻を啜り上げながら坂井は柿谷に問う。
「何が」
短くそう言って、柿谷は坂井の頬を撫でた。
「変に、思われますよ…おかしな…噂、立てられたり」
「構わんよ」
言わせておけばいい。柿谷の言葉が、ひび割れた心を包み込む。
その優しさに甘え、どうかもう少しこの時が続けば良いと、坂井はただそれだけを願った。

□ STOP ピッ ◇⊂ (・∀・ ) イジョウ、ジサクジエンデシタ

次の放送までなら許されると思ってやった。反省はしていない

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