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オリジナル 「チーム・オナホ」

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
オリジナル。現代モノ。先週のつづき。

退社後、六六六は久しぶりに三鷹に電話をかけた。
丁度、三鷹も六六六にかけようと思っていたらしい。電話に出た三鷹は興奮していた。
一緒に会社を興さないかと誘うと、三鷹は美健用品の企画開発及び販売を手がけている
地元のベンチャー企業に引き抜かれ、いまは耳かきをつくっているのだと言った。
「髪の毛の約20分の1の極細繊維をつくんなきゃなんねえの」
「マジで?」
「日本人の耳垢ってドライが多いんだってさ」
「あぁ、そうかもな。俺もカサカサの乾型だわ」
「だろ? そんでさ、そのカサカサの耳垢をごっそりすっきり掻き出せる、
ブラシタイプの耳かきとやらを今の勤め先がつくろうとしてんのよ」
「ちょ、三鷹! お前、それ社外秘情報じゃないのか?」
「いいの、いいの。しゃべったところで、耳を傷めない安心安全な素材で、
耳垢をキレイにキャッチできて、なおかつ耳そうじが『気持ちぃ~い!』極細繊維を
つくれる技術者はこの俺以外にそうそういねえから」
三鷹の俺様なセリフをハイハイと聞き流しながら、
六六六は内心、確かにそうかもなと頷いた。

「そんで、ミクロの耳垢も掻き出せるしなやか~な極細繊維はほぼできあがりつつ
あるんだけど、ブラシの形状がいまいち定まらねえのよ。で、ミロクに助けて欲しいわけ。
社長に、ミロクの事はなしたら、金は払うから、そのデザイナー引き抜いてこいって
うるせえの。『三顧の礼で自らむかえに行けよ』って感じだけどな。一応、伝えとく。
考えといて。そんで、本題なんだけど、お前、デッサン得意だよな?」
「はい?」
突然、話がかわり戸惑っている六六六に三鷹はさらに訊ねた。
「モンタージュな似顔絵とか描ける?」
「犯罪捜査に使われているみたいなやつか?」
「そうそう!」
「顔の特徴とか教えてもらえればそれらしいのは描けると思うけど?」
「ラッキー! さらっと描いてFAXで送ってもらえねえ?」
「かまわんよ。 けど、どうしたん?」
「ちょっとな、人捜してんの」
「ふうん?」

「とりあえず、服装から言うな? ピンストライプの細身のスーツ着て、
マジで仕立ての良いテーラードコート纏ってた。顔は超小顔、顎がシュっとしてる。
髪は黒系。前髪が長めでアシメ。右がちょい長い感じ」
「目元は?」
2Bの鉛筆を走らせながら六六六は尋ねた。
「涼しげ。睫毛がすぅーって伸びてる。下睫毛長めかな」
「鼻は?」
「高かった。小鼻がすっきりしてて、鼻先がツンとしてる」
「口元は?」
「歯並び完璧。すべすべでキレイだったな……」
「イメージ的に歯を見せて笑ってる感じ?」
「いや、口角上げてるイメージはゼロ。薄くて、キュっと引き締まってた」
(なんか、……常務に似てる?)
三鷹に言われるまま描きあげたイラストを見て六六六は眉を寄せた。
「あと、口の端にホクロがあったけど右か左か覚えてねえわ」
「マジで? ホクロがあんの?」
双子の兄である専務は左目の下に、弟の常務は右の口元に小さなホクロがある。
似顔絵の口元にホクロを書き加えると、イラストはますますオナニーマニアの上司に似た。
「雰囲気が何か似てる」
六六六は三鷹にイラストの男が「うちの常務に似ている」旨、告げてみる。

「マジで!? お前の務め先って『コンドームのC』だよな? 
創業者一族の名字ってもしかせんでも志すに井戸の井で『志井さん』だったりする?」
三鷹は前のめりな口調で話しに食らいついてきた。
「そうだけど」
「じゃあ、ビンゴかも! ちょいググってみるわ。その常務のフルネーム教えて」
六六六が三鷹に上司のフルネームを告げた一拍後、上擦った声で三鷹が叫んだ。
「ヒットした!今、画像見てる。コイツだわ!ごめん、FAXもういらねえ。奇跡だな」
「奇跡って、え? 何で? 何でお前がうちの常務を捜してんの?」
「振られたんだよ」
「はい?」
「で、振られた後、衝動的に会いたくなって電話したら、携帯の番号変えたみたいで
繋がらねえの。家も知らんし、今、興信所に調べてもらってるんだけど、自分でも似顔絵
持参で、アイツが行きそうなバーとか回って聞き込みしようかと思ってさ、
ミロクに似顔絵発注したら、新展開! 今ここ。OK?」
全然、OKではなかった。三鷹と常務が男同士で付き合っていたという段階で
普通人の六六六はキャパオーバーだ。話についていけない。

「あした有給取って東京行くわ。志井に『ちょっと話したい』って言っといて」
「ちょ、待てよ!」
「何? めんどくさかったら番号教えてよ。俺、自分で志井に連絡とるわ」
「いや、俺も常務の電話番号とか知らないから」
「だよな~。じゃあ、志井に俺が『ちょっと話したい』って言ってたって伝えといて」
「……なぁ、ちょっと話したいって、それって、告白か?」
「はい!?」
「それって、『また巡り合えたら言おうと思ってた。もう一度付き合ってくれ』的な告白?」
「まさか! ありえねーし。別に好きとか、もう一度付き合って欲しいとか
そういうんじゃねえもん。会って話さなきゃいけねえことなんか、とりたてねえよ。
けど何か話したいの。ちょっと一緒にいたいみたいな感じ?」
まったく意味がわからなかった。
(もう一度付き合いたいから、興信所まで使って捜していたんじゃないのか?)
六六六には三鷹の恋愛感が理解できない。
(「ちょっと一緒にいたい」のは「好きだ」からじゃないのか?)
「とりあえず、志井に宜しくな。 あと、耳かきの件も、な? 」
電話は一方的に切れた。

六六六が三鷹と話していた間、志井は自宅で日課の手淫をしていた。
きょうのオナホはトリノから取り寄せた。塗るだけで温まるホットジェルを用いた、
「舌で包まれているような」感覚が人気の一品だ。
志井はオナホを専用マシーンにセットして腰を振るよりも、
オナホを手で持って動かす方を好む。手で持ったほうがより「手淫」な感じがするからだ。
志井の部屋には志井がカスタムしたリラックスチェアがある。
素材は本皮。リクライニングの傾斜角は通常時27度、最大42度。
約53cmの幅を持つ広々とした座面には低反発素材を使用し、
オナニー中の多様な体型、姿勢にフィットするレッグレストとフットレストを装備した。心地よさを極めたその椅子に、汚しても良いよう防水加工ほどこしたカバーをかけた上で、
深ぶかと腰掛け自慰をする。志井はその時間が大好きだ。

オナホを使ったオナニーはいつも果てがおしまれる。のぼりつめても弾けたくはない。
めくるめく光の只中にずっと立ち尽くしていたいのに、最高に楽しいひとときは、
屋根まで飛んで壊れて消えるしゃぼん玉のようにふっと終わる。
事後の心地よい気だるさにひたりながら、志井はいつも思う。
(やっぱり前が好きだ……)
志井はメンズ用のファックマシーンも持っている。
キャットバックの体勢で、バイブをセットした機械に後ろからファックしてもらうのも
乙だが、前を触っていくほうが性に合っていた。
今まで関係を持ってきた男達との情事の最中も、後を攻められている際、志井は
こっそりと前を弄っていた。だって後だけではなかなかいけないのだ。
志井が後だけの刺激でいったのは28年生きてきてたったの2回。
1回目は21歳の時だ。ファックマシーン使用中にピストン用のコントローラーが故障し、
暴走モードに突入したマシーンに緊急停止のボタンを押す間もないほど、
高速で突き上げられた。過去最高の絶頂を経験したのを覚えている。
空っぽになるまでいかされ、トリップしていた志井をマシーンから救ってくれたのは、
当時、志井と兄の家庭教師をしてくれていた男で、その男はいま兄の秘書を勤めている。
羞恥で身悶えたあの晩の苦さは一生忘れられそうもない。

2回目は、先日別れた三鷹という男との何回目かのセックスだった。
その晩、志井は若干熱っぽかったが人肌が恋しかったため、
東京から飛行機に乗って三鷹に会いに行った。向かい風で飛行機が激しく揺れたため
酔いをひきずってセックスをした。三鷹とのセックスはいつもスタンダードで、
正上位か騎乗位、でなければバックと決まっていた。
その時は志井が三鷹に跨り騎乗位で腰を振った。けれども体調がやや悪かったため
志井の動きは緩慢で、それにイラッときたのか、三鷹は志井の腰を抱き寄せるふりをして、
左右の手で両腰をがっしりホールドすると下から激しく突き上げはじめたのだ。
奥深く入ってきた三鷹に絶え間なく感じさせられ、志井は発汗した身体を仰け反らせ、
必死に口を押さえて喘いだ。遅漏ぎみの志井が、後だけの刺激であっという間に
高みに押し上げられたセックスは後にも先にもその1回だけだ。

はやい話、後でいくのは難しい。だから志井は前派だ。
トリノ製のオナホを堪能したあと、志井は体感レポを記し寝袋に潜り込んだ。
志井の部屋には布団もベッドもない。志井が一番好きな寝具は寝袋だ。
エベレスト登頂にも用いられているという羽毛のつまった寝袋を志井は長年愛用している。
リラックスチェアでのオナニー後、お気に入りの寝袋に潜り込む。
それがたまらなく心地よい。
志井は好きなものがはっきりと決まっている。誰に奇異な目で見られてもいい。
ずっとマイペースに生きてきたし、これからもそうする構えだ。
一番はオナニーだけれど、ときどきリアルも恋しくなる。そういう時は、その手のバーで
男を漁ることもあるし、気持ちがお仕事モードに切り替われば別れ話を切り出す。
これまで志井との別れを拒んだ者はいなかった。
互いにほどよい距離感を保てる男としか付き合ってこなかった賜物だ。
自分なんかに深入りする男がいないことを志井はちゃんとわかっている。
きっとオナニーを想うように、誰かを想えたら、誰かと通じ合えるのかもしれない。
そう思うけれど、結局ご自愛が一番大好きだ。
誰かを想うなんて志井にはちょっと出来そうもなかった。
この両手とオナホがあればそれでいい。寝袋の中で自分の掌を見つめ志井は微笑んだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウジサクジエンデシタ!

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