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エジプト神話 ホルス×セト(オシリス←セト)5

前スレの続きで埃.及神話の甥×叔父。精神的には叔父の兄(甥の父)←叔父も。
今回は甥出てないのでほぼ叔父の兄←叔父です。
獣面人身神の擬人化など自分設定多数注意。益々自分設定増えてきました。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 神殿の中央に祭壇のように作られた段の上、全ての光を拒絶するかのような漆黒の棺はただそこに
鎮座しているだけで瀬戸を圧倒した。棺から目を離すことができない。瀬戸の喉元が、ごくりと脈打つ。
 ――この棺が、どうしてこの神殿に――。
 そうだ、この棺は、他ならぬ己の手で打ち壊したのではなかったか。鎌のような三日月が照らす中、
冷たい沼地で泥の飛沫が身体に跳ねるのを感じながら、冷え切った兄の死体と共々に、切り刻み、砕
き、ただの板きれになるまで打ち壊して尼羅の河に投げ捨てたのではなかったか。
 ――棺がここにあるならば、では、その中は――?
 その疑問に思い至った途端、瀬戸の心臓がどくっと跳ねた。鼓動がうるさいほどに響き始める。瀬戸
は何かに操られているような足取りで段に上がり、棺の側に両手をついて跪いた。
 闇のような黒檀の棺には金銀で細工が凝らされ、上質の翡翠と澄みきった色の碧玉が幾多の星の如
くに散りばめられている。碧の石の繊細な輝きは、兄の瞳を思い出させた。降り注ぐ木漏れ日のように
暖かく、それでいて人々の目を強烈に惹きつけずにはいられない、生まれながらの王の瞳。
 瀬戸は震える手で棺の蓋に触れ、指に力を込めてずしりと重いそれをゆっくりと持ち上げた。中は空
ではない。誰かが、横たわっている。
 そこに眠る人の顔をまともに見た瞬間――瀬戸は全身が一気に総毛立つのを感じた。
 兄だ。
 王の証である羽根飾りのついた冠も今は戴いておらず、素のままの茶の髪がさらさらと広がっている。
やや細面な輪郭、柔らかな弧を描く眉。肉の薄い瞼は伏せられて、鳶色の長い睫毛が更に際立って
長く見える。

 変わっていない。生前の緒知栖と何も変わっていない。唇にさす微かな赤みは死人のものではなか
った。その身体は、確かに血が通っている。穏やかな寝息さえ聞こえてきそうなその姿に、瀬戸はぐっ
と喉が詰まって思わず泣き出しそうになる。耐え難い恐怖と安堵が瀬戸の中で糸のように絡み合って
いた。自分が焦がれ、妬み、そして殺したその相手と、一体どんな風に顔を合わせればいいのか!
 緒知栖の、睫毛が震えた。僅か、ほんの僅か眉間に力がこもり、そして、どんな宝石もかなわないよ
うな美しい碧の瞳が現れる。
「兄様――!」
 緒知栖はゆっくり瞬きをしてから、まるで午睡から覚めたような何気ない動作で起きあがり、側で言
葉を失っている瀬戸の顔を見ておかしそうに微笑んだ。
「やあ、瀬戸」
 暖かく、とろけるように優しい笑顔だった。にっこりと目を細め、愛する肉親を見る表情で、緒知栖は
瀬戸に笑いかけている。
 その笑顔を見るなり瀬戸の思考は真っ白に弾け、気付けば床に手をついていた。目の奥が熱い。首
切り役人の前に出た咎人のように、がたがたと震えながら頭を垂れる。それは命を差し出す姿勢だっ
た。否、命などいくら捧げても足りないのだ。瀬戸が犯した罪のことを思えば。
「兄様、緒知栖兄様……!」
 俯いて瀬戸は叫ぶ。眼から溢れた熱い涙が、床にぱた、ぱた、と落ちるのを感じながら。
「私を罰して下さい……!私は、瀬戸はあなたを殺しました!」
「おかしな事を言う。私はこうしてちゃんと生きているじゃないか。何を罰しろと言うんだ、瀬戸?」
 頭上から降り注ぐ緒知栖の声は、穏やかだった。
「私は反逆者です!罰を――!」
 顔をあげて悲鳴のように叫んだ瀬戸の頬を、緒知栖は両手でぴたりと包み込んだ。その手の暖か
さに、思わず瀬戸は言葉を途切れさせる。

「……そうか、瀬戸がそんなに言うなら仕方がない」
 緒知栖は哀しげに呟く。高貴な碧の瞳が、愁いを帯びていた。
「――では、罰を」
 緒知栖の声と共に、強い眩暈が瀬戸を襲った。床に崩れ落ちそうになって、思わずすがりついたの
は大理石の柱だった。
 ――柱?
 そんなものはさっきまで目の前になかったはずだ。気付けば瀬戸は立った姿勢で白い柱に抱きつい
ている。祭壇も棺も眼前から消え失せ、どうしたのかと訝ったその時、瀬戸は背中から熱の塊が覆い
被さるのを感じた。もがく間すらも無く瀬戸の身体は柱に押しつけられ、白い長衣は音をたてて引き
裂かれる。そして瀬戸は、後ろから強引に串刺しにされる感覚に声をあげた。
「――あ、あぁ――……ッ!」
 冷たい大理石の柱に頬を押しつけぎゅっとしがみついて、瀬戸は全身に走る悪寒に耐える。瀬戸の
腰は強く掴まれて身じろぐこともできない。休むことなく深くを穿たれ、内蔵を犯される屈辱と異物感の
間から次第に引きずり出される快感が、瀬戸の声を更に掠れさせた。
「く、うっ、ぅ、あぁ……ッ!」
 身体の芯から力強く揺さぶられ、全身にびっしょりと脂汗をかいて、瀬戸の身体は絶え間ない苦痛と
快楽に痙攣する。
 ――ああ――これが罰なのだ。緒知栖兄様が私に与えた罰なのだ。
 瀬戸の瞳から涙が溢れた。陵辱に身体が軋む音を聞きながら、焼けつくような快感を味わいながら、
瀬戸の意識は深い闇の奥に堕ちていく。

 己の喘ぐ声で目を覚ました。
 瀬戸は肩で息をしながら辺りに目を配る。そこは王の寝台だった。白い夜明けの光が、亜麻の天蓋
を透かして寝台に差し込んでいる。瀬戸はその穏やかで日常的な光景に息を吐いた。

 一瞬夢から覚めたことを惜しく思ったことなど――何かの誤りでいい。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 感想本当にありがとうございます!

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