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オリジナル 「チーム・オナホ」

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
現代もの。ひき続き受けのターン。

気持ちよいのはあたりまえ。
使用中も使い終わりもスマート。衛生的で低価格な1デイズの使い捨てオナホ。
キッチュなジョークグッズではなく、厚生労働省の認可を取得し、
男性用生理用品として発売できるオナホ。志井はそんなオナホがつくりたい。
だが、開発チームのリーダーに「オナホールに革命を起こしたい」と告げたとき、
「革命はもう起きています」と返された。
巷では、確かな品質と洗練されたデザインで、あやしい、いやらしい等のオナホの
イメージを払拭したライバル社の商品が大ヒットしている。
「あのオナホがオナニーはうしろめたい行為ではなく健全な楽しみだと教えてくれた」
多くの男性がそう絶賛するオナニーがこの世にはすでにあるのだ。
耳に心地よいリーダーのロー・バリトンで、遠まわしに
「事業からの撤退を話し合う役員会議を開いては」と言われ志井は凹んだ。

凹んだ気分をおいしいごはんで引き上げようと昼食をとるべく社員食堂に向かう。
「しーちゃんのおかげだよなぁ~」
食事中、後の席から聞こえてきたコンドームチームの若手研究員たちの上司自慢が
やたらと気になった。
志井ちゃん、志井ちゃんと兄が部下に慕われていることは聞き及んでいる。
一卵性双生児の兄と自分を比べることは学生の時にもうやめた。
やめたけれども、きわめて達観し解脱した人ではない志井は、嫉妬の辛さを覚える。
心はひりひり、きりきりする。凄まじくまずい昼めしだった。
業務提携の話ひとつまとめあげられない自分の無力さが不甲斐ない。
まったりのったり動き、ごろごろ寝てばかりいる兄より、
仕事も努力もできない男であるところの俺……そんな自分が志井は大嫌いだ。

だけれど、自分は大嫌いだけれど、ご自愛は大好きだ。
上質のオナニーは不幸なセックスに勝る、この世にはリアルを超えるオナニーがあると、
志井はそう信じている。志井の座右の銘は「オナニーを笑うな」だ。
何より現代社会には、自分を筆頭に「一緒にいてくれる人」がいない男があまたいる。
そんな男たちの人肌恋しい夜に、志井は典雅なオナニーをもたらしたい。
一緒にいてくれる人がいる人は談笑やセックスをすればいい。
一緒にいてくれる人がいるというのは、とてつもなく豊かなことだ。
(例えば兄さんみたいに……)
志井は知っている。兄には兄自身よりも兄が必要としているものを理解し、
ビジネスだけでなくプライベートの面倒も見てくれる個人秘書がいる。
(あの秘書は例え何があっても力強く兄さんの側にいる)
(兄さんも、本当に一番一緒にいたい人がわかっている)
嫉妬するのもむなしい関係だ。秘書への恋心は学生の時に生き埋めにした。

恋愛よりも自愛派。志井はそう自覚している。
だからこそ自慰メンによる自慰メンのためのオナホールをつくりたい。
気ままでだらしなく、ときどき淋しい一人暮らしに、
静かだが力強い希望を伝えるオナホールを届けたい。
酒気帯びの溜息をついている夜、志井は幾度もオナニーに救われた。
いってる最中にドンッと次ぎが来るようなオナニーを、
裏返った声が息が続かなくなるまで延ばされるようなオナニーを、
持っているものを全部出せるようなオナニーを自社のオナホで提供できたら、
俺はもうそれでいい。志井はいまそう思っている。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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