オリジナル 「チーム・オナホ」
更新日: 2011-01-12 (水) 00:16:59
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現代もの。きのうの続き。受けのターン。
株式会社志井商事は産業用フィルムの製造等をしている。
世間的にはコンドームの最大手で知られている会社だ。
社長である志井の父親は竹を割ったような性格の人で、志井の双子の兄は癒し系だ。
社員にパンダのような専務と呼ばれ、一卵性双生児の弟である志井は、
竹をパンダごと割ったような常務と呼ばれている。
志井の兄が率いるコンドーム部門は、昨年、特殊ポリウレタンを使用した
極薄コンドームの開発に成功し、社に多大なる利益をもたらした。
弟である志井が率いているオナホール部門は新商品の開発に苦戦中だ。
停滞の原因は、メディカル用のシリコン系新素材を開発した地方の優良企業との
業務提携が白紙撤回になったせいだ。
契約の内容をつめる段階にくると、双方ゆずれない事項が幾つか生じ、
結局、破談という残念な結果になってしまった。
失望を隠せない社員は、契約破談の真の原因は志井常務の交渉力の無さだと噂している。
噂されるまでもなく志井本人が一番よく知っている事実だ。
癒し系で仕事のできる兄のコンドーム部門に配属された社員は勝ち組。
氷結系で無能な弟のオナホ部門に回された者は負け組み。
社で流れている噂に偽りはないと志井は自嘲している。
この1年半、志井は仕事そっちのけで遊んでいた。
志井は「する」より「される」方が好きな質だ。男としては異質だと思うが、
はじめて体験した17歳のときから11年、セックスはずっと受身だ。
業務提携の件で訪れたはじめての街で、気軽な雰囲気に惹かれ、
男性限定のその手のショットバーにふらっと入ったのが間違いだったのかもしれない。
いい男でもいればとのぞいたそのバーで見つくろった三鷹という男のペニスは、
お気に入りのバイブに良く似た超がつく好みの形だった。ハマって誘われれば必ず会った。
呼び出された日、東京にいてもスケジュールを都合し飛行機で会いに行った。
1年半、遠距離恋愛ごっこを独りで楽しんだ。
志井は思う。1年半も酔狂が続いたのは束縛されなかったからだ。
いい加減、仕事に身を入れようと思い、別れ話を切り出した際も、
「マジで? じゃあな」と簡単に別れてくれた。
別れのキスのそっけなさは、ぶ厚いキスの押しの強い味が苦手な志井にとって丁度だった。
でもいまは当分、愛とか恋とかはどうでもいい。「する」とか「キス」とかも然りだ。
兄に負けたくない。兄のコンドームに負けないオナホールをつくりたい。
志井がつくりたいのは、コストパフォーマンスの高い低価格の使い捨てオナホールだ。
ライバル社は洗浄が簡単で繰り返し使える画期的なオナホを販売している。
志井自身、試してみて実に衛生的だと思った。
使用感もパッケージのデザインも非の打ち所がなかった。
深夜、自室でライバル社のオナホを使いながら目が潤んだのは、
悔しかったからだけじゃない。あまりにも使用感が良すぎて涙腺がゆるんだ。
生理的な涙というやつだ。
ライバル社のオナホに打ち勝つには、1日使い捨てしかない。
志井は使い捨てにまさる衛生的なオナホはないと思っている。
何より、毎日新しいは、きっと毎日気持ちいいに直結するだろう。
問題は価格だ。ライバル社のオナホは6000円で約50回使えるとのこと。
1回120円。経済的だ。この安さと戦うならば、
自社商品は1回100円におさえたい。7日分入って700円。これが理想だ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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