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オリジナル 「チーム・オナホ」

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
オリジナル。現代もの

井戸水で冷やしたスイカみたいなつめたいキスだった。
三鷹は志井と交わした別れのキスを思った。
交際期間1年半。熱愛ではなかったがよく冷えた関係はとても好ましかった。
運命の人にめぐりあうまでの仮の恋人。三鷹にとって志井は「繋ぎの男」だった。
おそらく志井にとっても三鷹はそういう男だったはずだ。
熱いキスは一度も交わしていない。
志井とのキスは、いつだって二人の関係そのものの様に心地よく冷えていた。
セックスも男同士という点を除けば、いたってノーマルなプレイばかりだった。
志井に別れを切り出されたとき、何の感慨もわかなかった。

 志井と別れた翌日、三鷹はセフレとホテルで待ち合わせ、バーで飲んだあと寝た。
最中にキスをした。生ぬるいキスだった。
 事後、シャワーを浴びた。風呂上りに冷蔵庫のビールを飲んだ。
よく冷えたビールのきめの細かい泡に志井のくちびるを思い出した。
薄いくちびるだった。
美しい口元に小さなほくろがあった。左端だったか右端だったかは思い出せなかった。

 1年半前、夜の街で出合った時、貧乳の美女が男装をしているのかと思った。
心臓が動悸した。麗しい男というのを生まれてはじめて見た。
 見た目は本当に好みだった。
ちょっとした好意以上のものは最初から最後までずっとあった。
決め手が得られなかったのは、くだけたところのない志井の高雅さが
本当につまらなかったからだ。
無口で無愛想で、とにかく歯を見せない男だった。
すべすべの白い歯をはじめてみたのは結合中。
上になって顔を見下ろしていたとき、小さく喘ぐ口から
ちらっと見えたそれをきれいだと思った。

(この俺が別れた男のことを思い返している)
その事実に三鷹は激しい心の動揺を覚えた。
(志井は大事な男だったらしい)
自分のことながら、まだよく把握できていないけれども、
漠とした、しかし大変大きな喪失感に三鷹は唖然とした。
とりあえず、いま志井を思い返している。それが会いに行く理由になる気がした。
三鷹は先に帰ることをセフレに詫び、ホテルを出た。そして走った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
恋のはじまりはじまり


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