デトロイト・メタル・シティ レッド隊長と仁村 「DMC信者に悪い奴ぁいない」
更新日: 2011-01-12 (水) 00:16:08
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| デトロイト・メタル・シティ レッド隊長と仁村
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 少しだけど流血、暴力描写ありです
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 801になっていないかも……
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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気に入らない奴
それが第一印象だった
騒がしいし、馴れ馴れしいし、図々しいし、ウザいし
勝手にステージに上がるわ、クラウザーさんの新技に勝手に名前を付けるわでやりたい放題フリーダムだし
(おかげで”鳳凰と邪馬台国”という素敵にイカした名前がお蔵入りになってしまった)
何よりDMCのメンバーを勝手に呼び捨てにしている事が許せん
クラウザーさんには”さん”をつけろ!ジャギ様には”様”をつけろよ!
まったくアイツには我らがDMCに対して尊敬の念ってモンが無いのかよ!!
そんな感じで奴に対する俺の感情は、初めて会った時から最悪だった
――あの時はまだ気付く訳が無かった
アイツに対する感情が、”大嫌い”って気持ちが180°反転してしまうだなんて
あの底抜けに陽気で人懐こい馬鹿を本気で好きになってしまうだなんて
それはある日のDMCのライブが終わった直後の事だった
「次回のライブは今月末の予定らしいな」
「あぁ。噂だと”トリックorトリート”ならぬ”レイプorキル”がコンセプトだそうだ」
「10月31日、地獄のハロウィンが俺達を待っているぜー!」
いつも通り興奮冷めやらぬライブハウスで仲間達とDMCについて熱く語らっていた時、ふと俺はドア付近にいる男に気付いた
帰国子女だからか、やたらノリが良くハイテンションで、ズバリ言えば煮ても焼いても食えない程にウザい男・仁村
同じDMC信者でなければ積極的に関わっていこうなんて到底思えないあの男が、数人のガタイのいい外国人と一緒だった
一瞬しか見れなかったその横顔はいつになく殺伐としていて、いつもの頭の軽そうな笑いが消えていた
その顔が、その眼差しが何故かやけに印象深く目に焼き付いて、仁村がライブハウスを出て行くまでの間、俺は奴を眼で追っていた
「…………」
「どうした?イイ女でも見つけたのか?」
いつも一緒につるんでる仲間の声にハッと我に帰る
「い、いや、何でもない」
そう曖昧な返事をして俺はもたれかかっていた壁から体を離した
「ちょっと野暮用思い出したわ」
「おい、ちょっ…何処行くんだよ!」
自分でも何故だか分からないけれど、何となく気になって外に出てみる
そこから見える範囲内にアイツの姿はもう無かった
少しライブハウスの周辺をうろついてみたけれど、それでもそれらしき姿は見当たらない
俺は一体何をやっているんだ……
そもそも何でそこまであの男の事が気になるんだ?
奴がいつになく真面目で、らしくない顔をしていたからか?
一緒にいた外国人がやけにガラ悪そうだったからか?
仁村が、あいつらに無理やり連れて行かれるように見えたからか?
俺があの馬鹿を心配してるって事なのか?
「いやいやいや」
自分の頭の中に芽生えたふざけた考えを振り払うかの様に首を左右に振る
生贄に選ばれた事は無いものの俺は身も心もクラウザーさんの物だ
他の奴に気持ちが揺らぐなんて、それもあの仁村だなんて
そんな事は絶対にあり得ない
つーか考えたくもない
「はっ馬鹿馬鹿しい。さっさと戻るか」
大きく屈伸をして、仲間達がたむろしているあの場所へ踵を返す
その時だった
遠くで男の叫び声が聞こえた
何となく聞き覚えのある、その声がした方向はライブハウスから少し離れたボロ屋
聞いた話だとそこはもうじき取り壊し予定のライブハウス旧倉庫で今はもう立入禁止になっているらしい
まさかあそこか?
しかしそうじゃない可能性も高い
万が一そうだったとしても構う義理なんかない
さっきの尋常でない叫び声からして、行った所で厄介事に巻き込まれるのは間違いない
でも……
自ら首を突っ込まず放っておけばいいのに、何故かそう割り切れない自分がいた
「チッ」
舌打ちして、その廃屋に向かって進路を変える
なんでそうしてしまうのか自分でも訳が分からない
「あぁ!何なんだよ、もう」
目的の場所にはすぐに辿り着いた
「邪魔するぜ」
そう呟いて中に入り、話声の大きくなる方へ向かって歩く
中では5、6人の男が何かを取り囲むように丸くなっていた
話声は全て英語
俺には”Fuck you”,”shit!”,”kill”等の簡単且つデスメタル的な単語しか聞き取る事が出来ない
そして男達の描く円の中心には
「あの馬鹿……ッ!」
膝を抱えた仁村が、うずくまって倒れていた
俺のいる位置からでは、長めの前髪に隠れた顔ははっきりと見えないし、声もくぐもっていてよく聞こえない
一人の男が奴の体を足で転がし仰向けにさせ、勢いよくその腹を踏みつけた
その途端に上がる悲鳴と男たちの嘲りの笑い
別あーな男が奴の襟首を掴み、宙吊りにする
男たちより頭一つ分高い所に見えるアイツの顔
傷だらけで痣だらけで血まみれで
一瞬だけ、目が合ったような気がした
「オイ」
そして俺は気づくと鉄パイプ片手に男たちの前に仁王立ちしていた
「俺が本当のSATUGAIを教えてやる」
「……で?」
「で……って何がだよ?」
さっきの男達を徹底的に叩きのめした後、俺は目の前のボコられ男に事の説明を迫った
仁村は突然助けに現れた俺に驚くでもなく、いつも通りヘラヘラ笑っていた
「何でお前はこの外人共に喧嘩売られてたんだ?俺は状況がさっぱり飲み込めねぇ」
「え?お前分かってて助太刀に来てくれたんじゃなかったのか?」
「分からないから説明しろって言ってるんだよ!」
「あいつらがライブの最中に言ってるの聞こえたんだよ。あんなフザけた道化野郎がジャックのギターを持つなんて納得出来ないって」
「あん?そいつは聞き捨てならねえな?!」
「で、ライブ後にDMCの連中を襲撃して2度とメタルが出来ない体にしてやる、ギターも取り返してやるって。あいつら目がマジだったぜ?
サバイバル用のでかいナイフチラつかせてたし。そんで、下らなねぇジョークは止めてもうちっと落ちつけよと俺がフレンドリーに
話しかけたんだよ。そしたら……」
「そしたら生意気だって難癖付けられて、こんな所に連れ込まれて集団リンチって訳か」
「正解!」
「まったく、お前って奴は……てか、お前英語話せるんだ」
「ついこないだまでアメリカ暮らしだったからな。これ位の修羅場には慣れてた筈なんだけどなーやっぱ日本に来てから平和ボケ?してんのかも」
俺はため息をついて、仁村の顔面を手持ちのタオルで拭いてやった
「おいおいもう少し優しくしてくれよ」
「煩せぇ黙ってろ」
「しっかしお前も世話焼きだな。お人好しって言われね?俺を追ってここまで来てくれたんだ」
「ぶ……っ?!」
言葉に詰まって、つい吹き出してしまった
「お節介ついでに、ちょっとおんぶしてくれない?俺ん家まで」
「何言ってんだよ、お前」
「太もも刺されちまって動けないんだ。頼む」
「だったら家より先に病院だろ!まぁ……放っといても大丈夫か。仁村だから」
「ちょっと悲しい事言わないで。傷つくぜ?」
結局、コイツの要求通りに俺が背負って近くの病院まで運んでやる事になったんだが……重い
体脂肪の少ない筋肉質な体な上、俺よりデカいのだから当然と言えば当然だ
背中の男はと言うとこれは楽だわと上機嫌
俺の大変さも知らずにいい気なもんだな
「なぁ」
「どうした?」
はぁと溜息をついていると、仁村が突然俺に話しかけた
「俺を助けに来てくれた時のお前さ、本気で超カッコ良かった」
「お前よくそんな恥ずかしい事を平気で言えるな」
「正義のヒーローみたいだったぜ」
「だから!そんなこっぱずかしい事を堂々と……!」
照れくさくてずっと俯いたまま返事をしていたら、さっきまで機関銃の如く喋りまくっていた口が急に閉じられた
そのまま、3歩、4歩、5歩、……10歩
「仁村?」
不審に思って、無理を承知で出来る限り首を後ろに回すと、ついさっきまで血まみれで酷く痛々しかった顔が満面の笑みになっていた
「ありがとうな」
「…………」
今、目の前の底無しに明るい男に見惚れてしまった自分に気づいてしまった
自覚したくなかっただけで本当は最初から分かっていたのかも知れないけれど、今日の行動の理由も――
「おっ、おう……」
咄嗟に言葉が出なくて、それだけ答えて再び歩き出す
あぁ!何でこんな奴に胸がキュンとしてしまうんだよ!
畜生
今日の借りは、次のDMCライブで逢った時に返してもらうからな!!
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 2人のキャラ、これで合ってるのかな……?
| | | | ピッ (・∀・ )
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タイトルが自分の主張の全てと言っても過言ではありません
レッドは漢前中の漢前だと思います
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